留学生の落ちこぼれが懸念されている中、オーストラリアにある大学へ入学を希望する人達の入学資格となる英語力の基準を連邦政府が引き上げる様呼びかけられています。
ビクトリア州のダニエル・アンドリュース州首相は全国高等教育組合いわゆるNETUへの書簡でモリソン首相に対し改革を強く勧めると述べています。
現状の入学資格はIELTS9点の内最低5.5点以上の点数が必要とされています。
ほとんどの大学は6-7点を入学基準としていますが、政府は制限がある英語力とされる4.5点の申請者にも20週間の集中英語コースを受講するという条件で、学生ビザを発行しています。
英語コースを終了出来れば、英語テストを受ける必要はありません。
ビクトリア州のジェームス・マーリーノ高等教育相代理は文書でオーストラリアで就学希望の留学生達への妥協だと述べています。
「留学生達はビクトリア州の教育システム重要な一部となっています。しかし、卒業出来る十分な英語力が無いまま入学しています。これは、学生にとっても教師にとってもフェアではありません。
ですから、それがこの問題を連邦レベルで考察する様にした理由です。」
しかし、連邦のダン・テハン教育相は単独で、学生が十分な語学力を持ち合わせている様にするのは大学側の責任だとする文書を発表しました。
「オーストラリアの教育セクターの質を留学生の数で判断することが出来ると思います。
イギリスに本拠がある国際高等教育センターは今年オーストラリアがイギリスを抜いて世界で第2番目に留学生を多く集めている国になると予想しています。大学側は必ず生徒達が教育を十分に受け得る言語能力を持ち合わせている状態である責任があり、高等教育基準2015が要求する条件を満たしている責任があります。」
全国高等教育組合の組合長であるアリソン・バーンズ博士は、連邦の大学セクターの経費節減は、学生を支援するスタッフ数が削減されることになり、この状況の助けにはなっていないと述べます。
そして、バーンズ博士も責任は大学側にあると考えています。
「オーストラリアの大学は各々自己認定的な独自の基準を設ける責任があります。ですから、大学側に入学する学生には責任を持って対処する様、呼びかけています。これを可能にするには各大学が国内及び国外からの学生達に対し、より高い入学資格を設け、問題を抱える学生達の学習や生活の支援が出来るスタッフの数を増やすことです。」
しかし、オーストラリアの国際教育連合のフィル・ハニーウッド最高責任者は大学側は既に留学生に対しする英語基準を高くしていると述べています。
「オーストラリアは既に大学院教育において、世界的に見てもとても厳しい英語力を基準としています。我々の厳しい基準はカナダ、ニュージーランドそしてイギリスなどの競合国が羨むほどのレベルです。この基準により高い水準を保ち、国際的に高レベルな学術的理解を保つことが出来、これは強固なもので、そうでなければならないのです。」
オーストラリアの国際学生カウンシルは学生ビザ発行の為の英語力レベルの見直しを歓迎すると述べています。
しかし、カウンシルのスポークスマンであるマンフレッド・ムレットシン氏は大学側にもしなければならないことはあると述べます。
「双方に関係すると思います。もちろんこの件に関しては協力していかなければなりません。なぜなら、これは大学側だけの問題でもなく、政府側だけの問題ではないからです。明らかに大学はより多くの学生を入学させようとするでしょうが、同時に教育質を高めておかなければならないのです。同じことが政府にも言えます。明らかに政府にとってはキチンと卒業生出来る人達を欲している訳ですから。」
ムレットシン氏はエストニアから移住し、現在ダーウィンで就学しています。
英語は小・中・高校と学び、大学教育には十分な語学力があったと述べます。
しかし、十分な語学力がない留学生達は、問題に直面するだろうと述べます。
「これは精神衛生にも影響を与えます。不安やでウツになる生徒達が沢山います。私は精神科医ではありませんが、そういう症状を生徒達から感じることが出来ます。授業や集団作業について行けなかったりする学習の遅延、そして課題が実際にこなせないなどで、必要以上に人の2倍も努力している場面を多く見ます。」
オーストラリアの国際教育連合のフィル・ハニーウッド氏は留学生自身にも役割があると言います。
「同じ国籍の学生達と同居することで、英語ではなく同じ母国の言葉を居住先で話ているという間違いを往々にして犯しています。ですから、教育を施す側にも基本的な責任があると同時に教育を受ける側にもオーストラリアで就学する為の厳しい基準を守る責任があります。」
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