Key Points
- 将来の飲みすぎのリスクを減らすため、若者は、飲酒の開始を遅らせることが科学的にも推奨されています。
- アルコールに関する法律には、飲酒・購入に関する年齢制限、他者への供与(セカンダリー・サプライ)に関する規制、そして特定の公共エリアでの飲酒制限などが含まれています。
- オーストラリアでは、ホームパーティーなどに参加する際は酒類を持参する「BYO(Bring Your Own)」が一般的ですが、パブなどの会場では交代でお酒をおごり合う「シャウト」の文化が根づいています。
オーストラリアでは、アルコールによる健康リスクを減らすため、National Medical and Research Councilが公式の飲酒ガイドラインを発表しています。
このガイドラインでは、健康な成人は「1週間にスタンダード・ドリンク10杯まで」「1日に4杯を超えないこと」が推奨されています。
オーストラリアでは、純アルコールが10グラム含まれている量を「スタンダード・ドリンク」と呼びます。目安としては、「度数の高いビールで約285ミリリットル」「ワインで約100ミリリットル」「ウイスキーなどの蒸留酒で約30ミリリットル」にあたります。ただし、実際に販売されているお酒は、1杯でこの基準を超えていることが多いため、飲む量に気をつける必要があります。

Foundation for Alcohol Research and Education (FARE)のヘルスプログラム・ディレクター、クリスティ・ココティスさんは、このガイドラインに沿って飲酒している健康な成人は、アルコールが原因の病気やけがで死亡するリスクは100人に1人未満であると説明します。
「しかし、ゼロではありません。」
アルコールを控える、または飲まないという選択は、健康にとって良い判断です。Kristie Cocotis
FAREが実施した全国調査では、回答したオーストラリア人の44%が「飲酒量を減らしたい」または「完全にやめたい」と考えていることがわかりました。
オーストラリアでは、アルコールによる健康被害が長年にわたって大きな課題となっています。Australian Institute of Health and Welfare (AIHW)が発表した最新のデータでも、アルコールが依然として薬物治療を受ける主な理由となっていることが明らかになっています。
2023年から2024年のデータによると、毎年およそ6,000人がアルコールに関連して命を落としているほか、14万4,000人以上が入院しています。
さらに「アルコールの使用は、7種類以上のがんや、200以上の病気やけがと因果関係があることもわかっている」と、ココティスさんは話します。

オーストラリア人はいつ、どのようにお酒を飲んでいるのでしょうか?
オーストラリア統計局(ABS)の最新データによると、オーストラリアの成人の4人に1人が、アルコールの公式ガイドラインを超えて飲酒していることが分かりました。
ラ・トローブ大学のアルコール政策研究センターで上級研究員を務めるエイミー・ペネイさんは、オーストラリアはアルコール・薬物研究の分野で「ドライ・カルチャー」と表現されることが多いと話します。
「ウェット・カルチャー」では、アルコールが身近にあり、少量をこまめに飲むのが一般的ですが、「ドライ・カルチャー」は飲酒の頻度は少ないものの、飲むときは一度に多く飲むのが特徴的です。

お酒は、特定の行事やイベントと結びついていることがよくあります。
「たとえば宗教的な祝日や長期休暇、特に夏や年末年始の時期などです。オーストラリア・デーやアンザック・デーも、お酒を飲む人が多い日として知られています。」(ペネイ博士)
また、スポーツ観戦も過度な飲酒と関連しているといいます。
「オーストラリアン・フットボール、クリケット、ラグビーの試合などでは、会場での観戦はもちろん、自宅でテレビ観戦する際にも、アルコールがつきものです。」(ペネイ博士)
お酒にまつわるマナー
オーストラリアに来たばかりの人は、覚えておくとよいお酒のマナーがいくつかあります。
そのひとつが「BYO(Bring Your Own)」で、自分の飲み物を持参するという意味です。ピクニックやホームパーティーなどでよく見られる習慣です。
もうひとつは、バーやパブで相手にお酒をおごる「シャウト(shout)」という習慣。順番にみんなで飲み物を買い合うのが、オージースタイルです。
明確に"Alcohol is provided"と言われていない限り、バーベキューやピクニックに招かれた場合は、自分でお酒を持っていくのが一般的です。Dr Amy Pennay
「一方で、オーストラリアではお酒をおごり合う『シャウト』という文化がとても強いです。例えば、私が友達とレストランやバーに行ったときは、順番にバーに行ってグループのみんなの飲み物をまとめて買います。」

飲酒年齢の法律と制限
オーストラリアでは、バーやパブなど、酒類販売免許を持つ飲食店でお酒を買ったり飲んだりできる年齢は18歳です。
コンビニエンスストアや自動販売機での販売はなく、お酒は「ボトルオー」や「ボトルショップ」と呼ばれるライセンスを持つ酒屋でのみ購入が可能です。
Youth Law Australiaの上級弁護士ケイト・リチャードソンさんによると、若い人はアルコールの購入時に、身分証明書の提示を求められることがあると説明します。
「18歳以上であることを証明するIDや年齢確認書類の提示が義務付けられています。さらにRSA(Responsible Service of Alcohol *)のルールでは、25歳未満に見える人には必ずIDの提示を求める必要があります。」
*アルコールを提供する際に必要な資格
オーストラリアでは、お酒を飲める年齢は全国どこでも共通で18歳以上ですが、公共の場所での飲酒についての規制は、州やテリトリーによって異なります。

お住まいの地域のローカル・カウンシルによっては、飲酒が禁止されているエリア(アルコールフリーゾーン)が設けられていることもあります。そのため、自分の地域にどんなルールがあるのか、事前に確認しておくことが大切です。
「自分がいる場所にどんな法律が適用されるのかをしっかり確認することが重要です。」
(リチャードソンさん)
また、「セカンダリー・サプライ」と呼ばれる、18歳未満の人にお酒を提供することに関する法律も、州やテリトリーによって異なります。
ある州では、未成年にお酒を与えてよいのは保護者だけとされていますが、別の州では、保護者の許可があれば他の大人でも可能な場合があります。ただしその場合でも、お酒を安全で責任ある方法で提供するという、以下を含む厳しい条件があります。
- お酒を渡した相手(未成年)の年齢
- お酒を渡した大人自身が酔っていたかどうか
- 未成年が飲酒時に食事をしていたかどうか
- 渡したお酒の量や種類
「自分の子どもが友だちのホームパーティーに行くとなると、お酒を出されるのではないかと、保護者にとっては大きなストレスになることもあります。」(リチャードソンさん)
「だからこそ、こうした法律が『責任ある大人』とは誰かを、明確にしているのです。ただ18歳を過ぎた友だちというだけでは足りません。多くの場合、それは保護者本人、もしくは保護者の許可を受けた大人である必要があります。」(リチャードソンさん)

では、何歳からお酒を飲むのが適切?
ペネイ博士によると、研究では「飲酒を始める年齢はできるだけ遅らせるべき」とされおり、少なくとも18歳になるまではお酒を飲まないほうが望ましいとされています。
これはオーストラリアの法律や、国の専門機関が出しているガイドラインにも合った考え方です。
少なくとも18歳までは飲まないことが望ましく、これはオーストラリアの法定飲酒年齢や、国家医療研究審議会(National Medical and Research Council)のガイドラインにも沿った考え方です。
「飲み始める年齢が遅いほど、将来的に大量に飲んでしまうリスクが低くなることが、研究で明らかになっています。」(ペネイ博士)
お酒に関する問題でサポートが必要な場合は、全国アルコール・薬物ホットライン(24時間対応・無料・匿名) 1800 250 015 へお電話ください。非難されることなく、カウンセリングや情報提供、相談先の紹介が受けられます。
緊急の支援が必要な場合は、ライフライン 13 11 14 にご連絡ください。
オーストラリアや各州・テリトリーにおけるアルコール関連の法律については、保健省のウェブサイトをご確認ください。
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