開発中である新型コロナウイルスワクチンが、最終段階となる臨床試験で94.1%の有効性を示し、また健康への重大な影響も確認されなかったことを受け、モデルナは、2日火曜日に米国と欧州での緊急承認を申請する予定であることを明かしました。

モデルナは、このワクチンの有効性は、年齢、人種、エスニシティ、性別を問わず一貫しており、150万人近くが死亡した、コロナウイルスの重症化を100%防ぐ成功率をもっていると述べています。
今回の申請は、ファイザーとバイオンテックが開発した95%の有効性を示したワクチンに続く、年内に米国で緊急使用承認を受ける可能性の高い2つ目のワクチンとなります。
モデルナのタル・ザックス最高医療責任者は「非常に有効性の高いワクチンを持っていると信じています。それを証明するデータを手に入れました」、「私たちはこのパンデミックを好転させる大きな役割を果たすでしょう」と述べています。
最終の臨床試験では、3万人のボランティアのうち、196人が新型コロナウイルスに感染。このうちの185人はプラセボ、いわゆる偽薬を摂取しており、残りの11人が実際のワクチンを摂取していました。モデルナによると30件が重症化したものの、すべてプラセボ群であったことから、ワクチンは重症例に対して100%の効果があったことになります。
今回の発表を受け、モデルナの株は過去最高の144ドルで13%上昇。その後、今年のこれまでのところ668%の上昇に当たる150.14ドルのピークに達しています。
「症例数の報告が増える中、一般市民が入手できるこの驚くべきワクチンが市民を守るという自信は高まっています」とイギリスのレディング大学・生物医学技術のアレクサンダー・エドワード准教授は語ります。
米国での申請に加えて、すでにデータを審査している欧州医薬品庁にも条件付きで承認を求めており、審査を行っている他の規制当局とも協議を継続していくと述べました。
イギリスの製薬医学部で政策・コミュニケーションを担当するギリーズ・オブライアン氏は、「これらの結果の全詳細が出版という形で公表されるのを待っていますが、このワクチンは12月に承認されると考えています」と述べています。

オブライアン氏は、イギリスの医薬品・ヘルスケア製品規制庁が2週間以内にワクチンを承認することを予想しています。
ファイザーはすでに米国と欧州で緊急時の使用許可を申請しており、モデルナよりも約1週間前に承認される見込みです。
「有効性に圧倒されました」
モデルナは、2020年末までに約2,000万人分のワクチンを米国に出荷する準備が整っているとし、1,000万人が年内にワクチンを接種できると予想しています。
モデルナとワクチンの原料供給契約を結んでいるスイスのロンザ社はすでに4.4%上昇しています。
モデルナとファイザー/バイオンテックの両社が開発したワクチンはメッセンジャーRNA(mRNA)と呼ばれる人口合成した遺伝物質を使用した新技術を適用しているのに対し、英アストラゼネカなど他の企業はより伝統的な方法を使用しています。
アストラゼネカは、開発中のワクチンの有効性が平均で70%であることを確認しているほか、半量を投与した後に全量を投与したサブグループでは90%に達したと発表しています。しかし、一部の科学者は、このサブグループにおける90%の有効性について、その信頼性に疑問を呈しています。
モデルナが今回発表した最新の結果は、11月16日に発表されていた94.5%の有効性という中間解析よりもわずかに低いものですが、ザックス氏は、その差は統計的には有意ではないとしています。
「私たちの周りで猛威を奮っているパンデミックに対する、このレベルの有効性は、計算するだけでも圧倒されるものです」と述べるザックス氏は、週末に結果を知った際には感動して泣いたと明かしました
モデルナとファイザーのワクチンはどちらも予想以上に効果があることが証明されており、米国食品医薬品局(FDA)が設定した50%のベンチマークよりもはるかに優れていました。
新規感染者と入院者数が記録的なレベルに達しているアメリカにとって、ここ数週間におけるワクチン開発のポジティブなニュースは、経済をも打ちのめしたパンデミックに終止符を打つものであるという希望を高めるものであります。

FDAの独立アドバイザーは12月10日に会合を開き、ファイザーのデータを見直し、米国の規制当局に勧告を出す予定。その1週間後にはモデルナのデータをレビューするとされています。
モデルナはワクチンの使用許可取得まもなく、政府の「オペレーション・ワープ・スピード」プログラムと医薬品販売業者のマッケソン社によって、全米の流通地点に出荷されるとしています。
モデルナのワクチンは冷凍庫での保管を必要としますが、ファイザーのワクチンのように超低温で保管する必要はなく、流通が容易になることが期待されています。
年齢やエスニシティを超えた一貫性
モデルナによると、試験に参加した196人のCOVID-19のケースには、65歳以上の成人33人と、ラテン系29人、黒人6人、アジア系アメリカ人4人、多人種3人など、人種的に多様なボランティア42人が含まれていました。
一方、COVID-19に関連した死亡ケースが1件、プラセボ群に報告されています。

「ワクチンによる人口への影響は、白黒のようにはっきりしています。ワクチンを接種している場合、実際に病気になる可能性は20倍も減少するのです」とモデルナのザックス氏は述べています。
インペリアル・カレッジ・ロンドン・感染症疫学のアズラ・ガーニ氏は、この発表は、重症化したケースを含めて、ワクチンが非常に効果的であることを確認したものであると述べています。
「重症患者の数が比較的少ないことから、ワクチンの接種は重症化するリスクを排除するものではありませんが、この結果は非常に高い有効性を示唆しています」と彼女は述べています。
モデルナは中間解析以降、新たな副作用は報告していません。最も多い副作用として挙げられるのは疲労感、注射部位の赤みや痛み、頭痛や体の痛みなどで、2回目の摂取後に増すものの、長くは続かないことがわかリました。

ワクチンは一部の参加者にインフルエンザのような症状を引き起こしたとのことですが、これは「強力なワクチンであることに一致している」とし、これまでのところ重大な安全性の懸念は生じていないとザックス氏は述べています。
モデルナは、年内に青年を対象とした新しい試験を開始し、2021年初頭にはさらに若いボランティアを対象とした試験を開始する予定です。ザックス氏は、来年9月までには思春期の子供たちにワクチンを提供したいと考えています。他のワクチン製造社も、同じく若者を対象としたワクチンの研究を行っているようです。
