フランスで開催中の第76回カンヌ国際映画際で、オーストラリア映画『ザ・ニューボーイ』(監督:ワーウィック・ソーントン)が、「ある視点(Un Certain Regard)」部門でプレミア上映されました。
レッドカーペットイベントでは、アカデミー賞受賞女優のケイト・ブランシェットをはじめ、『ザ・サファイア』のデボラ・メイルマンやウェイン・ブレアなどと共演した11歳の少年に注目が集まりました。
彼の名前はアスワン・リード。無名のオーストラリア人俳優です。
スピリチュアルドラマと称される『ザ・ニューボーイ』は、9歳のアボリジナルの少年(リード)が真夜にカソリック修道院に到着するところから始まる物語。少年はシスター・アイリーン(ブランシェット)に拾われますが、時が経つにつれ、彼の特別な能力が明らかになります。自分の信念に疑問を抱くようになるシスター・アイリーンと、自身の先住民スピリットにそぐわない生活や能力に葛藤するニューボーイ。
次期映画スター
ソートン監督はバラエティ誌の取材で、リードを見つけたこと自体が「奇跡」だったと語っています。
「この(役を抜擢できる)子を見つけられるか心配でした」
「この映画の心臓で、魂であるこの役を誰が演じてくれるだろう」
「 間違いなくオーストラリア映画の新しい黄金時代のスターになるであろうアスワン・リードを紹介できることをとてもうれしく思います」

カンヌ国際映画祭のインタビューでブランシェットは、リードについて次のように語りました。
「アスワン がいなければ、この映画を作ることはできなかったでしょう。技術的にも体力的にも大変なことでしたが、彼は映画のすべてのフレームに登場しています」
「彼はとても規律正しく、好奇心旺盛です」
「怒り」が動機となった作品
2009年の代表作『サムソンとデリラ』などで知られるソートンは、『ザ・ニューボーイ』で脚本ならびに監督を担当。ソートンは幼少期に人里離れたスペイン人経営の修道院で過ごした経験があります。
カンヌ国際映画祭のインタビューで監督は、この映画を描いた主な動機について「怒り」であったと説明。一方で、「怒りで作られてたものではない」と付け加えました。
「私は子供としてこの映画を描き、不機嫌な老人としてこの映画を監督しました」
「怒りに任せて描いてはいけない。怒りで刺激し、暖かくして、その光で見るべきなのです」
「人生をやり過ごすために怒りを使ってはいけません」

ブランシェットは、ソーントン監督について、「アイデアを覆す才能がある」と、その創造性を称えました。
「撮影には多くの愛が注ぎ込まれました。修道女たちが少年たちを破壊することなく、円滑に進めようとする真の試みがありました」
「修道女が先住民の少年を抱いているのを見ると、"ああ、だめだ "と思うでしょう。しかし映画監督として、また一人の人間として、ウォーウィックはそのような期待を覆すのです」
この作品は、南オーストラリア州で撮影され、スクリーン・オーストラリアのファースト・ネーションズ部門から大きな資金援助を受けています。
