Key Points
- 国境管理の対策は、オーストラリア特有の自然環境や経済を守るために設けられています。
- 入国者は全員、「入国者カード(Incoming Passenger Card)」に記入しなければなりません。これは法的な書類です。
- 食品や植物は特にリスクが高いため、必ず申告が必要です。
- 持ち込み品を隠した場合、罰金や禁錮刑が科される可能性があります。
- 判断に迷ったら、必ず申告しましょう。
なぜここまで厳しい?オーストラリアのバイオセキュリティ
オーストラリアのバイオセキュリティ法は、世界でも特に厳しいことで知られています。害虫や病気の侵入を防ぐため、食品や植物など多くの品目が持ち込み禁止となっています。
「この広大な島国であるオーストラリアのバイオセキュリティ体制は、貿易にとっても、コミュニティの安心にとっても、農業の生産性にとっても、そして美しい自然環境や貴重な固有種を守るうえでも、極めて重要です。私たちが守ろうとしているのは、まさにそこなのです。」(農業・漁業・林業省で旅行者政策・運用を担当するヴィッキー・フィッシャー次官補)
農業は国内で何千もの雇用と生計を支えています。また、厳格なバイオセキュリティ法は、害虫や感染症のない状態を維持し、オーストラリアが国際的に農産物などを取引できる基盤にもなっています。

入国者カード(Incoming Passenger Card)とは?
飛行機や船でオーストラリアに入国する際、機内や税関に到着する前に「入国者カード(IPC)」への記入が求められます。このカードの質問にすべて答えることで、自分が持っている品物の中に、持ち込みが制限・禁止されている可能性のあるものがないかをオーストラリア国境警備隊(ABF)に申告します。
「黄色いカード、Incoming Passenger Cardは法的な書類です。そこには、食品類や植物製品、動物製品、あるいはブーツについた土などを持っているかどうかを、正式に申告することになります。」(フィッシャー次官補)
一見問題なさそうに見えるものであっても、食品や植物、動物由来の製品はすべて申告しなければなりません。Vikki Fischer
カードに記載されている品目を持っている場合は、必ず申告しなければなりません。申告すると、バイオセキュリティ担当官のもとへ案内され、持ち込み品がバイオセキュリティ上のリスクにあたるかどうかを確認します。
申告したからといって、必ずしも没収されるわけではありません。多くの場合、職員がリスクを判断し、安全と認められれば持ち込みが許可されます。
チョコレートや加工されたキャンディーなど、バイオセキュリティ上のリスクがない食品もあります。ただし、判断に迷った場合は申告することが大切です。
旅行経験が豊富なエレニ・ムツェロウさんは、過去の経験から「自分の荷物に何が入っているのかを正確に把握しておくことが非常に重要」と注意を呼びかけています。

エレニさんはあるとき税関を通過する際、ABFの職員による荷物チェックで、リスクの高い肉類や乳製品が見つかったといいます。
「実は、出発直前に母が私に知らせずにスーツケースにそれらを入れていたんです。」
職員からは、罰金や禁錮刑になる可能性があったと告げられたと振り返ります。
入国者カードの記入に迷ったら
カードの記入が難しい場合は、入国審査の列に到着後、国境警備隊(ABF)の職員が対応してくれると、ABFのニール・シン副監督官は説明しています。
入国者カードは48言語に対応しており、世界各国からの渡航者が利用できるようになっています。Neil Singh

そのほかの持ち込み禁止・制限品は?
武器や違法薬物、危険物質、さらには刃物など、安全上のリスクがある品目は厳しく規制されています。これらはすべて申告が必要です。隠して持ち込んだ場合は、重大な結果を招く可能性があるとシン氏は警告します。
「通常、故意でなければ、その品物が没収されるだけで済みます。しかし、意図的に隠そうとした場合は、さらに重い処分が科される可能性があります。没収や違反通知にとどまらず、禁錮刑に至ることもあります。」

禁止・制限品を申告しなかった場合は?
禁止・制限品目のリストは多岐にわたります。そのため、判断に迷った場合は必ず申告することが重要です。安全だと思って持ち込んだ物が、実は重い罰則につながるケースもあります。
迷った品目は申告すれば、バイオセキュリティ担当官がリスクを確認してくれます。
罰金が科されるのは、入国者カードに事実と異なる申告をした場合であると、フィッシャー次官補は説明します。
「『食品は持っていません』『植物製品はありません』『動物製品もありません』と申告しておきながら、荷物検査や探知犬によるチェックで実際にそれらが見つかった場合に罰金が科されます。問題になるのは、申告しなかった場合だけです。」
申告が必要な主な持ち込み品は?
医薬品
アスピリンやパラセタモールなど一般的な薬は持ち込み可能ですが、市販薬を含め、ほとんどの医薬品は申告が必要です。
エレ二さんは、医薬品のすべてを申告しているといいます。
「必要な理由についてはGPに英文の証明書を書いてもらっているので、求められれば提示できます。すべて見せれば、職員は理解してくれます。」
医師の証明書があれば手続きがスムーズになりますが、必須ではありません。
またシン氏は、個人使用の薬は、元のパッケージのままであれば問題ないと説明しています。
持ち込める量は、最大で3ヵ月分までです。
現金
オーストラリアへ持ち込める現金に上限はありませんが、1万豪ドルを超える場合は申告と登録が必要です。
アルコール・たばこ
持ち込みが認められているのは、アルコールは1人最大2.25リットル、たばこは25本または25グラムまでです。入国前に免税店で購入した分も、この上限に含まれます。
お土産・贈り物
家族や友人へのお土産にもルールがあり、上限は900豪ドルまでであると、シン氏は説明します。
なお、自分用の衣類や靴などの身の回り品は、この900ドルの枠には含まれません。しかし上限を超える場合は、関税や税金が課される可能性があります。
禁止・制限品の詳細なリストは、オーストラリア国境警備隊(Australian Border Force)のウェブサイトで確認できます。
迷った場合は必ず申告を。空港で数分手間をかけることで、罰則を避け、オーストラリアの環境や経済、暮らしを守ることにつながります。
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