イランに対するアメリカの新たな制裁措置が今日発動されましたが、両国は依然対決姿勢を変えていません。 アメリカのドナルド・トランプ大統領は交渉には応じると述べていますが、イランのハッサン・ロウハニ大統領は、ロシアや中国の経済支援に頼ることができる、とアメリカの制裁には屈しない構えです。
アメリカがイランとの核合意から離脱してから3ヶ月、トランプ大統領はイランに対し数々の制裁を再び課しています。トランプ氏は、核合意はひどいもので一方的だ、として、トランプ政権がいわゆる反発制裁を積極的に推し進めていくと主張しており、イラン首脳の物資へのアクセスを断ち切ることを狙っています。
ホワイトハウスのジョン・ボルトン大統領補佐官はFox Newsに対し、もしイランが制裁を避けたいなら、トランプ大統領との交渉に応じるべきだと述べました。
「彼らは大統領の交渉のオファーを受け入れるべきです。あの全く納得のいかないイラン核合意のやっかいな合意によるものでなく、弾道ミサイルや核兵器プログラムを完全に、実証可能な形で放棄すること。国際的テロへの支援をやめること。そして中東地域での軍事活動をあきらめることです。これは完全なパッケージです。大統領はこの件について多くのヨーロッパ首脳と会談しました。もしイランが本当に真剣なら、交渉すべきです」
しかしイランのハッサン・ロウハニ大統領は依然強硬姿勢を変えておらず、アメリカが制裁措置を課しておきながら、同時に交渉を求めてくるのは全く意味がないと述べています。
「交渉と制裁が同時とはまったく無意味です。もし誰かがライバルや敵の前に立ちナイフを突きつけながら、話をしようと言ったとします。まずはナイフをポケットに入れ、それから話し合いの席に着き、論理的に話をするのが筋でしょう。」
イランの強硬姿勢の裏には
Trita Parsi 博士は、全国イラン系アメリカ人協会の会長で、バラク・オバマ前大統領の下で成立した核合意交渉に関する著書 Losing the Enemy の作者でもあります。Parsi 博士は、イランのリーダーは交渉に応じるかもしれないが、それは自分たちにとって好都合な場合に限る、と述べています。
「これまでのイランの対応のパターンを見てみると、イランは自分たちが強い影響力を持てると感じる時にしか、交渉に応じないでしょう。ですから、私が思うに、彼らが交渉の席に着くとすれば、核問題であれ地域問題であれ、それは事態をもっとエスカレートさせてからになるでしょうね」
しかしParsi 博士は、ディールメーカーだと見られたいトランプ大統領の熱心さが、マイク・ポンペイオ国務長官ではなく、大統領自身を交渉のテーブルにつかせ、イランもそれを利用するだろうと述べています。
「恐らくイランは、ボルトンでもポンペイオでもなく、トランプ自身が交渉に興味を持っているだろうということを理解しています。ディールメーカーと見られたくてたまらない人ですからね。もしイランが実際、自ら関わりを強めようとすれば、現在アメリカに対しイランへの強硬姿勢を取るよう圧力をかけている3カ国、サウジアラビア、イスラエル、アラブ首長国連邦とアメリカの間に、ある種の分裂を生みかねません。これらの国々は常にアメリカとイランの対話に対し非常に懐疑的です。ですからイランがもし交渉を受け入れれば、連携関係に悪影響を及ぼしかねませんし、それこそがテヘランのイラン政府が恐らく望んでいることなんだと思います」
トランプ大統領は、イランに対し最大限の経済的圧力をかけていくことがアメリカの政策だと述べています。そして、彼の言う「脅迫的で地域の安定を脅かす行動」を変えるか、経済的孤立への道を進み続けるかの選択を、イランに明示していくよう、全ての国々に対し同調を求めています。
制裁措置はイランの金や貴金属の取引、他の主要金属の売買や移動、イランの通貨に関わる取引、イランによるアメリカドルの購買や入手、そしてイランの自動車部門に影響を与えるものと見られます。また、11月4日には、イランの原油やイラン中央銀行などを対象にした、より厳しい制裁措置が発動する予定となっています。
しかし、アメリカの国際問題アナリスト、マックス・ブート氏はCNNのインタビューで、トランプ政権の政策が周到に計画されたものだとは到底思えない、と述べています。
「トランプ政権にプランがあるとは私にははっきり分かりません。いや、はっきり言いましょう。イランの核開発を終わらせるために、自分たちが数ヶ月前に破棄した合意内容、つまりイランが持つ核分裂性物質の97パーセントを放棄するという内容よりも、ずっと厳しい内容に変えるような合意を、こうした制裁によりどうやって実現させればいいのか、トランプ政権には何のプランもないんだと思います。現時点で、トランプの戦略は基本的に一方的制裁と、ツイッターでの強気の発言、そして大きな期待に尽きます。うまくいくとは思えません」
対応に苦慮する欧州各国
一方、EU ヨーロッパ連合は、この制裁措置からヨーロッパの企業を守るため、「ブロッキング規則」と呼ばれる対抗措置を発表する予定です。
欧州委員会のミナ・アンドリーヴァ広報官は、この措置について次のように説明しています。
「ブロッキング規則が発動されると、EUの経営者は、アメリカによる制裁措置で発生した損失を取り戻すことができ、外国の裁判所の決定がEU内で及ぼす影響をゼロにします。また、EU の人間がこれらの制裁措置に従うことも禁ずるものです」
ヨーロッパの外相たちはアメリカの決定に対し、非常に遺憾だと述べています。
ヨーロッパ連合は、2015年のイラン核合意が効力を発揮しており、イランの核開発プログラムを制限するという目標を達成しつつあるという声明を発表しています。またEU はこの合意について、ヨーロッパや周辺地域、そして全世界の安全保障にとって非常に重要なものだ、と表現しています。
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