オーストラリアを代表するファッションデザイナー、五十川明さんの元でアシスタントとして働く杉奈々子さん。見知らぬ土地で、新たな自分、新たな夢を発見されました。
2019年にワーキングホリデーメーカーとして来豪した杉奈々子さん。
「人に頼りながら生きてきた自分が嫌だった」と、言葉が通じない、知らぬ土地で自分をチャレンジしたかったと、振り返ります。
日本では服飾の専門学校に進学し、パタンナーとして就職していた奈々子さんですが、縫製の道具はいっさい持たず来豪。「正直洋服なんてやらない」と、飲食系のアルバイトをしていました。
しかし来豪から半年も経たない2020年3月に新型コロナウイルスのパンデミックが発生。多くのワーホリや学生同様に、奈々子さんも職を失ってしまいます。
そんな中、知人の知人がオーストラリアを代表する日系ファッションデザイナー、五十川明さんのもとでインターンとして働いてたという話しを耳にし、レジュメを直接スタジオへ持って行くことを決断。
以降、五十川さんのもとでパターンメイキングやパッチワークなどの活動を行い、現在はインターンを経て、彼のアシスタントとして奮闘されています。
五十川さんはとても優しく、思いやりがあり、気さくで話しやすいと語る奈々子さん。
仕事以外のこともよく話し合い、どんな些細な相談でも丁寧に対応してくれると言います。
「どんなことでも気になったらすぐに追求し、好奇心も旺盛。その行動力があるからオーストラリアだけでなく、世界でも活躍できているんだな、と尊敬しています」
日本では一流のパタンナーを目指していたという奈々子さんは、五十川さんのもとで、パターン引きはもちろんのこと、その他の過程にも携われることができ、多くを学べ、「新鮮」であると言います。
自分の好きな洋服を作り、それを多くの人に着てもらう—それを間近で見てきた奈々子さんへの影響は大きく、自分のブランドを持ちたい、という新たな夢も見つかりました。
日本ではトレンドばかり気にし、ワンシーズンで処分してしまうファッションも多くありましたが、「なんでもありというオーストラリア」では、自分が好きなように着飾れることができ、今はそんな自分が好きになれたと明かします。
そして「頼ってばかりであった自分の性格が嫌であった」という奈々子さんは、オーストラリアという自由な国、五十川明氏という一流デザイナーから受けた多大な影響と刺激により、逆にそれが自分の強みであるということを確認できたと話します。
いつかは五十川さんのように世界で活躍できるデザイナーになり、自身のブランドを持ちたいという奈々子さん。五十川さんのように、ワーホリで来豪された奈々子さんが、将来オーストラリアン・ファッション・ウィークの舞台に立てる日が待ち遠しいです。
今年のオーストラリアン・ファッション・ウィークは、5月9日~5月13日にシドニーのカレッジワークスで開催されます。これまでファッション業界やメディア限定のイベントでありましたが、今年初めて、一部のイベントが一般にも公開されます。
杉奈々子さんのフルインタビューは下記からどうぞ
火木土の夜10時はおやすみ前にSBSの日本語ラジオ!
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