Key Points
- 衣料廃棄を減らすため、新たなスキームが発表されました
- スキームは繊維製品のデザインから、回収、再利用、リサイクルまでを改善することを目的としています
- 豪ファッション業界は増え続ける繊維廃棄物の一因
オーストラリア人は、毎年平均して56着(15kg)の新しい服を購入しており、そのほとんどはリサイクルできない、あるいはリサイクルされていない合成素材でできています。
オーストラリアファッション協議会のレイラ・ナジャ・ヒブリCEOによると、オーストラリア人は毎年、国内外から輸入される15億着の服の約半分を埋立地に廃棄しているそうです。
「私たちの産業は、社会的、環境的影響という点で、極めて重要な地点にあり、限界にきています」とヒブリさんは言います。
270億ドル規模と言われるオーストラリアのファッション業界。大きな経済を産んでいる一方で、増加し続ける衣類の廃棄問題は、環境に多大な負担を与えてきました。
その問題に取り組むべく、新たな全国的スキームが7日、タニア・プリバーセク環境水資源相によって発表されました。

このほど発表されたスキームは、繊維製品のデザインから、回収、再利用、リサイクルまでを改善することを目的としており、オーストラリアにおける衣類のサーキュラーエコノミーを目指す、2030年までのロードマップを提供します。運用は2024年7月に開始する予定です。
「このスキームの目的は、衣料品の廃棄物を完全になくすことです」とヒブリ氏は言います。
ヒブリ氏は、オーストラリアの衣料市場の約60%を占めると言われる国内の衣料大手30社に対して、このスキームに参加するよう務めてきました。
参加ブランドは、輸入品1点につき約4セントの手数料を支払う一方で、リサイクルが容易なデザインであれば、リベートが受けられる可能性があると言います。

エイドリアン・ジョーンズ氏は今年2月、クイーンズランド州ローガンで、オーストラリア初の大規模な繊維リサイクル施設ブロック・テックス社を共同設立しました。
この工場では、商業パートナーや地域の回収イベントから繊維製品を受け取り、ポリエステルとコットンの混紡品を再販可能な部品に分解し、循環させながら埋立処分されないよう努めています。
「ポリエステルとコットンの混合物は、地中で分解されるまでに200年以上かかると言われています」
「分解の過程で、繊維製品はメタンなどの多くの有害ガスを発生させるほか、他の化学物質も土壌に溶出し、環境破壊を引き起こす可能性があります」
ブロック・テックスは、特許取得済みの化学プロセスにより、繊維製品をポリエステルとコットンの個々の構成要素に変換し、再販しています。

例えば、ポリエステルペレットは射出成形に使われ、子供用の遊具や安全帽、安全バリアなどを作ることができるとジョーンズ氏は言います。
一方コットンは、厚い粘土のようなセルロースになり、ハイドロマルチや干拓地の肥料として利用できます。
工場では今年、4,000トンの繊維廃棄物の処理が予想されていますが、ジョーンズ氏はこれを年間10,000トンまで増やすことを目標としています。

スレッド・トゥゲザーのようなチャリティー団体は、売れ残った新品の衣類をそれらを必要としている人々に提供することで、埋め立てを回避してきました。
しかし、オーストラリアの衣料品における二酸化炭素排出量は、年間1300万トンにものぼると、メルボルンRMITのファッション・テキスタイル学部長で、このスキームのコンソーシアム・メンバーでもあるアリス・ペイン教授は説明します。
ペイン教授によると、この新たな国家スキームは、ファッション業界が抱える廃棄物問題にデザインの段階から取り組むことを目的としています。
「オーストラリアは、衣料品の循環型社会をリードするユニークな立場にあり、これは特別な機会です」
しかし世界的には、アジアやアフリカを含む新興国が牽引して、衣料品の新品販売数は急成長を続けています。
予想通り需要が増加すれば、2050年には衣料品の総販売量は現在の3倍となる1億6,000万トンに達する可能性があります。
しかし、世界でリサイクルされている衣料品は、全体の1%にも満たないのが現状です。
今年5月欧州政府は、売れ残った新品衣料品の廃棄を禁止する画期的な決定を下しました。
ブロック・テックスのような循環型ビジネスモデルは、不要な繊維製品から収益を得、素材をより長く再利用するためのひとつの方法であると、オーストラリアの廃棄物管理・資源回収協会のゲイル・スローンCEOは言います。
「埋立地からの転換と再利用は、実際に大きな経済的なチャンスです 」
「国内にリサイクル業者を持つことは、絶対に必要なことです」。
