子供一人一人と向き合う時間が長く、それぞれのニーズや個性を生かしたケアや教育ができるのがファミリーデーケアの魅力だと話します。
オーストラリアにはデーケアやプリスクール、ファミリーデーケアなど、就学前の子供たちをケアするあらゆる保育サービスが存在します。
施設型のケアから保育士の自宅を解放してケアを行うスタイルまで、その形態は様々あり、また託児所のように早朝から夕方まで1日ケアを行うところもあれば、小学校の時間に合わせて運営する施設など、子供たちのニーズや家族の生活スタイルに合わせて選ぶことができるのも魅力的です。
2019年、シドニー北西部のワルンガにオープンしたNiko Niko Family Day Careは、在豪歴16年の日本人保育士、スローン香織さんが運営するファミリーデーケアです。
一度で最大4人のお子さんをケアするこのファミリーデーケアでは、日本とオーストラリアの文化やイベントを両方を取り入れた保育を行っており、バックグラウンドが日本人でないお子さんも通われており、自然な日本語を話せるようになったという、驚きの成長を遂げた子もいるそうです。
3児の母でもある香織さんが、自宅を解放してまでファミリーデーケアをやろうと思ったきっかけ、それは長女が生まれたときに遡ります。
長女を生んでまだ間もない頃、夫の友人が自宅へ遊びにきたときのことでした。小学校の先生でもあるこの友人は、スローン宅を見て、部屋や庭の広さから、ファミリーデーケアを運営するには最適だと述べたのです。当時はファミリーデーケアがなんなのかもまったくわからず、また育児以外のことを考える余裕もなかったと言いますが、3女がプリスクールに入ったことをきっかけに、「自分ができること」をじっくりと考え、「ファミリーデーケア」を思い出したと話します。
日本では助産師として活動していた香織さんは、またいちから、保育士の勉強をはじめ、アーリー・チャイルドフッド・エデュケーションのサティフィケート3を取得。自宅でのケアを開始しました。
仕事とプライベートのスペースをしっかりと区別することは難しいですが、家族でしっかりとルールを作り、娘たちにはケアに来る子供たちに良いお手本であること、言葉使いや態度に気をつけることをしっかり教えているそうで、娘たちにも良い学びの場となっています。
複数の保育士がケアを行う大型施設とは異なり、子供一人一人と向き合う時間が長く、それぞれのニーズや個性を生かしたケアや教育ができると話す香織さん。そのクオリティも必然的に高まります。
3児の母として奮闘するなか、ファミリーデーケアを運営するのは大変ですが、子供たちの成長ぶりや笑顔にやりがいを感じると話す香織さん。何より、自宅で、自分の子供たちの面倒を見ながら仕事ができるのは、もはや今の時代の理想なのかもしれません。
香りさんの音声インタビューは下記からどうぞ
火木土の夜10時はおやすみ前にSBSの日本語ラジオ!
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