ビクトリア州や南オーストラリア州、ニューサウスウェールズ州に続き、クイーンズランド州の公立学校で、生理用品が無料で提供されることが発表されました。
クイーンズランド州のアナスタシア・パラシェイ州首相は7日、「生理用品へのアクセスが学習の妨げになることは決してあってはならない」と述べ、来年からすべてのハイスクールで、タンポンやナプキンなどの生理用品を無料で提供することを明らかにしました。
2020年には、ビクトリア州がオーストラリアで初めて、公立学校で生理用品を無料で提供する「ユニバーサルアクセス」を実現。同州のダニエル・アンドリュース州首相は当時、「ナプキンやタンポンは、トイレットペーパーや石けんと同様に必要不可欠なもの」と述べ、新たな取組が称賛されました。
また、2021年には南オーストラリア州政府が、3年間で45万ドルを投じて、すべての公立学校でナプキンとタンポンを無料で支給することを発表。今年3月には、ニューサウスウェールズ州が、同様の措置のため、3000万ドルのプログラムを発表しています。
ジェンダー平等を掲げる慈善団体、プラン・インターナショナル・オーストラリアのスザンヌ・レゲナCEOは、今回の発表は、「世代を超えて長期的に影響を及ぼす」と歓迎。
「男女平等の観点からすると、すべての子どもたちや若者が、生理や生理の貧困、自分の身体に起こることについて、本当に良い情報を得られること、そして、必要な施設や製品を利用できることが、実はとても重要なことなのです」とSBSニュースに語りました。
生理用品を利用できることは、「学校に行くかどうか、学校でどれだけ快適に過ごせるか、そして、人々が生き生きと自分らしく過ごすための障害のひとつを取り除くことに影響するのです」
クイーンズランド州政府はこの発表に先立ち、53の州立学校、5つのカトリック学校、4つの独立系学校で、タンポン6個とナプキン2枚が入った生理用品パックの自動販売機を試験的に導入しており、今年の後半にはさらに58校に設置される予定です。
この自動販売機は、慈善団体シェア・ザ・ディグニティから提供されており、今後クイーンズランド州の全276校の州立ハイスクールに設置する予定であると、パラシェイ州首相は述べています。
「生理用品を無料で手に入れることは、子どもたち、特に厳しい家庭環境や不安定な住居で暮らす生徒、家庭内暴力や家族内暴力から逃れてきた生徒にとって、本当に大きな違いとなります」と州首相は述べています。
また政府は同時に、5年生から8年生までの全生徒を対象とした生理教育プログラムへの資金提供も継続すると発表しました。
生理の貧困とは?
これらの取り組みは、生理の貧困や偏見に反対する活動家から称賛される一方で、やるべきことはもっとあるとの指摘もあります。
生理の貧困とは、経済的な理由で生理用品が手に入らないことだけを指すのではないと、スザンヌ・レゲナ氏は言います。
「生理の健康についての教育を受けられないこと、トイレや洗面所を利用できないことも含まれます。つまり、生理を健康に管理するために必要な知識や設備、製品がないことが重なっているのです」
シェア・ザ・ディグニティが昨年発表したオーストラリアの生理の貧困に関する調査では、5人に1人以上が、ナプキンやタンポンが高価なため、トイレットペーパーや靴下などを使って「即席の対処」をしているという結果が出ています。
12万5,000人以上を対象にしたこの調査では、半数近くが生理のために少なくとも1日は学校を休んでいることがわかりました。
オーストラリアにおける生理の貧困は、「あなたが思っている以上に大きな問題」であるとレゲナ氏は訴えます。
「特に学校での生理に対する偏見は、子供たちが学校へ行くかどうか、そして学校でどのような思いで過ごすかに、大きな影響を与えるのです」
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