クラブは当初、日本語を学ぶ学生たちの話し言葉の能力向上を目的に、1975年に現代日本語での現代劇を中心に、前座として日本の歌や落語、漫才、寸劇などを加えて「日本の夕べ(Japanese Evening)」という催し物として発足しました。
1980年代半ばから、当時、日本文学を担当していた、人形浄瑠璃専門の教員が歌舞伎を中心に据えるようになりました。それ以降、若干の前座と共に「歌舞伎公演」として、大学内のみならず、キャンベラ市民に親しまれてきました。
今⽇までおよそ40年にわたり監督・演出を務めクラブを支えてきたのは、同大学アジア・太平洋カレッジ⽇本学科の元教員で、現在は客員研究員の池田俊⼀さん。古典演劇の醍醐味を守りながら、独⾃のスタイルを築き上げてきました。
歌舞伎の公演はすべて日本語で行われ、その中には日本の音楽やポップカルチャーやダンスも巧みに取り入れられ、ここにしかない“ANU歌舞伎”の世界が生まれています。
つい先月開催された「第48回日本の夕べ」では、『彦山権現誓助劔(ひこさんごんげん・ちかいのすけだち)』を上演しました。この催しは、毎年恒例となっているオーストラリア国立大学(ANU)アジア・太平洋カレッジ日本学科と在豪日本大使館の共催によるもので、学生歌舞伎を中心としたイベントです。また、公演期間中にはくじ引き抽選を実施し、抽選券の販売を通じておよそ1,500ドルの寄付金が集まりました。部の維持費を差し引いた残りの金額は、「能登半島地震」の被災地支援として寄付される予定です。

Credit: Peggy Halas
インタビューでは、池田先生と部員のお二人、ブラウン千代さんと川原颯泰さんにお話を伺いました。
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