Key Points
- 大地震による死者数は7,800人を超えました
- 死者の中には数千人の子どもたちが含まれているとみられています
- 悪天候が捜索・救助活動に支障をきたしています
- 被災地にいたオーストラリア人4人の安否が依然として不明です
大地震に見舞われたシリア北部で、母親の遺体とへその緒でつながったままの状態の新生児が、がれきの下から親戚によって救出されました。
女児とへその緒でつながっていた母親は月曜日の大地震で死亡。一家で生還したのはこの女児のみでした。
女児の叔父、ハリル・アル・スワディさんはAFPの取材に対し、がれきをかき分けている際に、鳴き声が聞こえたと、当時を振り返りました。
「ほこりを払うとへその緒がついた赤ちゃんがいました。へその緒を切って、私のいとこが病院に赤ちゃんを連れて行きました」
女児が救助される様子をとらえた映像は、ソーシャルメディアで拡散されました。
映像には、倒壊した4階建ての建物のがれきの中から、ほこりにまみれた小さな赤ん坊を抱いて疾走する男性の姿が映っています。
もう一人の男性は、氷点下の気温の中、生まれたばかりの赤ちゃんを暖めようと毛布を持って最初の男性に向かって走り、3人目の男性は赤ちゃんを病院に連れて行ってくれる車を求めて叫んでいます。
赤ん坊は近くの町アフリンで治療を受け、家族はその後数時間かけて父親のアブドラさん、母親のアフラアさん、4人の兄弟、叔母の遺体を収容しました。
生存者の救出、時間との戦い
トルコ南部で6日に発生したマグニチュード(M)7.8の地震で、隣国シリアと合わせた死者数は7日、7800人を超えました。被災地では厳しい寒さの中、救助隊が生存者の捜索を急いでいます。
災害の規模が明らかになるにつれ、死者数は今後も大幅に増加するとみられおり、国連職員は数千人の子どもたちが死亡した可能性があると述べました。
最新集計ではトルコの死者は少なくとも5894人、シリアは1932人で、両国の合計は7826人となりました。
犠牲者は今後も大幅に増える見通しで、世界保健機関(WHO)は最大2万人に上る可能性もあるとしています。
トルコとシリア北部の都市では、何万人もの人々が負傷。多くが家を失いました。
救助隊は、破壊された道路、悪天候、資源や重機の不足に阻まれ、最も被害の大きかった一部の地域への支援が遅れています。燃料や電気がない地域もあります。
援助関係者は、12年近く続く内戦の中シリアが直面する人道的危機について、特に懸念を示しています。
ジンディレスは、クルド人勢力をアフリン地域から追い出した2018年の攻撃で、トルコとそのシリア反政府勢力によって奪取されました。
政府支配地域から切り離されたこの地域は、トルコからの援助に大きく依存しており、自力で効果的な緊急対応を行うための専門知識や人材が不足しています。
トルコのNGOが国境を越えた救助活動に夢中になっているため、ジンディレスなどシリアの町での生存者の捜索は遅れています。
シリアの反政府勢力支配地域で活動する救助団体「ホワイト・ヘルメット」によると、これらの地域では210以上の建物が崩壊しているほか、さらに520棟が部分的に破壊され、数千棟が被害を受けています。
ホワイト・ヘルメットはツイッターで、「すべての人道支援団体と国際機関に、物質的な支援と援助を提供するよう訴える」と述べました。
「時間がありません。何百人もの人がまだがれきの下敷きになっています」。

Syrian civilians and members of the White Helmets are conducting a search and rescue operation in the rubble of a collapsed building following a magnitude 7.8 earthquake that hit Syria. Source: Getty / picture alliance
オーストラリアは今週末までにトルコに救助隊を派遣することを目指していると、アンソニー・アルバニージー首相は述べています。
This article contains AFP content that has been re-expressed in-language by SBS. AFP is not responsible for errors originating from the translation process.
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