史上初めてベスト8進出を果たした日本は先週日曜日、南アフリカとの準々決勝に挑みました。前回2015年のワールドカップに続き2度目の”ジャイアントキリング(大番狂わせ)”なるか。
ティア1の強豪アイルランドとスコットランドを連破し、プールAを堂々首位で通過した日本。南アフリカとの準々決勝を前に、多くのファンたちは2度目の奇跡を信じていました。海外にいる日本人、日本語コミュニティも大いに注目し精一杯声援を送りましたが、日本は、南アフリカのパワープレーに破れ、惜しくもベスト4進出はなりませんでした。
ブレイブ・ブロッサムズが相手と激しくぶつかり合う姿に、多くの人が心動かされ、日本全土が感動の渦に包み込まれました。
感動を呼んだのはプレーだけではない
日本と南アフリカの準々決勝で、日本の流大選手は、同じ背番号をつけたファフ・デクラーク選手の強固な攻めと守りに苦戦しました。この試合の翌日、流選手は自身のツイッターを更新、デクラーク選手とユニフォーム交換をした写真を載せ、「彼のように相手に嫌がられるプレーヤーにならないといけない」と述べ、相手を敬う気持ちを明らかにしました。
予選で無念の敗退を喫したスコットランド。決勝トーナメント進出がかかった日本との試合中、ジェイミー・リッチー選手は後半28分、日本の田村優選手とのつかみ合いとなり、両チームに緊張が走りました。この試合から一夜明けた14日、2人はツイッター上でやり取りをし、大きな反響を呼びました。
冷え込む日韓関係の架け橋になれたら
ラグビーの各国代表チームの特色は外国出身の選手も少なくなく、多様性に富んでいることです。例えば日本代表チームは、ニュージーランド出身のリーチ・マイケル選手やトンプソン・ルーク選手、南アフリカ出身のピーター・ラブスカフニ選手、ジンバブウェ出身の父と日本人の母親を持つ松島幸太郎選手、さらに韓国出身の具智元(グ・ジウォン)選手らが一つのチームを構成しています。
準々決勝敗退後、日本代表チーム全員で望んだ記者会見で、記者に今大会のハイライトを聞かれ、稲垣啓太選手と流選手は、アイルランド戦で具選手がスクラムでペナルティをとったときだと回答しました。
スクラムの支柱ともいえる右プロップの具選手は、今回ワールドカップ初出場。大会前メディアに対し、「ぼくがW杯でがんばることで、韓国を好きになる日本人が増えて、日本を好きになる韓国人が増えれば、と思っているんです」と話していました。
さらに、来日した各国代表選手の行動にも賞賛の声が聞かれました。
台風19号の影響で、岩手県釜石市での試合が中止となったカナダとナミビアのチームは、浸水など大きな被害を受けた現地にとどまり、ボランティア活動に参加しました。
日本代表の躍進に沸いたラグビーワールドカップ2019は、今週末からいよいよ頂上決戦を迎えます。
準々決勝2試合、ニュージーランド対イングランドは、26日午後7時~(豪東部時間)から、そして南アフリカ対ウェールズは、27日午後8時~です。
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