3月8日いよいよ開幕するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。
野球の世界一を決めるWBCが前回開催されたのは2017年。2021年の第5回大会は新型コロナウイルスパンデミックにより今年に延期されたため、6年ぶりの大会となります。
20ヵ国が参戦する本大会では、5ヵ国が4つのグループに分かれて、日本、アメリカ、台湾を舞台にリーグ戦が行われます。
日本とオーストラリアはプールBで、韓国、中国、チェコ共和国とともに、東京ドームを舞台に対戦。上位2チームが次のステージへとコマを進めます。

Credit: World Baseball Classic
府中市と豪野球の関係は、親善試合のキャンプ地となった2018年に遡り、地域の温かいおもてなしやサポートは、8日から開幕する大会に向けて大きな活力となりました。
また野球だけに留まらず、小学校への訪問や子供の野球クリニックの開催など、地域の住民にとっては貴重な文化交流の機会ともなりました。
リアム・スペンス内野手は、SBS日本語放送の取材で、府中市と宮崎で受けたウェルカムは「非現実的で特別なもの」と説明。
「このような町が与えてくれる愛とサポートを、テレビで見て育ってきましたが、実際に自分も触れることができ、とても嬉しいです」
ビクトリア州のジロングで生まれ育ったスペンス選手は、8歳と10歳年上の2人の兄、ニックとジョッシュに憧れて野球をスタート。高校卒業後はテネシー大学の主要選手となり、2021年にはシカゴ・カブスにドラフトされました。すでにトリプルAでプレーし、クラクストンシールドを獲得したばかりの期待の選手です。

Liam Spence - (Team Australia) in action during the Team Australia World Baseball Classic training camp in Miyazaki City Tokyo, Japan prior to the start of the 2023 World Baseball Classic Pool B round at the Tokyo Dome. Credit: SMP Images / Baseball Australia Media
「日本の観客の大きな声援についてはよく耳にしています。静まることがないと。ですからそれを初めて体験することに興奮しています」
また今大会、オーストラリア代表のユニフォームには、先住民のシンボルが施されました。ワッジューク・ヌーンガー族のアーティスト、ジャーニ・マグワイアさんがデザインしたシンボルは、オーストラリアのファースト・ネーションズの人々の豊かな歴史と文化に敬意を示しています。
「私の小学校には多くの先住民の生徒がいました。彼らのシンボル、オーストラリアのシンボルを身に着けられることは、より誇らしく思えます」、とスペンス選手
オーストラリアで野球に携わる多くの日系の子どもたちも本大会に注目しています。

Akira Bastianon represented NSW in the U16’s Australian Youth Championships, taking home the trophy. Credit: Chieko Bastianon
野球歴は8年で、将来の夢はメジャーリーグと語るアキラ君は、世界のトップの選手たちが集うWBCの開幕を心待ちしており、特に大谷翔平選手のプレイを楽しみにしていると話します。
「投打ともに世界トップクラスである大谷翔平選手は私の目指すところです。彼を尊敬しています」。
12日の日豪戦については、「両チームに良いプレイをしてほしい」、「結果がどうであれ、ハッピーです」と、両チームを応援すると説明してくれました。
オーストラリアは初戦を9日韓国(世界ランキング4位)と、続いて11日に中国(同30位)と戦い、12日には3大会ぶりの優勝を目指す世界ランキング1位の日本と戦います。
オーストラリアは過去の全4大会に出場していますが、いずれもリーグ戦敗退となっており、今回初の準々決勝進出を目指します。
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