オーストラリアが未曾有の山火事に襲われるなか、各地で地元消防団へのボランティア志願者が増えています。ニューサウスウェールズ(NSW)州のRFSだけでも、志願者の数が例年の5倍以上に上っています。
ビクトリア州のCFAで西部担当のアシスタントチーフオフィサーを務めるピーター・オキーフ氏によると、「若者、女性、定年退職者、異なる文化的背景を持つ人など」あらゆる世代の志願者がCFAを訪れるといいます。
私たちが地元消防団にできることは何でしょうか。またボランティア消防士としてチームの一員になるにはどうすればいいのでしょうか。
ボランティア消防士になるための条件
タスマニア州以外の州とテリトリーでは、18歳以上でなければボランティアに応募できません。タスマニア州では17歳以上から応募できます。
年齢条件が満たなくても、保護者の承認があれば、消防団のジュニア向けプログラムや研修プログラムに参加できます。なかには11歳、12歳から参加できるところもあります。
また、すべての州とテリトリーにおいて、ボランティア候補者は犯罪歴または人格(キャラクター)のチェックが行われます。

A sign is displayed beside a burned out house near Mogo, Australia, Thursday, 9 Jan, 2020. Source: AAP
応募できる職種は制限されますが、持病など健康状態に問題がある人、障害がある人もボランティアに応募できます。その際には、持病や障害などを開示するよう求められることもあります。
オーストラリア国民でなくてはだめ?
一般的には市民権が必要となりますが、例外もあります。ノーザンテリトリーでは市民権を持っていなくても大丈夫です。
クイーンズランド州は少し複雑で、ニュージーランド国籍を持つ人を除き、外国籍の人は、オーストラリアで就労できる証明が必要となります。ビクトリア州のCFAは、市民権を持たない人の応募を受け付けていません。
ボランティア消防士以外にできることは?
消防士以外にもボランティアの方法はあります。CFAのオキーフ氏によると、「CFAで募集している職種はほかに、ファンドレイジングや、一般への啓蒙、安全衛生管理、事務、財務、防火や火事への備えについてのプログラム、機器のメンテナンスやメディア対応などがあります」。
NSW RFSの広報担当者アンジェラ・バーフォード氏は、消防士以外の職種も非常に重要だと強調します。「現場の消防士への食料の配布や災害管理チームと現場とのコミュニケーション支援、現場の作業員の心身の健康チェックなど、人手が足りません」。

People at the NSW RFS Headquarters State Operations Centre in Sydney, Sunday, January 5, 2020. Source: AAP
時間の拘束はどのくらい?
採用された職種によってトレーニング期間は変わり、消防士のトレーニングはほかの職種よりも長くなります。トレーニング終了後の拘束時間なども、職種や所属した消防団によって違ってきます。
ビクトリア州では、ボランティア消防士はスキルを維持することを目的に年に1回トレーニングを行います。
NSW RFSでは、忙しい現代のライフスタイルに合わせた「フレキシブルな」システムを導入しています。バーフォードー氏は「それでも特に初期のトレーニングや仕事に慣れないうちは、満たしてほしい基準はあります。消防団のキャプテンと話し合って下さい」と釘をさします。

Firefighters at Kingscote Oval on Kangaroo Island, southwest of Adelaide, Friday, January 10, 2020 Source: AAP
地域ごとのボランティア消防団のサイトはこちらから:New South Wales RFS, Victoria CFA, South Australia CFS, Queensland RFS, Western Australia DFES, Tasmania Fire Service or Northern Territory PFES.