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COVID-19にまつわる「うわさ」は本当?専門家に聞きました

Professor Sanjaya Senanayake Source: Supplied

オーストラリア国立大(ANU)のセナナヤキ准教授に聞きました。

コロナウイルスについての「都市伝説」や間違った治療法が世界中にあふれ、公共の、そして個人の健康や安全を脅かしています。

誤った情報が広がってしまうのを防ぐために、SBSでは、特に知られている13のうわさについて、本当かどうかを調べることにしました。

オーストラリア国立大(ANU)医学・感染症学部のサンジャヤ・セナナヤキ准教授が、医学的・科学的立場から説明します。一般から寄せられた質問5つにも回答しています。

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Getty

  • うわさその1:若くて健康であれば、ウイルスに感染しても何も起こらない。気をつけなればならないのは、高齢者と健康上の問題がある人だけ。

"ウイルスに感染した人のうち症状が重症化するリスクが最も高いのは高齢の人、特に65歳以上で基礎疾患のある人です。しかし、若くて健康な人でもウイルスに感染して症状が悪化し、集中治療を受けたり、亡くなったりしています。確かに、若くて健康な人が命にかかわるほど重篤化する可能性はとても低いといえますが、ゼロではありません。ウイルスに感染して亡くなった方の中には、それまで健康だった人がいます"(セナナヤキ准教授)

  • うわさその2:紫外線を浴びたウイルスは死滅するため、日光浴をすることでウイルスから身を守ることができる。

"インフルエンザウイルスと同じように、紫外線がコロナウイルスに影響を与えるといういくつかの証拠はありますが、確固たる証拠ではありません。コロナウイルスに対しては、UVCと呼ばれる紫外線C波の効果が最も高いとされていますが、人に対する危険性も高くなっています。別のFar-UVCと呼ばれる遠赤外線C波も研究されました。これは人に対する危険性が低いとされているものの、ウイルスやバクテリアに対する効果が見込めるというものです。しかしながら、こちらも人の体に対する十分な研究がされていません"

  • うわさその3:ニンニクを食べ、ビタミンDのサプリをとる、またはハーブを使った薬や民間療法による薬を使うことで、コロナウイルスへの感染を防ぐことができる。

"これらを正しいと証明する十分な科学的証拠がありません。例えばニンニクなどを摂取することで体調が良くなるようなら、それはそれで良いことです。しかし摂取の目的が、ウイルスへの感染を防ぐことにあるなら、しないでください"

  • うわさその4:お湯やアルコール、レモン水を飲むことで、喉についたウイルスが除去される。

"お湯やレモン入りの水を飲むことで、喉の調子が良くなったと感じることがあるかもしれませんが、ウイルスを除去することはできません。ウイルスに対する効果は全くありません"

  • うわさその5:コロナウイルスは喉まで侵入した後、そこに数日とどまってから、肺に感染を広げる。また高い熱で死滅するので、ウイルスに感染した後にお湯を飲むことにより、症状が出るのを防ぐことができる。

"ウイルスが喉や鼻から侵入することは確かです。しかし、お湯については前に触れましたが、お湯やマウスウォッシュがウイルスを除去するという証拠はありません"

  • うわさその6:体内に侵入したウイルスを胃に流し込むために水を頻繁に飲む。これにより、ウイルスが気管に入ることなく、胃酸により死滅する。

"これを正しいと証明する十分な科学的証拠がありません。水をたくさん飲むことには健康上良い理由がいくつもありますが、コロナウイルスについては別です。ウイルスに感染した人の排泄物からは、ウイルスが見つかっています。これは、ウイルスが胃酸によって必ずしも死滅することがないということです"

  • うわさその7:ウイスキーなどのアルコール度数の高いものを飲むことで、喉が消毒され、ウイルスを除去できる。

"いいえ、アルコール度数の高い飲み物を飲むことでウイルスを除去できるという証拠は何もありません。むしろ別の理由で健康を害する行為です。このうわさの根拠は、手を殺菌するアルコール性の消毒液ではないかと勘ぐっています。アルコール性の消毒液はウイルスの除去に効果がありますが、これは手に使うもので、体内に摂取するものではありません。この二つは全く違うものです"

  • うわさその8:HIVへの感染を予防する抗HIV薬、PrEP(プレップ)を服用していれば、コロナウイルスへの感染を防ぐことができる。

"この都市伝説の根拠になっているのは、おそらく、ロピナビル-リトナビルと呼ばれている抗HIV薬が、コロナウイルスに対して有効性があると仮定されていることにあると思います。ですが、アメリカの医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」で発表された無作為コントロール試験では、残念な結果が示されています。たとえ仮に、この特定の抗HIV薬の有効性が確認されたとしても、これ以外の抗HIV薬がコロナウイルスに対して同じような働きをするということにはなりません"

  • うわさその9:抗マラリア薬のヒドロキシクロロキンがコロナウイルスの治療に使える。

"この薬は、研究室では、確かにコロナウイルスに対して有効性があります。ある臨床試験では、ウイルスを死滅させたようだとの結果が示されています。しかしまだ研究を続ける必要があります。別の研究では、ウイルスに対する有効性はないと結論づけているからです。もう一つ問題があり、この薬には、患者の心臓の鼓動に影響を与える副作用があります"

  • うわさその10:抗マラリア薬のヒドロキシクロロキンがコロナウイルスの治療に使える。

"熱い風呂に頻繁に入ることがウイルスへの感染を防ぐという証拠はありません" 

  • うわさその11:食塩水で鼻うがいをすることにより、感染を防ぐことができる。

"鼻うがいは、鼻が詰まっているときには効果が期待できますが、コロナウイルスを除去しません"

  • うわさその12:通信システムの5G ネットワークがウイルスの感染を広げている。

"5Gネットワークがウイルスの感染の拡大にどうつながるのか理解できません。コロナウイルスは5Gネットワークがない国や地域でも感染が広がっています" 

  • うわさその13:5G ネットワークは人の免疫力を弱め、ウイルスの感染拡大を招いている。

"5Gネットワークから発生する放射線が、人の免疫機能を弱らせるほど強いものであるという証拠はありません"

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Getty/Flavia Morlachetti

加えて、一般から寄せられた5つの質問についても、セナナヤキ准教授に聞きました。

質問1:スーパーマーケットでの買い物でウイルスに感染することはありますか?

"理論的に言うと、ウイルスは飛沫感染で広がり、人が咳やくしゃみをすれば飛沫が飛びます。これらが物体の表面に付着すれば、ウイルスは生きた状態でそこにとどまります。ですから理論上は、スーパーに行って、例えば買い物のトローリーやカウンターなど、何かに触れることでウイルスに感染する可能性はあります。外出したときに、消毒液で手を頻繁にきれいにするのが大切なのはそのためです。そして手にウイルスがついたからといって、まだ感染したわけではありません。消毒液を使い石けんで手を頻繁に洗うことで、自分が感染するのを防ぐことができます。手に付いたウイルスをきちんと除去していれば、ウイルスの付いた手で目や鼻、口を触ることはありません" 

質問2:ウイルスに感染している人が自分から離れたところでくしゃみをした場合、自分が感染してしまうことはありますか?  

"ある研究では、咳やくしゃみでウイルスが最大8メートル先まで飛ばされるとしていますが、あくまで1つの研究にすぎません。私たちは、咳やくしゃみをしている人から少なくとも1.5メートル離れていれば、飛沫感染のリスクを避けることができると考えています"

質問3: 感染していても咳やくしゃみをしなければ、ウイルスを周りにばらまくことはありませんか?

"公共衛生上、何をもって感染者との濃厚接触とするかは2つに定義されます。1つ目は感染者との15分を超える対面での接触、2つ目は感染者と同じ部屋や密閉された空間に2時間を超えて一緒にいたときです。たとえ1.5メートルの距離を保っていたとしても、濃厚接触となります"

質問4:物体の表面を介してウイルスに感染するリスクはどのくらいありますか?

"物体の表面を介した感染は、リスクは低いものの、可能性があります。誰かが触った直後にその物体の表面に触れた場合は、そこにウイルスが多く残されている可能性はあります。ただ、その物体に誰かが触ったのが2日前だった場合は、感染リスクは大幅に低下します"

質問5: ウイルスは物体の表面でどのくらい生きていますか。人の手ではどうですか?

"ウイルスは、銅の表面では4時間、紙や段ボールの表面では24時間、ステインレス・スティールやプラスチックの表面では最長72時間、それぞれ生存しています。人の手の表面でどれくらい生存するかは分かっていません"

英語記事の全文はこちらから(2020年5月11日アップデート)。


オーストラリアでは、ほかの人との距離を1.5メートル以上保たなければなりません。あなたの州・テリトリーの制限は、こちらから確認してください。

COVID-19のウイルス検査はオーストラリア各地で広く普及しています。風邪やインフルエンザのような症状がある場合は、医師またはコロナウイルス・ヘルスインフォーメーション・ホットライン(電話番号1800 020 080)に電話で問い合わせて、検査を受けましょう。

連邦政府が公開したウイルス追跡アプリ「COVIDSafe」は、使っているスマートフォンのアプリショップからダウンロードできます。

SBSはオーストラリアの多様なコミュニティーに対して、COVID-19についての最新の情報を伝えることに取り組んでいます。www.sbs.com.au/coronavirusでは、関連のニュースや情報を63の言語で知ることができます。

 

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