ペットの健康と幸せを保つためには、定期的に獣医の診察を受けることが大切です。オーストラリアの動物病院では、健康診断や予防接種のほか、ペットの健康管理に関するさまざまなアドバイスを受けることができます。
Key Points
- 定期的に獣医の診察を受けることで、病気の予防や早期発見につながります。
- 夜間や休日など、通常の診療時間外に緊急の治療が必要になった場合は、救急動物病院を利用できます。
- ペットの飼い主は、診察費や治療費を含むペットに関する費用を負担する責任があります。
ペットに定期検診が必要な理由
オーストラリアでは、家庭のおよそ4軒に3軒がペットを飼っており、多くの人にとってペットは大切な家族の一員です。ベラ・シトさんが飼う13歳のラブラドール犬、チョッキーもその一匹です。
「チョッキーは100%家族の一員です。家族みたいな存在ではなく、本当に家族なんです。」
責任ある飼い主であるためには、大切な家族の一員であるペットを定期的に地元の動物病院に連れて行き、健康診断を受けさせることが重要です。獣医による定期的なチェックは、ペットの健康維持や病気の早期発見につながります。

ペットは体調が悪くても、その不調を隠すのが得意だと獣医のダイアナ・バーカー医師は言います。
「定期健診を受けることで、飼い主では気付きにくい小さな変化を獣医が見つけることができますし、ペットの予防ケアについて相談する良い機会にもなります。」
予防ケアには、予防接種や寄生虫対策、歯のケアなど、病気を未然に防ぐための取り組みのほか、病気の兆候を早期に発見するための検査も含まれます。
また、かかりつけの獣医と定期的に関わることで、動物病院に対するペットの不安やストレスを和らげることにもつながります。
「具合が悪くなったときだけ病院に行くのではなく、普段から通っていることで、ペットも獣医や診察環境に慣れやすくなります。」
診察前の準備
ペットの様子で気になっていたことも、いざ診察となると聞き忘れてしまうことは少なくありません。
そう話すのはライアン・オン医師です。
「行動や食欲、飲水量の変化など気になることがあれば、事前にメモしておくとよいでしょう。また、ペットが服用している薬があれば、その内容も伝えられるようにしておくことが大切です。」
予約を取る際には、受診の理由を伝え、ペットに特別な配慮が必要な場合はあらかじめ獣医に知らせておきましょう。
「ペットを車に乗せたり降ろしたりする際に手助けが必要な場合や、待合室で少し広いスペースが必要な場合など、事前に伝えておけば病院側が対応してくれます。ペットができるだけ安心して診察を受けられるようサポートしてもらえるのです。」(シトさん)
ペットの種類によっては、慣れない環境でのストレスを軽減する工夫ができると、バーカー医師は説明します。
「猫を飼っている場合は、比較的静かな時間帯に予約を入れるのがおすすめです。待合室に犬がたくさんいると、猫は不安やストレスを感じやすいからです。」
動物病院ではどのような診察が行われる?
動物病院に到着したら、まず受付で来院したことを伝えます。
「動物病院で働く人たちはみんな動物が大好きです。ペットを優しくなでたり、どのように接すると落ち着くのか飼い主から話を聞いたりしながら対応してくれます。また、犬の場合は体重測定のために体重計に乗せるよう求められることがあります。猫は診察室で体重を測ることが一般的です。」
診察室では、獣医が飼い主に質問をしながら、ペットの身体検査を行います。
「目や耳、歯、被毛、関節の状態を確認するほか、体温を測り、聴診器で心臓や肺の音を聞きます。また、お腹を触って、異常がないかも調べます。」
診察は、ペットの健康について気になっていることを相談する良い機会でもあります。必要に応じて、獣医から治療方法について説明を受けたり、追加の検査や薬による治療を提案されたりすることもあります。
診察後は、処方された薬を受付で受け取り、診療費の支払いを行います。

ペットの緊急事態にはどう対応すればよい?
ペットが突然体調を崩したりケガをしたりした場合に備え、多くの地域には専門的な設備を備えた救急動物病院があります。
オン医師によると、緊急受診が必要となるケースには、事故やケガのほか、激しい嘔吐や下痢、呼吸困難、発作、倒れてしまった場合、また有害なものを口にした疑いがある場合などがあります。
オーストラリアではヘビにかまれた場合も緊急性が高いケースとして扱います。Dr Ryan Ong
「救急動物病院には専門的な設備が整っているだけでなく、救急医療や集中治療の訓練を受けた獣医師や動物看護師が常駐しています。」
ペットの容体に不安がある場合は、まず救急動物病院に電話で相談することをオン医師は勧めています。
事前に連絡することで、病院側が受け入れの準備を進められるほか、ペットを安全に搬送する方法についてもアドバイスを受けることができます。
「一般的に、猫や小動物は必ずキャリーケースに入れて運びましょう。キャリーケースの上に薄い布をかけると、落ち着かせる効果があります。犬の場合は、自力で歩けなかったり、事故や骨折などで移動が難しかったりする場合、毛布をストレッチャー代わりに使うことができます。」

「最も重症の動物から優先的に診察を受けるため、必ずしも来院した順番に診てもらえるわけではありません。」(オン医師)
「また、獣医療チームが緊急の処置が必要だと判断した場合は、飼い主の同意を得たうえで、ペットをすぐに処置室へ移動させることがあります。」
ペットと離れることに不安を感じる飼い主も少なくありませんが、これはペットの状態を安定させ、必要に応じて痛みを和らげるための対応です。
獣医は、必要な検査や治療の内容に加え、予想される費用についても説明します。
費用は誰が負担する?
ペットにかかる費用は、診察費や治療費を含め、基本的に飼い主が負担します。
バーカー医師は、予期せぬ出費に備えておくことが大切だと話します。
ペットを飼うということは、思いがけないトラブルが起こる可能性もあるということです。いざというときの費用をどう負担するのか、家族であらかじめ話し合っておくことをお勧めします。Dr Diana Barker
治療にかけられる予算に限りがある場合は、そのことを獣医療スタッフに率直かつ丁寧に伝えることも重要です。
「獣医療チームはペットのことをとても大切に考えています。飼い主と敬意を持ってコミュニケーションを取ることで、ペットにとって最善の選択肢を一緒に考えることができます。」
また、診療費の負担を軽減する方法として、ペット保険に加入するという選択肢もあります。ペット保険は、予想外の病気やケガに直面した際の経済的負担だけでなく、治療方針を決める際の精神的な負担を和らげる助けにもなります。





