メルボルンでステージ4のロックダウンが敷かれているビクトリア(VIC)州で、コロナウイルスの感染者数が減少傾向にあります。その一方、これまで感染拡大の脅威にそれほどさらされていなかったQLD州でクラスター感染が発生しています。
VIC州できょう発表された感染者数は116人と、7月5日(74人)以来7週間ぶりの少ない数字となりました。また死者の数は15人となり、オーストラリア全体の死者数は累計で517人となっています。
VIC州政府のダニエル・アンドリュース州首相はメルボルンで開かれた記者会見で、州で確認される1日の感染者数が近く二桁に減少するとの見方を示し、規制を守っているVIC州民への感謝の言葉を述べました。
州首相はまた州議会に対して、非常事態宣言をさらに12カ月延長するよう求める方針を示しました。もしそれよりも前にワクチンが普及したり、状況が劇的に変わったりした場合には、それに合わせて規制の内容を調整するとしています。
非常事態宣言は通常、1回につき6カ月までしか延長できません。アンドリュース州首相は現行の法律を変更することで12カ月の延長ができるようにしたい考えです。
ブリスベンのクラスター感染
QLD州では、当局がコロナウイルスへの警戒を呼び掛けている地域が、これまでの40カ所から67カ所に増えています。ブリスベンのワコルにある少年拘置所で発生したクラスター感染が拡大していることが背景にあります。
州が24日に発表した感染者数は1人で、少年拘置所のクラスターに関連した感染者数はこれまでで10人になりました。
少年拘置所のクラスターの発生源は、先週感染が確認されたイプスイッチの77歳の女性従業員で、感染力があった期間も勤務を続けていました。
少年拘置所では従業員500人のうち200人以上がウイルス検査を受け、陰性でした。また拘置されている少年110人以上も検査で陰性でした。
チーフ・ナーシング&ミッドウィフリー・オフィサーのアリソン・マクミラン氏は、この少年拘置所でのクラスター感染は当局から「非常に密接に」監視されていると述べています。
ニューサウスウェールズ州ではきょう、3人の感染が確認されました。このうち2人は海外からの帰国者でホテルで自己隔離を行っており、残り1人はリバプール・ホスピタルでの感染に関連しています。
州境の再開論議が再燃
連邦政府の大蔵省が、今後数カ月で失業率が13%を超えて悪化するとの新しい推計を出したことを受けて、州境の再開をめぐる論議が再燃しています。
連邦政府のマイケル・マコーマック副首相は24日にスカイニュースに出演し、州境を永久に閉じていることはできないと語りました。
さらに保守連合のデビッド・リトルプラウド国民党副代表はさらに踏み込み、各州政府は、仕事で州境を越える必要のある農業従事者を一段と支援する必要があると述べています。
連邦議会ではきょうから開会し、コロナウイルスに関連した制限の下、2週間の日程で行われます。
西オーストラリア州では23日、他州を経由し海外から戻ってきた移動者1人の感染が確認されました。この移動車はホテルでの自己隔離中にウイルス検査で陽性が判明しています。
メルボルン首都圏の住民はステージ4のロックダウンの対象となっています。午後8時から翌朝5時までの夜間の外出が禁止されています。制限のリストはこちら:https://www.dhhs.vic.gov.au/stage-4-restrictions-covid-19
ビクトリア州の住民はすべて、外出時のマスク(フェースカバー)着用が義務付けられています。
オーストラリアでは、ほかの人との距離を1.5メートル以上保たなければなりません。集会についての制限は住んでいる州の決まりを確認してください。
風邪やインフルエンザのような症状がある場合は自宅にとどまり、医師またはコロナウイルス・ヘルスインフォーメーション・ホットライン(電話番号1800 020 080)に電話で問い合わせて、検査を受けましょう。