オーストラリアでは、18歳未満の子どもであっても、一定の条件のもとで有償の仕事に就くことができます。また、一般の労働者と同様に、若い労働者にも雇用上の権利が保障されています。今回は、職場でお子さんが公平に扱われ、最初のアルバイトでポジティブな経験を得るために、保護者が知っておきたいポイントをお伝えします。
Key Points
- オーストラリアには、全国一律の就業の最低年齢はありません。
- 子どもの雇用に関する法律では、従事できる仕事の種類や労働時間に制限が設けられています。
- 保護者は子どもが給与明細を受け取っているかを確認するとともに、本人にも勤務時間などの記録を残すよう勧めましょう。
- 子どもが職場で問題を抱えた場合、保護者はフェアワーク・オンブズマンに相談したり、法律相談を受けたりすることで、問題の解決を支援できます。
- オーストラリアでは何歳から働けるの?
- 子供は学校の授業時間中に働ける?
- 子どもが従事できない仕事とは?
- エンターテインメントや広告の仕事に就く子どもには、どのような規則が適用されるの?
- 子どもが正しい賃金を受け取っていない場合は?
- 子どもが職場での問題を解決できるよう、どのように支援できますか?
オーストラリアでは何歳から働けるの?
働き始めることができる年齢は、州や準州によって異なります。
子どもに適用されるルールを確認するには、フェアワーク・オンブズマンの若い労働者向けウェブページを参照してください。
お住まいの州や準州における就業の最低年齢について説明した専用のページがあります。

子どもは学校の授業時間中に働ける?
一般的に、義務教育年齢の子どもを、通常の授業時間中に雇用することはできません。オーストラリアでは、仕事が学校の妨げにならないよう、子どもが働ける時間帯や曜日に制限が設けられています。
居住する州または準州の義務教育年齢については、それぞれの教育省・教育局に確認することをお勧めします。
一方で、子どもや若者に無料で秘密厳守の法律相談を提供する全国的な法律サービス、Youth Law Australia のシニア・ソリシターのアナスタシア・コロネオさんは、ホームスクーリングなど一部に例外があると話します。
「ホームスクーリングをしている子どもが通常の授業時間中に働けるかどうかは、その州または準州で受けているホームスクーリングの承認内容によって異なります」
コロネオさんは深夜の勤務についても、地域によっては例外があると、次のように話します。
「例えば、16歳の子どもがファストフード店で、日によっては午前2時まで働いていることを心配する保護者から相談を受けることがあります。しかし、ニューサウスウェールズ州では、15歳以上であれば、これを禁止する規定はありません」
子どもが従事できない仕事には何がありますか?
子どもが従事することのできない作業もありますが、例外が適用される場合もあると、西オーストラリア州のエディス・コーワン大学で雇用と産業を専門とするケリー・ブラウン教授は話します。
子どもに認められるのは軽作業に限られるため、一例を挙げると、建設業で働くことはできませんケリー・ブラウン教授
また、全国的な規制では、一般的に18歳未満の労働者は、たばこやアルコールを販売することはできないとしています。
ただし、一部の州のケータリング業界では、18歳未満でもアルコールを提供できる例外があると、ブラウン教授は指摘します。

エンターテインメントや広告の仕事に就く子どもには、どのような規則が適用されるの?
パフォーマーや俳優、モデルは、年齢にかかわらず働くことができます。ただし、雇い主には厳格なライセンス要件や業界独自の規則が設けられています。
ブラウン教授によると、エンターテインメント業界で働く子どもの保護者の多くは、雇用主が子どもの仕事内容について詳しい情報を提供することを法律で義務付けられていると知りません。
ブラウン教授は「舞台や映画、写真撮影の仕事で、子どもが何を見聞きし、何をすることになるのか、保護者には事前に確認する権利があります」と述べています。
子どもが正しい賃金を受け取っていない場合は?
10代の労働者は、賃金の未払いの被害に遭いやすい傾向があります。
保護者がまずできることは、子どもの年齢と適用されるアワードに基づいた最低賃金が支払われているかを確認することです。
「アワードには、時間当たりの賃金のほか、週末勤務や残業に対する割増賃金が明確に定められています」と、フェアワーク・オンブズマンのメディア・ディレクター、マシュー・ラガットさんは話します。
また、ラガットさんは職場での準備時間も労働時間に含まれると強調します。
勤務開始が午前10時でも、準備や開店作業のために午前9時45分に来るよう上司から言われた場合、その時間についても賃金が支払われなければなりませんフェアワーク・オンブズマンのメディア・ディレクター、マシュー・ラガット
研修や試用勤務を含め、働いたすべての時間に賃金が支払われているかについても確認する必要があります。
「無給の試用勤務が合法となる場合もありますが、認められるのは短時間に限られ、およそ1時間から長くても1回のシフト程度です」
雇用主には、賃金を支払うたびに給与明細を発行する義務がありますが、子ども自身も記録を残しておくことが重要です。
「記録がなければ、賃金の未払いなど、職場での問題に関する懸念に対応することが難しくなる場合があります」と、ラガットさんは説明します。
フェアワーク・オンブズマンのアプリ「Record My Hours」など、勤務記録を残すためのツールを利用することもできます。
また、雇用主は一般的に、18歳以上の従業員に対してスーパーアニュエーションを拠出する必要があります。18歳未満の従業員は、週に30時間を超えて働く場合に限り、スーパーアニュエーションを受け取る権利があります。
子どもが職場での問題を解決できるよう、どのように支援できますか?
子どもが自分では解決できない職場の問題に直面している場合、フェアワーク・オンブズマンに相談することができます。
同機関は、オーストラリアの労働監督機関として、賃金や一般的な雇用条件に関する労働法を執行することができます。
「義務を果たしていない雇用主に罰金を科すことができます。さらに深刻な違法行為に発展した場合には、裁判所での手続きを取ることもできます」と、ラガットさんは話します。
また、いじめやハラスメントなど、フェアワーク・オンブズマンが対応できない職場の問題については、法律相談を受けることも検討できます。
法律上の規定について助言が必要な場合、ユース・ロー・オーストラリアに相談することもできます。
ユース・ロー・オーストラリアのアナスタシア・コロネオさんは、子どもが自分で問題を解決できるよう、保護者が支援することが重要だとしています。
「私たちは保護者に対し、子どもが自分の権利と責任を理解できるよう支援し、その上で、問題を自分で解決するための具体的な助言をするよう勧めています」





