あらゆる素材とチョコレートの組み合わせで誕生するボンボンショコラは、味覚はもちろん、視覚にも訴える、一種のアートとも言えます。
そのボンボンショコラに、ワトルシードやクワンダン、レモンマートルなどといった、オーストラリアの「ブッシュフード」を取り入れたのが、パースを拠点に活動するショコラティエールの中村有希さんです。

「ブッシュフード」とは、オーストラリアの先住民が伝統的に食べてきたハーブやフルーツ、野菜、そしてカンガルーやエミューなどの肉類も含み、「ブッシュタッカー」とも言われます。
昔から「食物が好き」で、「素材に興味があった」と語る中村さんは、見たことも味わったこともないブッシュフードに出会ったときは衝撃を受けたそうです。普通の料理としてこれらの素材を取り入れるのは「ハードルが高い」一方で、得意なチョコレートであったら自信がある、と勉強に励みました。
本などを読み、知識をつけたのはもちろん、パースでアボリジナルの文化を伝える活動をしているローカルガイド、マリッサ・ベルマさんからも直接、ブッシュフードの知識やその調達先などについてアドバイスを受けました。
マリッサさんは、SBS日本語放送の取材に応じ、「彼女のチョコレートは、美しく、美味しいだけでなく、ローカルのアボリジナルビジネスを支え、さらにはアボリジナルの文化をより多くの人々に知ってもらうチャンスも詰まっていて、とても素晴らしいこと」と述べました。

日本でも店舗展開する中村さんは、ブッシュフードについて人々が先入観を持たないためにも、ブッシュフードについて問われても、「まずは食べてみてください」と勧めるそうで、その後から、ブッシュフードについて、さらにはアボリジナルの文化について説明するように、彼女も、従業員も心がけているそうです。
ブッシュフードは季節や地域によって採れるものが異なり、「山菜のよう」と語る中村さんは、2年の月日をかけて、ブッシュフードを取り入れた「オーストラリア・セレクション」を開発。
ときには「味と味との喧嘩があったり。味が出なかったり」と試行錯誤を重ねたセレクションですが、現在でも新たなブッシュフードの研究に取り組んでいます。
「明日の活力になってほしい」、と日々心をこめてチョコレートを作る中村さんは、今回、特別に自宅で簡単にできるチョコレートレシピを伝授してくれました。来週のバレンタインデーに向けてぜひ、試してみてください。

チョコレートガナッシュ
トリュフにする場合は約35個分
ケーキにコーティングする場合は24cmケーキ1個分
タルトにする場合は24cm型1個分
材料:
- 生クリーム 80g
- バター 15g 常温
- ダークチョコレート 150g
作り方:
- 生クリームを小鍋に入れて沸騰させ、火を止める
- 細かく刻んだダークチョコレートを生クリームに加え1分ほどおく(少し置くことでチョコレートが溶け、混ぜ合わせやすくなります)
- チョコレートがすべて溶け、つやが出るまで混ぜ合わせる
- 常温のバターを加える
- トリュフを作る場合は絞り袋に入れ絞れる硬さになるまで常温でおく、ケーキのコーティング、タルトにする場合はそのまま使用
インタビューでは気温の暑いオーストラリアでのチョコレートの保管方法なども伺いました。
READ MORE

パティシエ 金子世菜さん




