オーストラリアで楽しむ 雪のリゾートガイド

Perisher village 8 chair lift

Perisher Valley chair lifts. Source: Moment RF / Keith McInnes Photography/Getty Images

オーストラリアといえばビーチが有名ですが、冬になると一部の地域では、スキーやそり遊び、雪合戦など、スノーアクティビティを楽しむこともできます。オーストラリアで暮らす多くの人たちにとっては初めて見る雪かもしれません。このエピソードではオーストラリアのおすすめスノースポットをはじめ、必要な準備、そして安全で暖かく過ごすコツをご紹介します。


Key Points
  • オーストラリアの人気スノーリゾートは、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、タスマニア州にあります。
  • 山岳地帯を運転する前に、車にチェーンが必要かどうかを必ず確認しましう。
  • 楽しく安全に雪を楽しむためには、防寒着や手袋、スノーブーツなどをしっかり準備しておくことが大切です。
オーストラリアの人気スノースポットは、ニューサウスウェールズ州やビクトリア州、タスマニア州にあります。これらのスポットには、スキーリゾートや国立公園、アルパイン地帯が数多くあり、雪を楽しむ人々にとって理想的な場所です。

人気のスキーリゾートには、ニューサウスウェールズ州のペリッシャーやスレドボ、ビクトリア州のマウント・ブラーやフォールズ・クリークなどがあります。それぞれ、規模や地形、施設の面で特徴が異なります。

オーストラリアは島国としてビーチが有名である一方、オーストラリア・アルプスの標高は世界的に見るとそれほど高くないと、ニューサウスウェールズ州スノーウィー・マウンテンズ観光局のディレクター、オリヴィエ・カペタナコス氏は語ります。

「オーストラリアの最高峰であるコジオスコ山はおよそ2,200メートルで、それほど高い山ではありません。それでも、国内には4〜5か所の優れたスノーエリアが存在しており、スレドボやペリッシャーといったリゾートが位置するコジオスコ国立公園もそのひとつとして知られています。」
Girl On Toboggan Sliding Down On Snow
Pack warm clothing, gloves, and snow boots to make the most of your time at the snowy mountains. Source: Moment RF / Kinson C Photography/Getty Images

NSW州のスノーウィー・マウンテンズを訪れる

ニューサウスウェールズ州近くのスノーウィー・マウンテンズに行く予定がある場合、宿泊場所は、スキーをするのか、スキーを習いたいのかなど、現地でするアクティビティによって選ぶ場所が変わってきます。

ニューサウスウェールズ州のスキーシーズンは6月の第1週から10月初旬のロングウィークエンドまで続きます。カペタナコス氏によると、最も雪質が良いのは通常7月と8月です。

リゾートの中でもペリッシャーは最大規模ですが、滑走エリアが非常に広いため、1日ですべてを滑るのは難しいと言います。一方、スレドボは、1日で滑りきれるコンパクトなリゾートとなっています。

またスキーをしない、あるいはスキーを習う予定がない人には、より気軽に雪を楽しめるセルウィンがおすすめだそうです。

「セルウィンには、素晴らしいソリ遊び用のパークがあります。ペリッシャーやスレドボではソリ遊びは許可されていません。雪を楽しむことが目的であれば、ペリッシャーやスレドボも十分に満喫できますが、山頂までゴンドラで登って雪遊びをしたい方には、スレドボが特にお勧めです」(カペタナコス氏)
Education - Dad and baby son is playing in the snow
You don't have to be skiing to have fun in the snow. Source: Moment RF / Lesley Magno/Getty Images

VIC州のスノーウィー・マウンテンズを訪れる

ビクトリア州ではアルパイン・シャイア周辺がおすすめです。

アルパイン・シャイアのサラ・ニコラス市長によると、この地域はビクトリア州を走るグレート・ディバイディング山脈のふもとに位置しています。

「代表的なスキーリゾートはマウント・ホーザムとフォールズ・クリークの2か所です。ディナープレインにもスキーリフトがあり、初心者やソリ遊びにぴったりの場所です。また、マウント・バッファローでは、美しい雪景色を楽しむことができます。」(ニコラス市長)

さらに、マウント・ブラーもビクトリア州で特に人気のあるスノーリゾートのひとつです。ビジット・ビクトリアによると、マウント・ブラーは初心者から中級者、上級者まで幅広いレベルに対応したゲレンデがあり、山の上には設備の整ったビレッジや各種施設も揃っています。

特にメルボルンから訪れる人にとって便利であると、カペタナコス氏は言います。

「ビクトリア側なら、マウント・ブラーで雪遊びをするのも良い選択肢です。メルボルンから行くなら一番近い場所なので、おすすめの場所です。一方、シドニーやブリスベンから行くなら、ペリッシャーやスレドボが一般的です。」
Skiing at a resort with foggy conditions
Skiing at a resort with foggy conditions at Mt Buller, a few hours drive from Melbourne, Victoria, Australia Source: Moment RF / Kieran Stone/Getty Images
ビクトリア州で雪を満喫するには、まず自分がどんなアクティビティを楽しみたいのかを考えることが大切だと、ニコラス市長は話します。そうすることで、滞在期間の目安も立てやすくなります。

スノーウィーマウンテンは日帰りでも十分に楽しめますが、その場合、スキーをする人は少ないと、市長は説明します。

「指定されたソリ遊びエリアで少し滑ったり、雪合戦をしたり、ランチを楽しんだり。それだけでも十分に楽しめます。こういった体験なら日帰りでも大丈夫です。ただ、スキーできちんと滑れるようになりたい場合は、最低でも平日5日間ほどは必要だと思います。そのくらいあれば、多くの人は最後には初心者コースを無理なく滑れるようになります。」(ニコラス市長)
A Female Tourist is Taking Photos with a Digital Camera
The summit of kunanyi / Mount Wellington offers fantastic views of Hobart with snow on the plant top. Source: Moment RF / wenyi liu/Getty Images

TAS州のスノーウィー・マウンテンズを訪れる

タスマニア州のスノーウィー・マウンテンズは、特に家族で楽しめる場所となっています。

ツーリズム・タスマニアのサンドラ・ブレイディさんによると、マウント・ウェリントンは家族で楽しめ、素敵な思い出を作るのにピッタリの場所です。

「スキーやソリ遊びなどの施設はありませんが、家族で雪だるまを作ったり、雪合戦をしたり、スノーエンジェルを作ったりと、シンプルな雪遊を楽しめます。市内中心部のホバートから車でたった20分というのも魅力です。」

またホバートから車で約90分の場所にも、雪を楽しめるエリアがあります。マウント・フィールド国立公園では、クロスカントリースキーを楽しめる場所もあり、通常はスキークラブを通じて利用されます。

さらにベン・ローモンド国立公園は、スキーに最も適したロケーションです。

「北部で雪を楽しむなら、ベン・ローモンド国立公園がラウセストンから車で簡単に行ける場所です。冬の間は、山の上にあるスキーリゾートまで行けるシャトルバスも運行しています。ベン・ローモンドへの道は『ジェイコブズ・ラダー』と呼ばれるつづら折りの坂道でかなり曲がりくねっているため、シャトルの利用をおすすめします。また、6月初めからはその区間を走行する車にはスノーチェーンの装着が義務付けられています。」(ブレイディさん)
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From the left: Sarah Nicholas, Olivier Kapetanakos, Sandra Brady

準備:安全対策と持ち物チェック

オーストラリアにある雪山や雪の多い場所へ出かける前には、安全に楽しむための準備や計画がとても大切です。

「国立公園ではチェーンの装着が義務づけられています。四輪駆動や全輪駆動でない普通のセダン車の場合は、駆動輪にチェーンを装着する必要があります。多くの小型車では前輪、大型車では後輪が駆動輪になります。これまで雪道を運転したことがない方や、四輪駆動でない場合は、チェーンを使うことを強くおすすめします。」(カペタナコス氏)

雪道を運転する際は、チェーンが必要かどうか事前に確認し、現地の標識や天候の注意報にも常に気を配りましょう。

また、楽しく安全に雪を楽しむためには、防寒着や手袋、スノーブーツなどをしっかり準備しておくことが大切です。

「「雪の中で快適に過ごすには、専用のスノーウェアを着ることが大切です。厚手のジャケット1枚だけではなく、重ね着を意識してください。たとえば、下着や肌着の上にシャツ、さらにその上に防水ジャケットやダウンなどを重ねると良いでしょう。ニット帽や手袋、しっかりした靴も忘れずに。」(カペタナコス氏)

オーストラリアで雪を楽しむには、宿泊費や国立公園の入場料、リフト券、食事代、スノーウェアや用具のレンタル代、車のチェーン代など、費用がかさみやすいのが特徴です。

ただし、スノーギアを購入するのではなくレンタルしたり、自分で食べ物やおやつを持って行くことで、出費を抑えることができます。

「出費を抑えたい家族にとっては、事前のリサーチがとても役立ちます。お昼ごはんを持参して、車に置いておき、途中で雪景色を見ながら外で食べるのもおすすめです。レストランやカフェに入るよりもずっと経済的です。」(カペタナコス氏)

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