Key Points
- 対面で相談できるサポートや、政府の支援制度など、キャリアチェンジを後押しする仕組みが整っています。
- 移民は多様なスキルを職場にもたらす一方で、職種によっては追加の研修や現地での経験が求められることもあります。
- 現在の労働市場では、AIに関するスキルの重要性が高まっています。
新しいキャリアに踏み出すことは、不安やストレスを伴うものです。しかし同時に、新たなチャンスにつながる可能性もあると専門家は指摘しています。
オーストラリアで広がるキャリアチェンジ
オーストラリアでは、キャリアの見直しは珍しいことではありません。最新の統計局(ABS)のデータによると、2024年2月から2025年2月の1年間で、100万人以上が仕事を変えています。
キャリアチェンジに特化した正確なデータは限られていますが、2024年の調査では、オーストラリアの労働者の2人に1人がキャリアの変更に前向きであることが示されています。
キャリアコーチのアリス・チェン氏は、「キャリアチェンジは今や当たり前になりつつある」と話しています。

年齢や経験に壁はある?キャリアチェンジの可能性
新しい仕事への挑戦は、スキルを積み始めたばかりの20代の方が向いているように思えるかもしれません。
しかし、チェン氏は、どの年代でもキャリアチェンジは可能だと話します。
「40代になると、自分が何を求めているのか、何が負担で何が原動力になるのかがより明確になります。50代では、これまでの仕事を続けるのか、それともこれからの10年、15年を違う形で過ごすのかを考えるタイミングになります。」
また、オーストラリアに来たばかりの移民の場合、職種によっては現地での経験が求められることもあります。
ただし、まったく新しい分野に進む場合を除き、これまでの経験やスキルの中には活かせるものも多くあります。有給・無給を問わず、自分が積み重ねてきた経験を見直すことが重要です。
「自分の強みは何か、現地の応募者と比べて何が提供できるのかを考え、それを履歴書でしっかり伝えましょう。面接でも自信を持って臨み、不採用を恐れすぎないことが大切です。」
また、アクセントに不安を感じる場合でも、新しい道に踏み出すことに集中してほしいと、チェン氏はアドバイスしています。
英語を第二言語とする多くの人をこれまで指導してきましたが、英語が壁だと思い込んでいるケースがほとんどで、実際には気持ちの問題であることが多いです。Alice Cheng
現在のオーストラリアでは、多くの人が何らかのアクセントを持っているとチェン氏はいいます。

オーストラリアでキャリアチェンジの情報を得るには
スキルの再習得(リスキリング)や職業教育、地域ごとの雇用動向に関する情報や支援は、各州・テリトリーの政府専用ウェブサイトで確認することができます。
また、政府の求人サイトworkforceaustralia.gov.au では、「 Job Switch tool 」ツールを使って、自分のスキルや資格に合った仕事の選択肢を探すことができます。
45歳以上の人は、「Career Transition Assistance program」プログラムも利用できます。
ビクトリア州や西オーストラリア州などでは、キャリア相談や職業訓練、就職支援を無料で受けられるワンストップセンターも設置されています。
ビクトリア州技能庁(VSA)のクレイグ・ロバートソンCEOによると、州内各地のTAFEキャンパスで「Skills and Jobsセンター」が運営されています。
「一般の人も利用でき、地域に根ざしているため、その地域の雇用状況をよく理解しています。また、専門のアドバイザーが中立的な立場でキャリアの助言を行っています。」
さらに、オーストラリアの労働市場について調べたい場合は、 yourcareer.gov.auのオンラインツールの活用も勧めています。
「キャリアチェンジを考えている分野についてさまざまな質問を入力すると、必要な情報を得ることができます。」
このツールでは、例えば次のような情報を確認できます:
・その仕事の将来性
・賃金の目安
・就職に有利となるコースや資格

オーストラリアの労働市場 今とこれからのトレンドは?
オーストラリアの労働市場で競争力を高めるためには、スキルアップ、特にAI分野の知識や技術の習得が重要です。
クイーンズランド大学ビジネススクールのキャロライン・ナイト上級講師は、「多くの業界でAIスキルを持つ人材が求められている」と指摘します。
また、ハイブリッドワーク(出社と在宅勤務を組み合わせた働き方)も、今後も定着していくとみられています。
テクノロジーやセキュリティの進化により、在宅勤務がしやすい環境へと働き方の文化が変化しています。Dr Caroline Knight
フロントラインで働く職種は例外ですが、多くの業界では在宅勤務が可能な仕事もあるとナイト氏は指摘します。

キャリアを離れるべきタイミングは?
キャリアチェンジの理由は、新しい挑戦を求めることだけではありません。職場環境の悪化や人間関係、燃え尽き症候群(バーンアウト)などから離れるために決断する人もいます。
ナイト氏は、「今がそのタイミングかどうかは、自分自身で判断する必要がある」と話します。
まずは上司と話し合い、抱えている問題を共有することが有効な場合もあります。
「本来は続けたかった仕事でも、バーンアウトによって続けられなくなってしまうのは残念なことです。しかし、その仕事が自分に合っていないと感じるのであれば、キャリアを変えるのは前向きな選択です。」
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