アボリジニ語での国歌斉唱について アンソニー・マンディーンとラテル・ミッチェルが苦言

「言葉は変わっても、国歌の意味は変わらない」。オーストラリアを代表する2人の先住民スポーツマンが苦言を呈しました。

Australia v Argentina - 2020 Tri-Nations

Wallabies players stand for the national anthem ahead of Saturday's Tri-Nations match against Argentina Source: Getty Images AsiaPac


週末シドニーで行われたラグビーオーストラリア代表、ワラビーズの国際試合で、アボリジニの言葉で国歌斉唱が行われたことについて、先住民ボクサーで、元NRL選手のアンソニー・マンディーン氏が、NRLのスター選手で、同じく先住民であるラトレル・ミッチェル氏とともに批判しました。

5日夜行われたトライネーションズ大会のアルゼンチン代表戦では、試合前にウィラジュリ族出身の高校生、オリビア・フォックスさんが、エオラ語と英語の両方でオーストラリアの国歌「アドバンス・オーストラリア・フェア」を熱唱。

先住民族のデザインをあしらったユニフォームを着た選手たちも、オリビアさんとともに国歌を斉唱し、ソーシャルメディア上では広く称賛されました。

しかし、ブンジャルン族出身のマンディーン氏は、今回のパフォーマスは選手たちがオーストラリアの先住民に「恩返し」をしているように見えるものの、国歌が「白人オーストラリア政策のテーマソング」であることに変わりはないと苦言を呈しました。



「何かを変えたいのであれば、実際に国歌の歌詞を変えるべきです。同じ歌詞をアボリジニの言葉で歌っても、アボリジニの人々が受け入れてくれるとは思えません」とデイリー・テレグラフ紙に語りました。

「たしかに話題になりました、しかし正しいメッセージであったとは思えません。パフォーマンス自体はよかったですし、恩返ししているようにも見えました。しかし実際には何も返していません」

アドバンス・オーストラリア・フェアは1878年にピーター・ドッズ・マコーミックさんによって書かれ、1984年にはゴッド・セーブ・ザ・クイーンに代わって国歌となりました。

しかし、多くの先住民族は、アドバンス・オーストラリア・フェアは彼らの文化を包括しておらず、オーストラリアの植民地時代の過去を象徴するものだとしています。

ウィラジュリ族とバーベイ族出身のミッチェル氏も同様の感情を表明しています。

「言葉を変えても、意味は変わらないことをいつになったら理解すのだろう」とミッチェル氏はインスタグラムに投稿。

「誇りを持ってください。ただし、何を誇りに思うのか、理解してほしい。私は我々先住民のために立ち上がります。これからもこの世界で最も古い文化を誇りに思い続けます」

ミッチェル氏は、以前に国歌斉唱をボイコットした数多くの先住民NRL選手の一人です。
フォックスさんはエオラ語で国歌を披露できたことについて、「信じられません」、「誇りに圧倒されました」とSBSニュースに語りました。

また、誰もが自分の考えや意見を持っているだろうと述べる一方で、パフォーマンスは「正しい方向への大きな一歩」であったと述べました。

先月のNAIDOCウィークでは、オーストラリア先住民の歴史をより良く反映するために、国歌の歌詞を変更することを求める声が広がりました。

先住民問題相のケン・ワイアット氏は先住民チャンネルのNITVに対して、歌詞の「We are young and free(私たちは若く自由である)」を「(We are one and free)私たちはひとつで自由である」に変更する提案について、「支持する」と明らかにしています。

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Published

Updated

By Evan Young
Presented by Yumi Oba

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