応募された1908作品の中から、今年はコンクール史上初となる、アボリジナル女性の肖像画『モビィ・ディキンズ』が受賞。このポートレートを描いたブラック・ダグラスさんは史上2人目となるアボリジナル・アーティストとして、アーチボルド賞に輝きました。
また今年は52作品がファイナリストに選ばれ、シドニーでタトゥーアーティストとして活動する本庄義男さんが、2020年以来、2度目となる、ファイナリスト入りを果たしました。
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本庄さんが今回描いたのは、オーストラリアでテレビやラジオのプレゼンター、そして作家としても活躍する日系オーストラリア人2世のユミ・スタインさん。
Archibald Prize 2022 finalist, Yoshio Honjo, Yumi Stynes as onna-musha (female samurai), natural earth pigments on handmade washipaper, 97 x 66 cm © the artist Source: © AGNSW, Mim Stirling
本庄さんとスタインさんの出会いは、2020年度のアーチボルド賞。
新型コロナウイルスパンデミックのため、オンラインで開催されたアーチボルド賞のオープニングレセプションで、スタインさんはMCを努めていました。
しかしその数年前にスタインさんは、すでに本庄さんの作品に惚れ、購入していたと語り、今回肖像画の依頼があった際には、大変嬉しかったと語ります。
本庄さんの作品は「男性をモチーフにしたものが多い」と語るスタインさんは、「力強い女性の作品を壁に飾りたかった」と、しばらく作品を探したと、当時を振り返ります。
そしてこの程、本庄さんがスタインさんを女武者として描いた理由も、彼女が力のある「女性のリーダー的な人」と感じたからだと言います。
本業は和彫りを専門とするタトゥー・アーティストである本庄さん。
普段から浮世絵スタイルを描いている本庄さんは、作品を通して、「日本の素晴らしい文化を伝えたい」と語り、前回ファイナリスト入りした作品に続き、今回も和を取り入れたポートレートとなりました。
インタビューではこの他にも浮世絵と入れ墨の繋がりやその歴史についても語ってくれました。フルインタビューは下記から。
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