Key Points
- オーストラリアの有給育児制度は、新生児や養子を迎えた親を対象に、最長22週間の支給が受けられます。
- 対象となるには、厳格な就労・収入・居住要件を満たす必要があります。
- 2025年7月から、有給育児休暇は24週間に延長され、スーパーアニュエーションの拠出も含まれます。2026年7月からは26週間にさらに延長される予定です。
- 一部の雇用主は、独自の条件で追加の有給育児休暇を提供しています。
家族に赤ちゃんを迎え入れることは特別で楽しみなことですが、経済的な負担を感じてしまうこともあります。
しかしオーストラリアの有給育児休暇制度を利用すれば、政府や雇用主から支援を受けながら、赤ちゃんの世話をすることができます。
オーストラリアの有給育児休暇制度とは?
有給育児休暇、Parental Leave Payは、オーストラリア政府が提供する制度で、新生児や2歳未満の養子を迎えた家族が仕事を休んで育児に専念できるよう支援するものです。
支給期間は現在、最長で22週間ですが、2025年7月1日から24週間に、2026年7月1日以降は26週間に延長されます。さらに、2025年7月1日からはスーパーアニュエーションも支給される予定です。
給付額は、オーストラリアの最低賃金に基づき、5日間の勤務で915ドル80セントが支給されます。

この制度の対象者は?
この制度の対象となるには、子どもの主な養育者であることに加え、就労、ならびに収入要件を満たす必要があります。
出産または養子縁組前の10ヵ月間に少なくとも330時間働いていることが必要です。また、課税所得(taxable income)が17万5,788豪ドル以下である必要があります。
この制度を管理するサービス・オーストラリアのゼネラルマネージャー、ハンク・ヨンゲン氏は、対象条件について次のように説明しています。
「お子さんが生まれたとき、または養子を迎えいれたときに、すでにオーストラリアに住んでいる必要があります。また、オーストラリア国籍、永住ビザ、特別カテゴリーのビザ、一部のテンポラリービザ(例えば一時的な保護ビザ)を持っていることが条件です。」
さらに重要なのは、子どもが生まれる前、または養子縁組の前に、少なくとも2年間オーストラリアで暮らしている必要があることです。この期間、海外で過ごした場合、その日数はこの2年には含まれません。
また両親ともに条件を満たせば、有給育児休暇を分け合うことも可能 であると、ヨンゲン氏は言います。
「この制度はさまざまな形の家族に対応できるよう、設計されています。ですから出産した母親のパートナー、子どもの実の父親、その父親のパートナーも申請が可能です。ただし、出産した母親の同意が必要 であり、パートナーやその他の家族に支払われる場合も、母親が承認する必要があります。」
有給育児制度は、死産、そして乳児が死亡してしまった場合にも支給されます。

有給育児休暇の申請
有給育児休暇の対象となるかどうかは、サービス・オーストラリアのウェブサイトで確認できます。申請は、myGovアカウントを通じてCentrelinkでオンライン申請が可能です。
有給育児休暇は、一度に取得することも、分割して受け取ることもできますが、受給期間中は働くことはできません。さらに仕事を再開する場合や、休暇日程の変更、海外渡航など状況が変わった場合は、サービス・オーストラリアへの通知が必要です。
サービス・オーストラリアのウェブサイトでは75の言語で情報を提供しています。またセンターリンクには多言語サービスもあります。
雇用主を通じた有給育児休暇
オーストラリアでは、約68%の雇用主が有給育児休暇を提供しています。これは政府の育児休業給付制度とは別のもので、独自の条件が適用されます。
対象資格や規則は雇用主によって異なるため、雇用主に確認し、企業協定を参照することが重要です。また、Jobwatchなどの団体からアドバイスを受けることもできます。
雇用主の元で少なくとも12ヵ月働いている従業員は、無給の育児休暇を取得する権利があります。この間、最大12ヵ月間、自分の役職が保証されます。

有給育児休暇はなぜ重要か?
オーストラリアの有給育児休暇期間は今後延長される予定ですが、依然としてOECD平均の51週間の有給休暇には届いていません。
Multicultural Centre for Women's Healthの最高責任者であるアデル・マードロ博士は、有給育児休暇がもたらす社会的・経済的な広範な利益を強調しています。
「コミュニティに大きく貢献する制度です。母親や父親、パートナーの負担を軽減するだけでなく、子供のケアにも大きく貢献しています。」
「有給育児休暇制度の経済的利益を示す研究は多数ありますが、幸せで健康な親と子どもを持つことでコミュニティにもたらされる社会的利益も多くあります。」
マードロ博士は、より多くの人が平等に、この手当の対象となることを望んでいます。
「すべての人が対象となるわけではないので、実際に自分が制度を利用できるかどうかをさらに調べる必要があります。」







