豪ワクチンプログラム 今週末に大幅のリセットへ

連邦政府と各州の首相が、オーストラリアのCOVID-19ワクチン摂取戦略の一連の変更に原則合意しました。

Prime Minister Scott Morrison

Prime Minister Scott Morrison Source: AAP

オーストラリアのCOVID-19ワクチン接種プログラムは、「大幅なリセット」が行われる予定で、その詳細は今週木曜日に発表される見込みです。

19日月曜日に開催されたナショナル・キャビネットでは、各州の首相が、オーストラリアのCOVID-19ワクチン摂取戦略の一連の変更に原則合意したと、スコット・モリソン首相は声明で発表しました。これらの変更は22日木曜日に行われる次の閣議で検討される模様です。

「(変更に含まれるのは)優先順位グループ2aの50歳以上への接種開始時期を前倒しすることや、ワクチンの供給量の増加に伴い、集団接種施設を含む、州政府が管轄する接種会場の準備などが含まれる」とモリソン首相は述べています。

閣議では、50歳以上を対象とした予防接種の展開について、引き続きGPが主要な拠点となることで合意し、また各州で予防接種センターの拡大などを通して、連邦政府のワクチンプログラムの展開をサポートすることが検討されました。

「連邦政府はファイザー社と共同し、高齢者施設の入居者へのワクチン接種を、インリーチ・モデルを用いて最終的に完了する」と述べました。
クイーンズランド州のアナスタシア・パラシェ州首相は、ブリスベンで記者団に対し、ワクチンの展開について「良い話し合いができた」と述べ、ワクチンプログラムの大幅なりセットが、週末までには決定される予定であると明かしました。

オーストラリアのワクチンプログラムでは現在、フェーズ1aおよび1bの人々へのワクチン接種が行われており、50歳以上の人々に対してはアストラゼネカ社のワクチンが推奨されています。

またパラシェ州首相は、海外から帰国したオーストラリア人が自宅で検疫を受けられるようにする案が浮上していることについて質問されると、「正式な案は出されていない」と答えました。

「ホテルでの検疫はこれまで順調に進んできました」

またタスマニア州は、連邦政府のプログラムによってカバーされる予定であった高齢者施設・障がい者施設の従事者に対してワクチン接種を行うことを提案しており、リセットに向けた具体的な役割を表明しています。
Queensland Premier Annastacia Palaszczuk has confirmed two new cases of coronavirus in Brisbane, and a third case in hotel quarantine.
Queensland Premier Annastacia Palaszczuk Source: AAP
ニューサウスウェールズ州のグラディス・ベラジクリアン州首相は、ワクチン接種のアプローチについて「厳格になりすぎないべきだ」と述べています。

「アストラゼネカのワクチンは、50歳以上の人が接種しても問題ないことがわかっています。現在オーストラリアにはかなりの量が供給されています。私たちは迅速に取り掛かる必要があります」と述べました。

「ニューサウスウェールズ州には巨大なワクチン接種施設で、ワクチンを提供する能力があります」

モリソン首相は、閣議に先立ち、50歳以上の人へのワクチン接種開始時期を前倒しすることに強い主張があることも明かしました。

連邦政府が昨年策定した予防接種計画では、5つの段階があり、現在、全国で進められている1aと1bフェーズでは、高齢者・障がい者施設の従事者、検疫や医療従事者、高齢者施設の住民が対象となっています。また、基礎疾患や重大な障がいを持つ人、70歳以上(オーストラリア先住民は55歳以上)の人も、予防接種を優先的に受ける資格があります。

今月に入り、アストラゼネカ社のワクチンには稀な血栓症のリスクがあることが発覚し、50歳未満には同社のワクチンは推奨しない、と医学的アドバイスが更新されたことを受け、オーストラリアのワクチンプログラムの大多数を占める予定であったアストラゼネカ社のワクチンの在庫に現在余裕があります。
一方で連邦労働党のマーク・バトラー保健担当スポークスマンは、ワクチンの供給には深刻な問題があり、解決する必要があると述べています。

「私は多くの医療機関、大きなGPクリニック、州のクリニックと話をしてきましたが、これらの施設は非常に多くの予防接種を行うように設定されています」

しかし中には週に50~100回の接種しか行っていないところもあり、「これでは到底足りない」と警告しています。

ビクトリア州では、4月9日に血栓の問題で一時停止していたアストラゼネカ社の予防接種を、水曜日から、対象となる50歳以下の人々に再開します。また同日、アストラゼネカ社のワクチンを提供する3つの集団接種施設も、フェーズ1aと1bを対象にビクトリア州でオープンします。

オーストラリアではこれまでに159万回の接種が行われています。

 

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Presented by Yumi Oba
Source: AAP, SBS

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