「イギリスは植民地支配の過去と向き合うべき」 ペニー・ウォン外相が演説

イギリスを訪問中のペニー・ウォン外相は、オーストラリアとイギリスのつながりを強調する一方、太平洋地域における両国の波乱に満ちた歴史を指摘しました。

Woman in burgundy blazer standing at a podium.

Foreign Minister Penny Wong speaks during a press conference in Paris. Source: Getty / Stephane De Sakutin

Key Points
  • ペニー・ウォン外相は、イギリスに対し、植民地支配の過去と向き合うよう呼びかけました
  • 外相は、オーストラリアとイギリスはともに多文化的な結びつきがあり、それがインド太平洋地域の関係を助けることになると述べています
  • オーストラリアはこれまで太平洋地域の声に十分に耳を傾けてきませんでしたが、今こそ変革のときであると、外相は述べています
イギリスを訪問中のペニー・ウォン外相は、ロンドンのキングス・カレッジで行った演説の中で、イギリスは植民地支配の過去と向き合うべき、と呼びかけました。

イギリスがインド太平洋地域での存在を高めるなか行われた画期的なスピーチでは、オーストラリアとイギリスの深い繋がりを強調し、多くのオーストラリア人が今もなお、自らをイギリス人と考えていることも伝えました。

「しかし、我々の国、地域、そして世界が変化するにつれ、我々の関係性も変化してきました」
ウォン外相は、オーストラリアとイギリスの「現代の顔」は多くの文化を示しており、両国がインド太平洋地域で発展していくためには理解されなければならないと述べました。

「300以上の祖先を持ち、地球上で最も古い文化を継承する近代的な多文化国家であるオーストラリアは、自らをインド太平洋に位置し、インド太平洋の一員であると認識しています」

「私の家族の片方は、イギリスの植民地化について非常に異なった経験をしています」
ウォン議員の父親と同じ中国系一族の多くは、イギリスの北ボルネオ企業のために錫鉱山や農園で働き、また彼女の祖母を含む他の人々は、家政婦して働いていたと言います。

「このような話は、その当事者にとっても、それを聞く人にとっても、時に不快に感じられることがあります」

ウォン議員は、オーストラリアはこれまで東南アジアや太平洋地域の国々の意見に必ずしも耳を傾けておらず、政府はそれを改めようと努力していると述べました。

さらに、過去を理解することは、自国の歴史について狭い範囲に閉じこもっているよりも、より多くの共通点を見出す機会をもたらすと付け加えました。
リチャード・マールズ副首相は、外相は、過去を認めることでより深い関係が築けるという、重要なことに触れていると、ウォン氏のコメントを支持しました。

「すべての国にとって、過去について考えることは、将来の有意義な関与のための入り口になるという意味で、本当に重要なことです」と副首相はABCテレビに語りました。

「私たちは、この地域に関与するイギリスを目にしたいですし、イギリスもそうありたいと思っています。それはイギリスがインド太平洋に関与していれば、安定をもたらすのに役立つからで、本当に重要なことです」。

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Published

Presented by Yumi Oba
Source: AAP

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