イベントのプログラマーである、ウッディー・マクドナルド氏は、「Japan in Focusはメルボルンの音楽ファンが日本の音楽文化に対して抱いているマニアックなイメージに呼応するものである」とSBS日本語放送の取材に応じました。
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マグドナルド氏いわく、メルボルンでは、かつて日本のバンドのマネジメントにも携わったことのある、音楽界の重鎮、ブルース・ミルン氏の影響により、街のいたるところに、「日本との繋がり」を感じられるようになったと話します。
「特に、オーディオマニア向けのバーができたり、地元のレコードショップが渋谷のようなスタイルでレコード棚を作ったりしています」
「Japan in Focus」では、90年代を代表した東京のポップ・エクスペリメンタル・アーティスト、Buffalo DaughterやCHAI、世界的に名を馳せるロックバンドBORIS、日本のテクノシーンを代表するDJ Nobu、そしてジャンルや時代にとらわれないDJでプロデューサーの瀧見憲司さんなど、あらゆるジャンルのアーティストが来豪します。
ヘッドライナーを務める打楽器奏者で作曲家の高田みどりさんは、現代音楽のみならず、アフリカやアジアなど伝統音楽を取り入れながら幅広く活動されており、70代である現在も、世界各国から高く評価されています。
まだ音楽の勉強中であった20代の頃に初めて来豪した際には、オーストラリアの先住民と接する機会があったという高田さん。
オーストラリアが持つネイティブな力に、アジアやヨーロッパの要素が加わり、「新しい国の共存の仕方を感じた」と当時を振り返ります。
Japanese percussionist Midori Takada’ music connects the body and mind to the earth Source: RISING/Midori Takada
「人類と音の関わりを起点に」音楽活動をされる高田さんにとって、「カラダと音の関わりの原点」である先住民の音楽からは多く刺激を受け、学んだと語ります。
欧米では2010年頃から、70年代や80年代の日本人アーティストに再注目が集まるようになりましたが、高田さんもそのひとり。2016年には、デビュー作品である、『鏡の向こう側、Through the Looking Glass』がYouTubeに無断で投稿され、100万回以上再生されたことにより、世界各国で再評価され、再リリースにまで至りました。
インターネットやスマートフォンとは無縁の生活を送っていたという高田さんは、当時、なぜ急に世界各国のレーベルから連絡があるのか、不思議だったと言います。
「音楽を求める心は世代を超えて変わらない」からこそ、80年代初期に発表された作品が30年以上が経った現在の若者にも受け入れられるのではないかと説明。
「音楽の中で一番大事な要素は響き、バイブレーション」と語る高田さん。この肌に届くような振動は、生音でないといけないとし、デジタルの音とは全く異なると話します。
インタビューでは、打楽器をはじめるきっかけや、打楽器の魅力についても語っていただきました。音声インタビューは下記から。
LISTEN TO
6月1日から12日にかけてメルボルンで開催される芸術の祭典、ライジング。その一環として、日本とビクトリア州の音楽の絆を深めることを目的とした『ジャパン・イン・フォーカス』が開催されます。イベントのヘッドライナーを努める打楽器奏者・作曲家の高田みどりさんにお話を伺いました。
SBS Japanese
24/05/202214:04
RISINGは6月1日から12日まで開催されます。
Japan In Focusのプログラムは以下
シドニー公演
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火木土の夜10時はおやすみ前にSBSの日本語ラジオ!