アンソニー・アルバニージー首相は、中東で続く戦争の影響で先行きへの不透明感が広がる中、初めて国民向けに演説し、「それぞれができることを」と国民に協力を呼びかけました。
事前収録された3分間の演説は、4月1日水曜午後7時(AEST)に全国で放送されました。
背景には、ホルムズ海峡の封鎖により経済への打撃が強まっていることがあります。
原油価格の急騰や買いだめによる一部地域での燃料不足など、世界的な供給網の混乱が続いていますが、首相はこれを「危機」とは呼ばない姿勢を示しています。
演説の様子は以下から:
こうした国民向け演説は通常、イラク戦争への関与など重大な国家的決定を伝える際に用いられてきましたが、今回、アルバニージー首相はその慣例を破る形となりました。
アルバニージー首相は冒頭、「オーストラリアは本来、楽観的な国民性を持つ国ですが、今は前向きでいることが難しい状況にあることも理解しています」と述べました。
さらに、「中東での戦争により、ガソリンやディーゼル価格は過去最大の上昇となっています。オーストラリアはこの戦争に直接関与していませんが、戦争の影響で国民全体が価格上昇の負担を強いられています」と説明しました。
今回の演説では新たな対策は示されず、ここ数日で発表された内容の再確認にとどまりました。
具体的には、月曜日にナショナル・キャビネットで採択された国家燃料安全保障計画のほか、燃料税の3ヵ月間の引き下げ(1リットルあたり26.3セント)、さらにトラック運転手向けの重量車両道路利用料金の引き下げなどが含まれています。
また首相は、イースター休暇の外出は控える必要はないとしつつも、可能な範囲で燃料の節約に努め、「それぞれができることを」と呼びかけました。
「車で出かける際には、必要以上に燃料を買いだめせず、普段通りの給油を心がけてください。コミュニティや地方、そして重要産業に関わる人々のことも考えてほしい」と述べました。
さらに、「今後数週間、通勤に電車やバス、トラムを利用できる場合は、ぜひそうしてほしい」と協力を求めました。
首相はまた、こうした経済的な影響は「今後数ヵ月続く」との見通しを示し、「農家やトラック運転手、中小企業、そして家計が厳しい状況に置かれていることは理解している」と述べました。
今回の演説は、これまで国民向け演説が行われてきた状況とは大きく異なります。直近では2020年3月、新型コロナウイルスのパンデミック初期に当時のモリソン首相が国民に向けて演説を行いました。

2009年2月には、当時のケビン・ラッド首相がこの形式を用いて、ストールン・ジェネレーションズへの謝罪を行いました。
また2003年には、当時のハワード首相がイラク戦争への参戦を発表するため、国民向けに演説しています。
現在、オーストラリアは4段階ある国家燃料対応計画のうちレベル2にあり、需要の増加で価格は上昇しているものの、政府は供給は安定していると強調しています。
アルバニージー首相は、明日木曜日にナショナル・プレスクラブで演説し、オーストラリアの立場や景気後退の可能性などについて、さらに説明する見通しです。
