シドニーを拠点に、主に日本の園芸鋏など、日本の伝統工芸品の販売・PR活動を行っている職人ストアの代表、中尾祐子さん。
活動のきっかけは、造園業を営む夫が初めて日本の鋏を使った際の驚きのリアクションでした。
彼が手にした鋏は3000円ほどのものでしたが、当時使っていた120ドルの鋏よりも「10倍は切れる」と感動。さらに1万円クラスの鋏を使った夫は、「なぜオーストラリアでは買えないのか」「社長に会いに行こう」と後押ししたと言います。

中尾さんは職人や鋏業界の人々と話をするなか、日本の伝統園芸鋏が世界一の品質を誇る一方で、職人の高齢化や後継者不足により存続の危機に立たされていることを知ります。
「日本人もあまり知らないことですが、日本の刃物、特に伝統鋏は存続の危機にあります」
「鋏はあと5~10年と言われています」
しかしオーストラリアを含む海外では、その切れ味はもちろん、長持ちし、修理ができるというサスティナブルな観点からも注目が集まっており、ロシアやイタリア、イラクなど、世界各国から問い合わせが寄せられていると言います。
海外における伝統鋏の人気と注目度を見れば、「存続しかない」と強い思いを抱くようになり、中尾さんはただ販売するだけではなく、しっかりとその良さや値段の理由などを伝える重要性、その責任を感じるようになったと言います。

2年前に女性企業支援団体、グローバルシスターズの後押しでビジネスに本格的にエンジンを入れたと言う中尾さん。
先月、これまでの努力が報われ、メルボルン・インターナショナル・フラワー・アンド・ガーデンショーでノミネートした新潟県の外山刃物の園芸鋏が、見事ベスト・サスティナブル・ガーデンプロダクト部門で受賞を果たしました。
日本の刃物業界に貢献し、少しでも存続の危機から救いたい、男性主体の業界で女性の意見をしっかりと反映させたい、そして世界へ誇れる日本の伝統鋏をより多くの人に知ってもらいたい、そんな強い思いが中尾さんのモチベーションとなっていると言います。
中尾さんのフルインタビューは以下から。






