2018年度の NAPLAN 全国学力調査の結果が発表され、昨年とほとんど同じレベルだという報告が出されました。
先行して発表されたデータによると、2017-18年度、3年生、5年生、7年生、9年生の試験結果は、全体として統計学的に大きな違いは見られないということです。
しかし、カリキュラムの策定や学力測定を行う機関 ACARA (Australian Curriculum, Assessment and Reporting Authority) は、この試験が導入された2008年をベースとして比較すると、数学、読解力、そして文法などの知識を調べる言語運用能力の分野で大きな向上が見られるとしています。
オーストラリアの5年生と9年生では数学で、3年生と5年生では読解力で、3年生と5年生ではスペリングで、3年生と7年生では文法で、2008年の平均を大きく上回りました。
しかし、書く能力を調べる試験結果では、5年生、7年生、9年生で、2011年の基準を下回っています。
ACARA のチーフエグゼクティブ、ロバート・ランダル氏は、この点を心配しています。
「常に試験結果の向上が見られるといいんですがね。書く能力では、教え方を見直すことと、試験方法を改善する方法があるかどうか調べる必要があります。しかし、ライティングの試験でテストされたのは、カリキュラムで教えられているとおり、いかに説得力のある論点を書くか、または物語を書けるかの基礎です。テスト結果は教育内容を反映しているものですし、今回発表されたデータに基づいて、我々、そして各州やテリトリーの関係当局は、この低下を挽回する方法があるかどうか、協議する必要が出てくるでしょう」
今年、生徒の約5分の1は、NAPLAN をオンラインで済ませました。これは2020年までにこの試験をデジタルに移行するという計画の一環でした。
そのため、オーストラリア教職員組合は、今年の試験結果の有効性には疑問が残る、としています。教職員組合のリーダー、コリーナ・ヘイソープ氏は、異なる方法で得られた結果は不公平だ、と話しています。
「今年の NAPLAN の結果は本質的に役に立ちません。事実、オンラインで参加した20万人の生徒を、ペンと紙で試験を受けた80万人の結果と比べるなんて出来ませんよ」
設問が違っていたことも批判を呼びました。ペンと紙の試験を受けた生徒はミナ同じ質問に答えたものの、試験をオンラインで受けた生徒には、自分の答えに基づき、そこから発展した質問がされたのです。
NSW教職員組合の委託で報告書を書いたレズ・ペレルマン教授は、今年のデータを、伝統的な方法で得られた過去のデータと比べるのは、りんごとオレンジを比べるようなものだ、と話します。
「比較になどなりませんよ。もし比較できたとしても、スコアを同列に扱うなど全く不可能でしょう。他の大規模な学力試験で、一部はペンと紙で、他はコンピュータを使って試験を受けさせる、なんていうのは、聞いたこともありません」
しかし、ACARAのロバート・ランダル氏は、心配の必要は無い、と話しています。
「これらのデータが自信を持って同じ秤に載せられるよう、我々は各州の担当者と共に協力してきました。ですから親御さんは、受け取られた試験結果が、息子さんや娘さんがNAPLANテストを受けた際の実力を示す、正確で頼りになる数値であると確信していただいていいんです」
生徒個人個人の成績は、これから9月中旬にかけて、各家庭に配布されることになっています。また最終レポートは12月に出版される予定だということです。
