オリンピックの花形競技と言われるマラソンが、8月7日(女子)と8日(男子)に札幌市で開催されます。
マラソン会場を巡っては、2019年、国際オリンピック委員会(IOC)が、猛暑対策として、東京から札幌へ移行した経緯がありますが、北海道では今年、記録的な暑さが続いており、札幌では先月19日に21年ぶりとなる猛暑日を記録した他、同市の7月の平均気温は観測史上最高となりました。
札幌エクセルアスリートクラブの代表理事兼マラソンコーチである石井憲さんによると、レースは午前7時に予定されているため、気温は25度から26度が見込まれますが、「記録を狙うハイペースなレースにはならない」と述べています。
後半から脱水が多くなるため、レース展開がスローになるほか、暑さに強い選手、そうでない選手がいるため、「番狂わせ」が予想されると言います。
オリンピックのマラソンコースは、5000本の木々に囲まれ、雪まつりの会場としても知られる大通り公園をスタートとゴールにし、約20キロを1周、約10キロを2周する周回コースとなっています。
札幌エクセルアスリートクラブの所属選手で、主に100kmのマラソンをメインとする藤澤舞さんは、5月5日に開催された、五輪を想定したテスト大会に参加されています。

Commemorative plate has been set every 5km of the Olympic marathon course Source: Ken Ishii
2019年のシドニーマラソンでは女子総合6位を記録している藤澤さんいわく、コースは坂がほとんどない、フラットなもので走りやすく、「暑ささえなければ、高速コースになる」としています。
「オリンピックは、タイムよりも、順位」という藤澤さんは、選手らは初め、お互いの様子を見ながらレースを進め、「3周目辺りから仕掛けるだろう」と予測しています。
特に前方を走る選手が見えなくなる北海道大学内のジグザグ道は、「スパートをかけたり、引き離したりする」勝負のポイントであると、石井さんも述べています。
マラソン、並びに競歩は、新型コロナウイルスの感染再拡大の状況を踏まえ、観戦自粛が要請されています。
石井さんが今大会注目する選手は、男子マラソン世界記録保持者である、ケニアのエリウド・キプチョゲ選手、今年2月まで日本記録保持者であった大迫 傑選手、そして5月に開催されたテスト大会で優勝している一山麻緒選手です。
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オーストラリアからは6人がマラソンに出場します。
42歳で4回目のオリンピック出場となるリサ・ウェイトマン選手は、豪マラソン界のレジェンドであるスティーブ・モネゲッティ選手、リサ・オンディキ選手、ロブ・デ・カステラ選手、ベニータ・ウィリス選手とともに、陸上競技で4回のオリンピック出場を果たした8人目のオーストラリア人選手となります。この他にも、2回目のオリンピック出場となるブレット・ロビンソン選手やリアム・アダムス選手など、力強いラインナップが期待されています。
オリンピックの女子マラソンは7日土曜日、男子マラソンは8日日曜日、いずれもオーストラリア東部時間午前8時から開催されます。
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