グレーターシドニーのロックダウン1週間延長

7月9日に解除が予定されていた、グレーターシドニー、ウーロンゴン、シェルハーバー、ブルーマウンテンズ、セントラル・コーストのロックダウンが1週間延長されることが発表されました。

Gladys Berejiklian is expected to confirm a virus lockdown will be extended by a week after meeting with health experts late on Tuesday.

Gladys Berejiklian is expected to confirm a virus lockdown will be extended by a week after meeting with health experts late on Tuesday. Source: AAP

ニューサウスウェールズ州政府は、現在5つの地域で数百万人に課されているロックダウンを1週間延長することを発表しました。

今週金曜日に解除が予定されていたグレーターシドニー、ウーロンゴン、シェルハーバー、ブルーマウンテンズ、セントラルコーストのロックダウンは、7月16日午後11時59分に終了する予定です。

7日水曜日に確認された27人の新規感染者のうち、18人は既知のクラスターに関連しており、9人は調査中です。新規感染者のうち、すでに隔離を行っていたのは半数以下でした。

グラディス・ベラジクリアン州首相は「この延長は、国民の大多数がワクチンを摂取するまでの、最後のロックダウンとなることを可能にする最良の機会」とし、「ロックダウンを繰り返すような状況にはなりたくない」と説明。
また首相は、フェアフィールド、カンタベリー/バンクスタウン、リバプールLGA(ローカル・ガバメント・エリア)に感染が集中していると述べ、明日は感染者が増加する見込みがあると警告しました。

当局は現在これらのLGAに対する規制の強化を検討中です。

チーフ・ヘルス・オフィサーのケリー・チャント氏は、政府の懸念は、「感染期間中に外出している感染者の人数」であるとし、感染者が知らず知らずのうちに感染を広げている状況を指摘。陽性が確認された時点で、その世帯の人たちがすでに感染していると言います。

ベラジクリアン州首相はこれら3つのLGAの住民に対して、移動を制限するよう呼びかけ、また警察がパトロールを強化することも付け加えました。

「ウイルスを拡散しているのは、人の移動です。家を出るときは自分がウイルスに感染している、またはあなたの周りの大切な人がウイルスに感染していると思わなければいけません」
シドニー南東部では現在も感染が確認されていますが、そのほとんどが家庭内感染で、陽性が確認される以前に隔離しています。

チャント氏によると、現在37人の患者が入院しており、そのうち14人が55歳以下、8人が35歳以下、また1人の30代患者を含む7人が集中治療を受けており、これは「若者への警鐘」だと表現しました。

州首相は、シドニーがロックダウンから脱却するためのロードマップを数日中に発表すると述べています。

 「これから10日間、そしてそれ以降、現存するウイルスにどのように対処するかは、私たち全員にかかっています」

生徒はリモート学習へ

来週から新学期が始まりますが、ロックダウンが延長された5つの地域では、人々の移動を最小限に抑えるため、リモート学習が実施されます。

「学校が安全な場所でないからというわけではありませんが、子供の送り迎えによる何千人もの移動と接触を止める必要があります」

一方、エッセンシャルワーカーの子供は昨年のロックダウン同様に学校に通うことができ、ニューサウスウェールズ州地方部の生徒も通常の授業を再開できます。

エイジドケアで新たな感染者発生

ボーカムヒルズの高齢者施設、『サミットケア』に関連した感染が、新たに2件確認されました。この中には7月1日から隔離されている4人目となる陽性スタッフが含まれています。この職員はファイザーワクチンの初回投与を受けていました。

昨日は、さらに入居者1人の感染が確認されました。この女性は以前陽性が確認されていた男性の妻で、すでに夫の付添でウェストミード・ホスピタルに入院していました。夫婦はともに2回のワクチン接種を終えていました。

この高齢者施設の入居者における感染者は6人となり、いずれも入院していますが、症状は確認されていません。

ニューサウスウェールズ州の保健当局は昨日、入居者の24人にワクチンを提供。これにより入居者の99%が少なくとも1回の予防接種を受けたこととなります。

また職員の50%がワクチンを摂取していると、関係者がSBSニュースに対して述べています。

カトリック学生へのワクチン接種は「明らかな誤り」

チーフ・ヘルス・オフィサーのケリー・チャント氏は、現在ワクチンの対象外となっている若年層に当たるシドニーのセント・ジョセフ・カレッジの12年生163名が、「誤って」5月にファイザーワクチンの初回接種を受けていたとについて謝罪しました。

同校は6日午後に声明を発表し、生徒の多くが寄宿生であり、中には遠隔地の先住民族コミュニティを含む地方コミュニティ出身者もいることから、ワクチン接種についてシドニー地方保健局に問い合わせていたことを明かしました。

しかし、シドニー地域保健局の最高責任者であるテレサ・アンダーソン博士は、6日の夜、対象となる先住民の生徒のみが予防接種を受けることになっていたと述べました。

「アボリジニの生徒は、ロイヤル・プリンス・アルフレッド病院の予防接種ハブで、州の保健システムを通じて予防接種を受けることが合意されていました」

「しかし誤りにより、12年生の寮生のうち、より広いグループ(合計163名)にも接種されてしまいました。シドニー地方保健局はこのミスを謝罪します」

チャント氏は、他の私立学校が同様の扱いを受けていないことを確認。

「私はワクチンは最もリスクの高い人々に投与される必要があると繰り返し述べてきましたので、今回の出来事に関するコミュニティの懸念と怒りを理解することができます」

ブラッド・ハザード保健相は、今回のミスがニューサウスウェールズ州保健局の印象を悪くするという考えを否定。

「それよりも恥ずかしいのは、一生懸命働き、明日には100万回の予防接種を達成した第一線の保健スタッフに対して、そのような質問や非難をすることです」

WITH AAP

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Published

Presented by Yumi Oba
Source: AAP, SBS

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