クリスマスまでカウントダウンとなり、街なかではクリスマスツリーやイルミネーションが施され、どこからかクリスマス・キャロルが聴こえてくる時期となりました。
クリスマスと言えば、愛する家族や友人と過ごす時期でありますが、オーストラリアでは文化的マイノリティであったり、難民として母国を逃れてきた人、自分の存在を疎外されている人、そして国境規制により、愛する人々と離ればなれに過ごしている人にとって、クリスマスは辛く孤独な時間になることもあります。
『Sound of Christmas from Asia Pacific』は、そのような人々に手を差し伸べ、希望を感じてほしいという思いが込められたプロジェクトです。サモアやフィリピン、インドネシア、中国、日本など、各国のボーカリストを集めて収録されたクリスマスアルバムは、シドニーシティからの支援を受けた初の試みです。
松田久美さんは、日本語の担当として、『Hark! The Herald Angels Sing(天には栄え)』を歌われました。

Team of vocalist and producers, Sound of Christmas from Asia Pacific Source: Kevin Bathman
過去には英語でこの曲を歌ったことがあったという松田さんは、日本語で歌うことで、より気持ちがこもり、作曲者が歌に込めた思いも感じられたと話します。
今回のプロジェクトはシドニーのロックダウン期間中、リモートで行われ、他のボーカリストとは接することがなかったと話す松田さん。アルバムが完成して初めて、他のボーカリストのキャロルを聴くことができたと言います。
「言葉によって(キャロルの)印象がすごく変る」、他のボーカリストの「アレンジや歌い方が特徴的で魅力的」であったと話す松田さんは、マルチカルチャルな国ならではの今回の経験は貴重であったと述べています。
約24年前、ワーキングホリデーメーカーとして来豪した松田さんは、結婚式で見た合唱団をきっかけに、自分も歌ってみたい!と思うように。ローカルのアカペラグループに参加したほか、現在はさくら合唱団の一員としても歌っています。

Source: Kevin Bathman
歌うことになによりも喜びを感じるという松田さんは、さくら合唱団に参加することで、それまで少なかった日本人の友達が増え、現在ではメンバーとの交流会やイベントにもよく参加されるようになったと言います。
アルバム『Sound of Christmas from Asia Pacific』はオンラインで購入することができ、売上の25%は、脆弱な立場に置かれている女性を支援するアボリジニの組織、「Mudigin-gal Women's’ s Place」に寄付されるほか、亡命者や難民をサポートする「The House of Welcome」にも25%が寄付されます。

Source: Kumi Matsuda
アルバムについて松田さんは「日本語を懐かしんでほしい」と話しています。
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