英語が第2言語であるオーストラリア人の実に75パーセントが、いわゆる「ヘルス・リテラシー」に乏しいとされています。つまり、病気になった際にどうするべきか、よくなるためにどこに行けばいいのか、よく理解していないことが多いのです。
多文化健康週間の一環として、ある成人向け英語教室が、ニューサウスウェールズ州の南海岸の町ナウラにある、ショールヘイブン記念病院を訪れました。
一団は病棟から病棟へと案内され、各施設の知識を深めながら、医療面で緊急事態が起こった時に何をすべきかを学びました。
「このツアーはとてもためになりました。娘が病気になったらどこに行けばいいのか、それで病院に行ったらまず誰と話せばいいのか分かりましたし、とてもよかったです」
この地方に移り住んだ人たちの多くは、複雑なことも多いオーストラリアの医療システムで苦労することがあります。
イーピン・マッカーシーさんは、約10年前台湾からここに引っ越してきましたが、今でもお医者さんに行くと言語の壁に直面する、と話しています。
「言葉が全く違うと理解しづらいですね。人によっては何言ってるのかわからないし。今でも時々、お医者さんにぺらぺら喋られると、「はあ?」って感じになります」
こういう混乱は、これから病院をもっと頻繁に利用しようと言う人にとっては心配の種です。例えば、クリスマス前に出産を控えているマイ・ノーさんのように。
「ちょっと不安ですが、赤ちゃんのためにリラックスしようと思います。お医者さんや看護師さんを信頼して」
しかしこれは移民や最近到着した人だけの問題ではありません。オーストラリア人の60%で、ヘルス・リテラシーの低さが見られます。
ニューサウスウェールズ州でヘルス・リテラシーと医療の多様性を担当する、フィオリナ・マストロイアニさんは、簡略化を求めています。
「コミュニケーションをもっと良くして、患者とその家族、また世話をする人たちが、我々の提供する情報をちゃんと理解していることを確認する必要があります」
イラワラ・ショールヘイブン地方医療区で、多文化健康サービスマネジャーを務めるレイッサ・ピッツ さんは、患者と医療従事者の間で明確な意思の疎通が出来ていないと、問題が多くなると話します。
「医療の成功も失敗も、コミュニケーションにかかっていますから」
ほとんどの患者は医者に言われたことの半分を忘れてしまうことから、情報を維持するためのより良い方法が求められています。
さあ、皆さんのヘルス・リテラシーはいかがでしょうか。