日本へのオーストラリア旅行者は記録的な数になって来ており、オーストラリアに帰っても本物の日本料理を求める人達が増えて来ています。ヨウコ・ナカザワさんはメルボルン中のローカルマーケットで味噌を定期的に販売しながら、その日本食熱を直に感じています。
「多くの大手企業がもう使わなくなった日本古来の手法で味噌作りをしています。」とヨウコさんは語ります。
ヨウコさんの味噌ビジネスは、2012年のオーストラリア移住後に始まりました。
「オーストラリアのコミュニティーや文化になかなか馴染めませんでした。」とヨウコさんは言います。
「うまくいかなくて、まるで土か泥の中にでもいるような、息も出来ず、動けず、何も見えずという状態でした。」とその当時の閉塞感を葉子さんは語ります。
「毎年味噌作りをするのは我が家の伝統でした、ですからそれをオーストラリアでも続けたかったんです。フェイスブックのページに作った味噌の写真をのせたら、作ってくれとか売ってくれという人達が現れました。」
少量を地元のファーマーズ・マーケットで販売し始めましたが、需要が増すにつれ、ヨウコさんにはビジネスの計画を立てる必要が出て来ました。
2015年に、スモールビジネス・ビクトリアとブラザーフッド・オブ・セントローレンス協賛のステッピングストーンズ・プログラムに参加しました。このプログラムは難民・移民の女性達の起業支援をするものでした。
プログラム・コーディネーターのリベッカ・ピニー・メディングスさんは、7年前の開始から1,600人以上の参加者があったと述べます。
「プログラムは15週間の小規模事業のコースですが、3年間の支援をします。」と、リベッカさんは述べます。
「スモールビジネス・ビクトリアと協力して文化・言語的に多様な背景をもつ人達向けのワークショップを開発・開催しています。ヨウコさんの場合は、顧客発掘の為に製品、価格、市場調査の全ての分野で検討しました。」
ヨウコさんのビジネスはまだ始まったばかりですが、成長しています。最近製品の種類を増やし、自宅での日本料理の教室も始めました。来年はお料理本の出版も考えています。
「まだ順風満帆ではありませんし、まだまだ英語を理解するのが難しいですが、今までより色々なものが見える様になり、行動出来る様になり、キチンと呼吸をすることが出来るのです。このビジネスをすることで再び自信が持てる様になり、喜びを感じるのは素晴らしいことです。」ヨウコ子さんは笑顔で話します。
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