オーストラリア統計局の調査結果によると、昨年のアルコール消費量は低下しており、オーストラリア人が以前ほどは飲まなくなった、ということがわかります。統計局は、移民の増加にこの変化の一因があるとしています。
ほんの10年ほど前まで、オーストラリアでは健康被害が取りざたされるほどの飲酒の文化にとらわれていました。
しかし今回、1961年以降でもっとも低いレベルにまでアルコールの消費量が落ち込んだというデータを受け、この飲酒文化がもうすぐ過去のものになるのかもしれない、という声も上がっています。
統計局のルイーズ・ゲイツさんは、この低下を引き起こした要因のひとつには、移民の増加があると話しています。
「明らかにこの方向に向かっていますし、他の調査結果からも分かるように、全く飲まないか、ほとんど飲まない人の割合もだんだん増えてきています。海外から来た住人が増えていることもその理由のひとつだと思われます」
統計局によると、2016年から17年の間の純アルコールの消費量はおよそ1億8600万リットルで、前の年と比べて240万リットル少ないということです。
つまり、15歳以上の人が一人につき毎年9.4リットルの純アルコールを消費しており、これは1日に1人が2.6杯のスタンダードドリンクを飲んでいる計算になります。
シドニー工科大学の研究者、ジュリー・ロベアーさんは、禁酒キャンペーンが多文化にもたらす影響について研究しています。
「ターニングポイントがはっきりし始めたのが2008年で、それ以降ずっと低下しているというのは驚くべきことではないんです。2008年には熱狂的な大量飲酒が問題化したことで、いわゆるアルコポップへの課税が始まったこと、それとオーストラリアでDry JulyやFeb Fast、Oct-soberなど、1ヶ月酒を断つキャンペーンがその頃始まったことがあります」
アルコールのうち消費量が最も多いのはビールですが、2011年以降少しずつ減っており、ワインとサイダーの消費が増えています。
若い人々を支援する団体、ReachOut Australiaのジョノ・ニコラス会長は、大量飲酒をする世代が変化しているからだ、と話しています。
「幅広い統計結果から見ても、特にこの若い世代で、酒もタバコも消費量が減っていて、恐らく歴史上、もっとも安全な若者世代といえるかも知れませんね」
ニコラスさんは、酒を飲まないことを選択する若者がどんどん増えてきているものの、オーストラリアは依然大きな問題に直面しているといいます。
「心配なことのひとつには、若い人が酒を飲む時は、一度に大量の酒を飲む傾向にあるということです。ですから、人々にアルコールの大量摂取がいかに危険であるかを伝えるという点で、非常に大きなチャレンジが立ちはだかっているんです」
アルコールの消費量が下がっても、オーストラリアの飲酒文化、急に変化するというわけには行かないようです。
ちなみに日本の国税庁の統計結果によりますと、2016年度のアルコール消費量は1人当たり平均6.77リットルだということです。もっともこの数字は、20歳以上の人が対象になっています。また、都道府県別に見て一番多いのは、東京都の9.54リットルだそうです。





