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シドニーの観光地ボンダイビーチで14日の日没後、銃撃事件が発生し、これまでに少なくとも16人の死亡が確認されています。
州警察は、この事件をユダヤ教を狙った「テロ攻撃」と認定しました。
オーストラリアのアルバニージー首相も会見で、今回の銃撃を「ユダヤ系オーストラリア人を標的にした攻撃」だと述べました。
「ハヌカの初日は本来、喜びと信仰を祝う日であるべきです。こうした攻撃が国家の中心を打ち砕きました。これは悪意に満ちた反ユダヤ主義であり、テロ行為です。」
当局によりますと、死亡した16人の中には子供1人、銃撃犯1人、警察官1人が含まれています。
15日朝の時点で、負傷者は38人に上り、この中には警察官2人も含まれています。
テロ攻撃と認定
NSW州警察のマル・レイニオン長官は、ハヌカ初日というタイミング、使用された武器の種類、そして現場で発見された爆発物を踏まえ、この銃撃を「テロ事件」と認定したと明らかにしました。
「カウンターテロ(対テロ)指令部が州犯罪指令部の捜査官とともに事件の捜査を主導します。徹底的に調べ上げます。」
「このような恥ずべき行為、無差別な暴力、罪のない命を奪う行為は、ニューサウスウェールズ州では容認されません。」
クリス・ミンズ州首相も、警察体制を強化し、治安維持に向けて大規模な対応を取る方針を示しました。
さらに、現場近くの車からは複数の爆発物も見つかり、爆弾処理班が対応に当たりました。爆発物は死亡した容疑者の車両から見つかったものです。
実行犯は親子
レイニオン長官はによりますと、実行犯は50歳の男と24歳の男の2人で、親子関係にあります。父親は死亡しており、息子は重体ながら容体は安定しているということです。警察は第三の容疑者はいないとみています。
また警察は昨夜、ボニーリッグとケンプシーの2か所で家宅捜索を行いました。
50歳の男は合法的な銃所持許可を持っており、6丁の登録された銃器を所持していました。
銃撃犯に立ち向かった男性に称賛の声
銃撃犯の1人からショットガンを奪い取った男性の勇敢な行動に、称賛の声が上がっています。
映像には、男性が車の陰に身を隠し、数メートル先の歩道で銃を構える犯人の視界から逃れようとしている様子が映っていました。
男性はその後、犯人に飛びかかり武器を奪い、突き飛ばす様子が確認できます。銃撃犯はその後、別の歩道橋にいるもう1人の犯人の方へと歩いていきました。
SNSに投稿された複数の映像には、2人の銃撃犯がキャンベル・パレードからボンダイ・パビリオンへと続く歩道橋に立ち、ビーチの人々に向けて発砲している様子が確認できます。
「最悪の恐怖が現実となった」
オーストラリア・ユダヤ人評議会の共同代表、アレックス・リフチン氏は今回の事件について「最悪の恐怖が現実となった」と述べています。
「これは家族で楽しむイベントで、毎年とても美しい催しなんです。」
「もし今回の事件が私たちが考えている通りのものだとすれば、最悪の恐怖が現実になったということです。もし標的にされたのだとすれば、その規模は誰も想像し得ないほどです。」
ブラジルから訪れていたダニエルさんは、銃撃前に歩道橋で2人の襲撃犯を目撃したといいます。
銃声が鳴り響く間は友人とともに隠れ、その後走って逃げたと振り返ります。
「砂浜や地面には多くの人が倒れて助けを求めていました。」
「地面に倒れている人たち、泣き叫ぶ子どもたち、母親を探す声…。」
オーストラリアでこのようなことが起きるとは信じがたいと話すダニエルさん。
「今日のことを受けて、もう安全だとは感じられません。」
アルバニージー首相は、今回影響を受けた人々に心を寄せていると述べました。
「オーストラリア人の命が無残に奪われ、多くの人が負傷しました。今は何よりも、深い悲しみに暮れる遺族や被害者の方々のことを最優先に思っています。」
「ユダヤ系オーストラリア人への攻撃は、すべてのオーストラリア人への攻撃であり、今夜、多くの人々が私と同じように、この生活への攻撃に心を痛めているでしょう。」(アルバニージー首相)
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