メーガン・マークル、新プリンセスは待望の「目覚めた眠り姫」?

英国のハリー王子の婚約者の米女優メーガン・マークルさん。これまで英王室の花嫁として従順に正統派を貫いているようにみえますが、今後はどうなるのでしょうか。2018年7月30日作成。

Meghan Markle princess wedding

Meghan Markle leaves the Australian High Commission in London after attending a reception celebrating the forthcoming Invictus Games Sydney 2018 Source: AAP Images/ Dominic Lipinski/PA Wire

今月19日に英国のハリー王子と結婚するマークルさん。離婚経験者でハーフ、カルチュラルインフルエンサー、ブロガー、フェミニストであり、米TIME誌が選ぶ今年の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれ、男女平等や人権の積極的な擁護者でもあります。

現実にはなかなかない、このおとぎ話のようなロマンスに世界中が魅了されるなか、マークルさんの一挙手一投足に世界の関心が集まっています。

文化的な解説をするコメンテーターも、マークルさんを観察しています。

36歳のマークルさんに対しては、物事の流れを大きく変えるゲームチェンジャー、そして人種や階級、多様性やインクルージョンを象徴する存在でもあり、さらにロイヤルプリンセスの果たす役割を仕切り直して英王室を現代化する、待ち望んだ変化の象徴だとして歓迎する声が多く聞かれます。

実際マークルさんは、「私たちが必要としている現代的なフェミニストのプリンセス」とも呼ばれ、はっきりと自分を考えを述べ、学歴があり、写真写りやミレニアル世代にも受けが良く、英国のファッションから観光、経済など広範な分野で大きな経済効果が期待されている存在です。

王室担当記者のトム・サイクス氏は、「メーガンが(現代のプリンセスとしての)役割を担うのに十分な素養を持っているのが、よりはっきりしつつある」と太鼓判を押します。「英王室の花嫁にはこれまで、外見の美しさと物静かであることが求められてきました。しかしそんな時代はありがたいことに終わり、もう過去のものです。」

マークルさんは、これまでのロイヤルプリンセスの役割「美しく物静かであること」を定義し直し、王室の規範という束縛から逃れて、従来の礼儀正しいチャリティーやファッションとは違う分野で、自身の存在や力を発揮するのでしょうか。

しかし、マークルさんへの期待、サイクス氏の期待は正しいのでしょうか。マークルさんはこれから、従来のロイヤルプリンセスの役割「美しさ物静かであること」を定義し直し、王室の規範という束縛から逃れて、礼儀正しいチャリティーやファッションとは違う分野で、自身の存在や力を発揮するのでしょうか。

マークルさんは本当に、私たちにとって初めての「目覚めた眠り姫」になるのでしょうか。

新しい役割に懐疑的な人たちもいます。

マークルさんはこれまで、先駆者や革命的という言葉からはほど遠く、これまで英王室の花嫁がしてきたように、従順に正統派を貫いているようにみえます。

結婚式の日が近づくなかでマークルさんは、自身の人気ブログ「The Tig」を含めたすべてのソーシャルメディアアカウントを閉鎖しました。

マークルさんは女優の仕事を辞めることも明らかにしました。マークルさんは米国のテレビシリーズ「Suits」で、一流弁護士事務所のパラリーガル、レイチェル・ゼイン役を演じて脚光を浴びました。62年前にハリウッド女優からプリンセスに転じたグレース・ケリーさんをほうふつとさせます。

これまでの人生で積み重ねてきた努力やトレーニング、そして築いた金銭的な独立にマークルさんが幕を下ろしていることで、マークルさんが昔ながらの王室の伝統に落ち着いたと見なすコメンテーターもいます。英王室の主要メンバーと結婚した一般女性ではこれまで、成功したキャリアを維持し続けている人は1人もいないといいます。

芸能サイト「Awards Daily」のTVエディター、クラランス・モイ氏は、マークルさんが王室の規則に従っているように見えることに落胆したと語ります。

「現代的な女性が(王室で)自分のキャリアを続ける姿を目にできたら興味深かったろうと思います。ですが、彼女はそうしようとは考えていないようです。」

英王室は公式に政治に介入することを否定しており、マークルさんは結婚後、選挙で投票は行わず、公に政治的な言動を示すことはなくなります。

マークルさんはこれまで、国際連合の熱心な擁護者であり、国際NGO団体ワールド・ビジョンのアンバサダーを務め、かつてドナルド・トランプ米大統領を「女嫌い」と批判したこともあります。さらにセクハラ被害者を支援する「#Me Too」運動やルワンダとインドでの女性の権利擁護活動を支援し、ピリオドポバティー(生理用品を入手できない貧困)から映像作品での無意味な女性の裸の使用にいたるまで、あらゆる活動キャンペーンに参加してきました。若干11歳のときに米大企業に対して声を上げるなど、社会的な正義を求める活動に熱心なマークルさんは、大きな犠牲を払って王室に入るように見えます。

従来のロイヤルプリンセスの役割は義理の姉となるキャサリン妃が完璧に演じています。作家のヒラリー・マンテル氏は、もしキャサリン妃が明確に反進歩的なスタイルを通すのであれば、マークルさんがロイヤルプリンセスの役割を変えるためには、厳しい戦いに直面することになるだろうと語ります。

マークルさんはさらに大きな犠牲を払うことになります。キャリアや独立といったことだけでなく、王室の決まりに沿った生活を送り、セキュリティー上の制約があり、国民からの詮索にさらされます。

オックスフォード大学(現代・中世言語学部)のヘレン・ワタナベオケリー教授は、一般人との結婚や王位継承の男女平等など、英王室がこれまでに現代社会に即した変化を一部取り入れてきたとした上で、ダイアナ妃からキャサリン妃までの現代の王室の女性メンバーの役割は、実際のところ16~18世紀の王室の配偶者と驚くほど似ていると主張します。

「キャサリン妃がしていることは、1500年以降の王妃がしていることと全く同じようなことで、興味をそそられます。役割はまったく変わっていません。」

マークルさんは5月19日に、王室という金のかごの中に自ら進んで入ります。

王位継承の可能性が極めて低い王子の妻としてマークルさんは今後、キャサリン妃よりも多くの「ゆとり」を得ます。理想や福祉の普及、そしてチャリティー活動で、自分の持ち味を出せるようになります。

それでもマークルさんは大きな犠牲を払うことになります。キャリアや独立といったことだけでなく、王室の決まりに沿った生活を送り、セキュリティー上の制約があり、国民からの詮索にさらされます。

マークルさんは将来、女優としての昔の生活を恋しく思うでしょうか。グレース・ケリーの伝記作者によると、グレース・ケリーは演技ができなくなったことをとても残念に思っていたそうです。

政治的な力を持つ男性と結婚した女性は、それぞれ波乱万丈の歴史を持っています。自身の力だけで十分な影響力を示した人もいれば、それほどではない人もいます。

おそらくマークルさんにとっては、最終的に愛がすべてに打ち勝ったということなのかもしれません。

ハリー王子と昨年行った英BBCでの婚約インタビューでマークルさんはこのように語っています。

「私は(演技のキャリアでの成功という)このボックスにチェックを入れました。その世界で私が成し遂げたことをとても誇らしく思っています。そして今度は、(ヘンリー王子と一緒に)チームとして働く番です。」

 

ヘンリー王子とマークルさんのロイヤルウェディングではRoyal Wedding LIVEを5月19日土曜日、午後7時半(AEST)からSBSとSBSオンディマンドでお届けします。また、午後9時(AEST)からも番組をお届けします。

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Published

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By Sharon Verghis, Junko Hirabayashi

Source: SBS Life



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