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福島の教訓を世界へ 

From left: Toshiyuki Takeuchi, Emiko Fujioka, Fukushima journalist Hiroko Aihara, ICAN Co-founder Dr Tilman Ruff, NGO Peace Boat staff Meri Joyce. Source: Fukushima Booklet Committee

「福島10の教訓~原発災害から人びとを守るために~」はこれまでに14言語に翻訳され、震災から10年を迎えようとしている現在も、世界へ発信し続けています。作成に携わった「福島ブックレット委員会」の竹内俊之氏、そして藤岡恵美子氏に話を伺いました

東日本大震災、福島第一原発事故からもうすぐ10年。

福島の教訓を世界へ発信するNPO「ふくしま地球市民発伝所」の竹内俊之代表は、国内外のメディアから「もう10年」「10年の節目はどう?」という質問をよく投げかけられ、戸惑いを感じると話します。

「生活はまったく変わっていないのに、色々課題があるのに、10年の節目と言われても違和感を感じる人は多くいると思います」

避難指示区域が徐々に解除され、昨年3月にはJR常磐線が全線開通。外部からは一見、「復興」が進んでいるように見える一方で、避難を余儀なくされている方は現在も3万人以上に上り、また避難指示が解除されたものの、戻らないことを決めている方も多くいます。

実際、旧避難地区の移住率は3割弱に留まっており、今後避難区域が全面解除される日が来たとしても、「戻る人がいない」のが現状だと話します。

避難先で生活の再建をした方、そして再建を試みるも、生活が思うように回らない方、そういった方たちにとって「復興とはなにか」と問いかける竹内氏。

同NPOの藤岡恵美子事務局長は、原発事故を機に環境やエネルギー問題に関心を持つ人が増え、日本はよい方に変わるのではないかと期待した人も多かったものの、残念ながら「日本の社会はそんなに変わっていない」と話します。

特定非営利活動法人・国際協力NGOセンター(JANIC)が震災後立ちあげた「JANIC震災タスクフォース」の駐在員として、福島入りした竹内氏と藤岡氏は、活動の終了後も福島に留まることを決意し、「ふくしま地球市民発伝所」を設立。原発被害者の支援のみならず、世界に向けて福島の教訓を発信する活動を行ってきました。 

その活動の一環として、他のNPOと2015年に制作された「福島10の教訓~原発災害から人びとを守るために~」は、原発や原発事故の発生時にどう対処すべきなどをわかりやすくまとめたブックレットで、これまでに14言語に翻訳されています。

10 Lessons from Fukushima
10 Lessons from Fukushima produced by the Fukushima Booklet Committee has been translated to 14 languages
Fukushima Booklet Committee

 福島第一原発事故では、「原子力や放射線の基礎知識をもちあわせていなかっただけでなく、チェルノブイリやスリーマイルの経験を十分に受けつがず、その軽減や予防策を適切に理解していなかった」(福島10の教訓から)ため、福島の経験を「積極的に共有してきた」と言います。

しかし被災者の中には、自らの辛い経験から、教訓を共有したいものの、それが「原発をやめよう」という政治的レトリックに結びついてしまうがゆえに、発言を控えている人も少なくないと竹内氏は語ります。

ブックレット以外にも、あらゆる形で福島の教訓を世界へ発信している「ふくしまブックレット委員会」は、過去にヨルダンの子どもたちへ1冊の絵本を通じた活動を行いました。

『希望の牧場』は浪江町の元畜肉牛牧場の従業員が、原発事故後に政府が出した牛の殺処分に抗議して、牛を活かし続けている実話を題材にしたストーリー。ヨルダンではアラビア語に翻訳されたこの絵本から感じたことをもとに、子どもたちが寸劇(無言劇)を行いました。

Fukushima Message to the World
Children in Jordan performed skit based on the real story of a farmer in Fukushima and his struggles after the 2011 disaster
Fukushima Booklet Committee

「一方的に話して終わり、見せて終わりではなく、情報を送って、自分たちの中で咀嚼して、表現してくれる」という、この活動に可能性を感じたという「ふくしまブックレット委員会」は、今後このような活動を他の国へ広めることを望んでいます。

しかしコロナにより、海外に行けない今は、時間と国境を越えて世界と繋がれるオンラインを通じて、世界へ福島の教訓を発信し続けたいと言います。

「原発はぜんぜんクリーンなエネルギーではない」ということを伝えたいという藤岡氏。

原発はカーボンフリーでクリーンなエネルギーであると思われがちですが、一度事故が起きると、それは100年経ってももとには戻れない、10年経った今も、汚染された廃棄物は身の回りから完全に消えていないと語ります。

Fukushima Message to the World
Fukushima Booklet Committee member Emiko Fujioka, holding workshop in Bangkok
Fukushima Booklet Committee

また海外への発信はもとより、福島の子どもたちにも、同じく、震災を風化させないように、教訓を伝え続けたいと語ります。

「ふくしまブックレット委員会」は、2021年3月11日に開催される「原発ゼロ・自然エネルギー100世界会議」の持ち込みイベントとして、「コロナと福島」をテーマにしたセッションを繰り広げます。

このオンライン会議はオーストラリアはもちろん、世界どこからでも無料で参加できるイベントとなっており、事前登録などは不要です。イベントは英語字幕や英語通訳者も取り入れられ、会議終了後はアーカイブされ、好きなタイミングで視聴が可能となっています。

スケジュールや登壇者のリストは、こちらからご確認ください。

インタビューはこちらのポッドキャストからお聴きできます。

10 years since the Great Eastern Japan Earthquake: Fukushima's lessons for the world
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