Key Points
- 旧正月のお祝いには、赤い色と爆竹が用いられる
- 旧正月を祝うすべての人が、赤色を幸運をもたらす色と見なしていない
- ベトナムでは卯年ではなく、猫年
日本ではあまり馴染みのない「ルナニューイヤー」は、旧暦による正月で、その年によって日にちが異なります。
今年は1月22日となり、中国をはじめ韓国やベトナム、マレーシア、シンガポールなど、世界の人口の4分の1以上によって祝われる一大イベントです。
北半球では春の到来も意味するため、「スプリング・フェスティバル」とも呼ばれています。
旧正月を祝う習慣は国によって異なりますが、家族や親戚が集まり、縁起がよいとされる伝統的な料理とともに新たな年を祝うことには変わりありません。
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賑やかに悪霊を追い払う
中国では、赤い飾り付けが至る所に施され、揮春(ファイチュン)と呼ばれる赤い紙には新年の挨拶や抱負が書かれ、新年の到来を祝います。
爆竹や花火を鳴らし、龍や獅子が舞を披露し、銅鑼や太鼓が叩かれるのは、悪霊、特に獣の「ニエン」を追い払うことを象徴していると言われています。
中国の神話によるとニエンは新年の始まりに隠れていた場所から出てきて、人や動物を食べるとされていますが、大きな音や火に弱く、赤い色を恐れたと言われています。
中国では、旧正月に各地域の人々がそれぞれの伝統的な食べ物でお祝いをします。北部では家族が集まって餃子を食べ、南部では餅や揚げ餃子、スナック菓子、蓮の実の砂糖漬けなどのお菓子で新年を祝います。

一方台湾では、鍋やアヒルの生姜煮、鶏のワイン煮などが伝統的な料理として親しまれています。このほか、台湾の新年の習慣には、数多くの宗教的な儀式や文化的なエチケットもあります。
旧正月には、ニエン神話にちなんで、赤など鮮やかな色の衣服を身につけ人もいれば、新年を心機一転して迎えることを象徴して、上から下まで新しい服を着る人もいます。
また年配の人は、「紅包(ホンバオ)」と呼ばれる赤い封筒に「利是(ライシー)」と呼ばれるお金を入れ、配ります。利是を受け取った若者は、利是を贈ってくれた人の1年の幸福、健康、財運を祈るのが伝統的な礼儀となっています。

韓国での旧正月
韓国人による旧正月のお祝いは、7世紀の中国の歴史文献「隋書」と「唐書」にまで遡ることができます。
韓国の歴史書では、13世紀に書かれた「三国遺事」に旧正月の行事が初めて記録され、当時、旧正月は韓国の9大祝祭のひとつと考えられていました。
旧正月を祝う他の多くの民族とは異なり、韓国の文化では赤い色には意味がなく、魔除けや幸運をもたらすとも言われていません。そのため、韓国で旧正月を祝う人々は様々な色の衣服を身につけます。

旧正月の初日はソルラル(설날)と呼ばれ、厄除けのために韓国伝統の韓服(한복)を着て、言動に慎重になることが求められています。
また、ご先祖様を供養する伝統的儀式チャレが行われるほか、家族の年長者にセベ(세배)と呼ばれる伝統的な挨拶をします。これは深々としたお辞儀で、1年の幸運と繁栄を祈るのものです。
お返しに、子どもたちは封筒に入ったお金を受け取りますが、韓国では赤い色は縁起との繋がりはないとされているため、封筒の色に決まりはありません。

トックク(떡국)は、旧正月に食べられる韓国の伝統料理で、この時期の韓国人にとって最も代表的な料理とされています。
これはスープに薄くスライスした餅を入れたものです。白くて丸い餅は健康と繁栄を意味すると言われています。

このほかにも、小麦粉をベースに蜂蜜、酒、ごま油、生姜汁などを加えて作るヤックァ(약과)や、もち米粉に蜂蜜を加えて作る伝統菓子カンジョン(강정)なども食べられます。
2023年は卯年?猫年?
ベトナム文化の十二支によると、2023年は卯年ではなく猫年となり、旧正月の1日目は「Tết Nguyên Đán(テット・グェン・ダン)」と呼ばれます。
古代の伝説によると、干支の順番を決めるためにすべての動物を招待して、川を渡る競争が行われましたが、ずる賢いネズミに騙されたネコはゴールまでたどり着くことができなかったと言われています。
しかし、ベトナムの伝説は少し異なり、猫は騙されながらも川を渡り、ウサギと入れ替わって十二支の一匹になったというのです。
しかし諸説もあり、一説には、ベトナムに十二支が伝わったとき、ベトナム語の「ウサギ」の発音が「猫」に似ていることから混乱が生じ、猫が十二支のひとつになったと言われています。
この他にも温暖な気候のベトナムでは、農家にとってネズミは深刻な害虫であり、猫はネズミの天敵であることから、猫が豊作や好天をもたらすと考えられ、干支をウサギから猫に置き換えたという説もあります。
中国や韓国と同様、ベトナムでも旧正月には先祖を供養し、特に果物の供え物 「Mâm ngũ quả(マム・グー・クア)」は有名です。これはカスタードアップル、イチジク、ココナッツ、ガジュマル、マンゴーの5つのフルーツからなる供え物で、繁栄と無限の幸運を象徴しているそうです。

大晦日に先祖を供養した後、ベトナム人は家に帰る途中、天地の神々から祝福を受けたことを表す緑の葉をつけた枝を摘み、帰宅後、葉が枯れるまで自宅の祠の前に置かれます。この儀式は「Hái lộc(ハーイ ロック)」と呼ばれています。
その夜、ベトナムでは家族が集まり、団欒の夕食をとります。
新年の初日には、米団子や焼き魚、肉団子、焼き肉、ネギの漬物、牛肉などを先祖に捧げ、祈ります。
この儀式が終わると若い世代は年配の家族に挨拶をし、お返しに赤い封筒に入った「幸運のお金」を受けとります。
旧正月の伝統的なベトナム料理には、バナナの葉に包まれた四角い餅「 bánh chưng(バイン・チュン」があり、緑豆と豚肉が入っているものが一般的です。

