NSW州、今日から使い捨てプラ製品の使用禁止

NSW州では、ストローやコップ、プラスチック軸綿棒などの使い捨て製品が今日から禁止となります。環境保護主義者たちは、野生動物にとって「大きな勝利」と歓迎している一方で、汚染の危機を解決するには、より大きな協力が不可欠であると指摘しています。

This file 2008 photo provided by NOAA  shows debris in Hanauma Bay, Hawaii.

NSW's plastics ban now includes plastic cutlery, plates and bowls being phased out across the state. Source: AAP

Key Points
  • 今年6月の軽量プラスティックバッグの禁止に続き、使い捨てプラ製品もNSW州で禁止となりました
  • 禁止されるのは、プラスチック製ストロー、皿、プラスチック軸綿棒、コップ、マイクロビーズ入りパーソナルケア製品などです
  • オーストラリアでは、州・テリトリーによって異なる規則について懸念の声が上がっています
不要なプラスチック製品を、2025年までに段階的に削減するというオーストラリア計画の一環として、本日11月1日から、ニューサウスウェールズ州では使い捨てプラスチック製品の使用が禁止となりました。

環境保護主義者たちは、今回の禁止は野生の鳥や海洋生物にとって「大きな勝利」と歓迎する一方で、汚染の危機を解決するには、より大きな協力が不可欠であると指摘しています。

どの製品が禁止対象に?

ニューサウスウェールズ州では11月1日火曜日より、プラスチック製ストローや皿、プラスチック軸綿棒、コップ、さらにはマイクロビーズ入りパーソナルケア製品などの供給が禁止、違法となりました。

違反者には最高で5万5000ドルの罰金が科せられます。

同州では今年6月に、軽量プラスチックバッグが禁止されました。
なお、障害や医療上の必要性がある場合は免除されます。

ニューサススウェールズ州では毎年80万トンのプラスチックが発生しており、州政府は、この禁止措置により、今後20年間で27億個のプラスチックが環境に流入することを防げるとしています。

禁止措置の反応は?

オーストラリア海洋保護協会の反プラスティックキャンペーン担当者、シェーン・クコウさんは、この禁止令はイルカや海鳥、クジラにとって「大きな勝利」であると語っています。

また今回の禁止措置は、国内最大のプラスチック使用州であるニューサウスウェールズ州を、環境の後進国から先進国へと押し上げるものであると、述べています。

「プラスチック汚染を一掃し、美しい海洋環境を取り戻すための行動を求めてきた海を愛する人々の声に耳を傾けた政府に感謝します」とクコウ氏は述べました。

しかし、軽量プラスチックバッグが全国で禁止されている一方で、その他のプラ製品に関しては、全国を通して状況が明確で統一されていないのも事実です。
オーストラリアのすべての州・テリトリーは、2025年までにプラスチックを削減することを約束していますが、それを達成するためのスケジュールはさまざまです。

クイーンズランド州では、昨年プラスチック製のストローやコップが違法化されましたが、綿棒やマイクロビーズは、来年まで含まれません。

一方、ビクトリア州でも同様のプラスチック製品が来年の2月まで禁じられないほか、今年プラスチック製のカトラリーやストローを段階的に廃止した西オーストラリア州では、今後さらに変更が加えられる予定です。

オーストラリア・リテール協会の最高責任者、ポール・ザーラ氏は、この統一されていない現状が混乱を招いていると指摘しています。

「現在の問題は、連邦のモデルです。すべての州やテリトリーが、それぞれ独自のことをしています」。

「これはCOVIDで見た現象と同じです」。

次のステップは?

今回の禁止令の発効に先立ち、政府は15言語で4万社以上の企業と連携し、移行に向けた準備を進めてきました。

企業やコミュニティー組織への支援は、移行が最終的に完了するまでの数ヵ月間、継続されます。
政府のプラスチック・アクション計画には、プラスチック汚染の浄化と代替品の研究も含まれており、その費用は5年間で3億5600万ドルにのぼります。

なかには自分たちの手で問題を解決しようとしている人もいます。

マイク・スミスさんは、使い捨てプラスチックを一切使用しないパーソナルケア製品やクリーニング製品を製造するZero Coの創設者です。

「再利用モデル、つまり廃棄物ゼロ、埋立地にもリサイクルにも行かない真の循環型経済への移行が必要なのです」と、スミスさんは述べています。

オーストラリアを含む170カ国以上がプラスチック汚染をなくすための歴史的な決議に賛同し、現在、国連の条約も作成されています。

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Published

Updated

By Lin Evlin
Presented by Yumi Oba
Source: SBS, AAP

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