オーストラリアは広大で、さまざまな魅力にあふれた国です。しかし、地方や遠隔地を車で移動する際には、都市部ではあまり経験しないようなことに直面することがあります。事前に特徴や注意点を知り、しっかりと準備をしておくことで、より安全で安心な旅につながります。
Key Points
- 出発前に、車両が安全に走行できる状態であることを確認し、適切な安全装備や必要な備品を準備しましょう。
- 道路状況や天候は急変することがあります。出発前だけでなく移動中も最新の公式情報を確認し、冠水した道路には絶対に進入しないでください。
- その時々の道路状況に合わせて安全運転を心がけ、こまめに休憩を取りましょう。追い越しは、安全かつ法律で認められている場合にのみ行いましょう。
ロードトリップの準備
オーストラリアの地方や遠隔地へロードトリップに出かける際は、事前の準備が欠かせません。
出発前には最新の道路状況や天気予報を確認し、車両が適切に整備されていることを確認しましょう。西オーストラリア州自動車クラブ(RAC WA)のリース・ヘロンさんは、次のように話します。
「出発前にタイヤ、ライト、ブレーキを点検してください。適切に整備された車両は、安全な運転に欠かせません。また、トレーラーやキャラバンをけん引する場合は、それらのタイヤも確認し、重量のバランスが適切に保たれていることを確かめてください。」
また、過去に同じルートを走ったことがある場合でも油断は禁物だといいます。
「以前に訪れたことがあっても、その後に道路状況が変わっている可能性があります。長時間の運転で疲れた末に、慣れない場所で道に迷ってしまうのは避けたいものです。それでは、せっかくの旅のスタートとしては理想的とは言えません。」

クイーンズランド州運輸・幹線道路局のカイリー・ピーターセンさんは、旅の内容に応じた装備を準備することも重要だと話します。
「地方や遠隔地へ向かう際は、十分な食料や水、救急用品、予備燃料、車両の救出用装備を用意してください。また、未舗装道路を走行する場合は、少なくともスペアタイヤを2本を準備しましょう。」
「オーストラリアの地方や遠隔地は非常に広大です。携帯電話の通信網は徐々に整備が進んでいますが、衛星電話や緊急位置指示無線標識を持参できるのであれば理想的です。ただし、それらを正しく使えるようにしておくことも大切です。」
また、出発前には行き先や予定ルート、到着予定時刻を家族や知人などに伝えておきましょう。
家族や親せきに、自分が何をするのか、どこへ行くのか、また、きょうどこからどこまで移動し、どのくらい時間がかかる予定なのかを伝えておきましょう。Kylee Petersen
「また、遠隔地の未舗装路などを利用する場合は、ローカルカウンシルや警察に予定を知らせておくことも検討してください。万が一の事態が発生した際に、捜索を始める手がかりになります。」
地方や遠隔地の道路を安全に運転するには?
オーストラリアの地方や遠隔地の道路は、場所によって状況が大きく異なります。また、町や給油所、その他のサービス施設の間隔が長いことも少なくありません。道中では野生動物や放牧中の家畜に遭遇するほか、天候が急変することもあります。
冠水した道路を走行してはいけません。また、洪水のため通行止めとなっている道路には絶対に立ち入らないでください。
安全運転を最優先に考えましょう。速度を控えめにし、こまめに休憩を取ることが大切です。また、可能であれば運転を交代し、運転による疲労をためないようにしましょう。夜間の運転はできるだけ避けることも重要です。Rhys Heron
長距離運転では、疲労が大きなリスクとなります。政府の交通安全ガイドラインでは、少なくとも2時間ごとに休憩を取ることが推奨されています。
「緊急時などで車を停める必要がある場合は、できるだけ広い路肩や待避所、休憩所を選んでください。ただし、そのような場所が近くにないこともあります。その場合は、見通しの良い直線道路上で、安全に停車できる場所を選びましょう。カーブ付近は避け、ハザードランプを点灯させてください。」
また、日中でもロービームを点灯すると、ほかの道路利用者から車両が見えやすくなります。夜間は、必要に応じてハイビームをロービームに切り替えることを忘れないようにしましょう。対向車に近づくときなどは特に注意が必要です。
追い越しは、法律で認められている場所で、安全を十分に確認したうえで行いましょう。
また、オーストラリアの地方部では、「ロードトレイン」と呼ばれる大型車両を見かけることがあります。ロードトレインとは、トラックが2台以上のトレーラーを連結して走行する車両です。
西オーストラリア州家畜・地方輸送協会の会長、ベン・サザーランドさんは、ロードトレインの追い越しには十分な注意と技術が必要だと話します。
「まずはトラックの後方で十分な車間距離を保ってください。追い越す際は、安全が確認できることが大前提です。そのためには少なくとも1キロほどの追い越し区間が必要で、前方もおよそ2キロ先まで見通せることが望ましいでしょう。」
「また、ロードトレインに追い越される場合は、少し速度を落として、安全に追い越せるようにしましょう。」
一方、RAC WAのリース・ヘロンさんは、特にキャラバンやトレーラーをけん引している場合、ロードトレインの追い越しは大きな危険を伴うと指摘します。
「トラックの最高速度は時速100キロに制限されています。そのため、大型のロードトレインを追い越すには相当な時間がかかり、30秒ほどかかることもあります。30秒もの間、対向車線を走り続けるのは非常に危険です。無理に追い越そうとせず、追い越し車線が現れるのを待つのが最善の方法です。」
道路や天候の情報を確認するには?
移動中に道路状況が変わることもあるため、通行止めや気象警報などの最新情報をこまめに確認しましょう。また、ナビアプリだけに頼らないことも大切だと、ピーターセンさんは話します。
「紙の地図やオフラインで利用できるナビゲーションを予備として用意しておきましょう。アプリには最新の道路状況が反映されていないことがあります。また、地方や遠隔地へ行くほど携帯電話の電波が届きにくくなり、情報の更新も遅れる場合があります。」
また、現地の情報源も、道路状況や天候を把握するうえで役立ちます。
山火事シーズンには、火災の危険度を示すFire Danger Ratingを必ず確認しましょう。また、その他の緊急事態に関する最新情報を得るため、地元のラジオ局のニュースや緊急情報にも耳を傾けてください。Rhys Heron
移動する州やテリトリーの公式道路情報を確認することも重要です。
また、気象庁(Bureau of Meteorology)の天気予報や警報に加え、通行予定地域の公式な災害・緊急情報も確認しておきましょう。

道路や休憩エリアを安全に利用するには?
安全な旅のためには、道路上だけでなく、立ち寄る場所でも周囲への配慮を忘れないことが大切です。
「旅の途中で出たごみは必ずごみ箱に捨てましょう。ごみ箱がない場合は、自分で持ち帰ってください。また、公衆トイレを利用した際は、きれいに使うよう心掛けてください。」
また、一部の休憩所や駐車スペースは、大型車両専用として設けられています。大型車の運転手には法律で定められた休憩時間があるため、こうしたスペースは必要とする車両のために空けておきましょう。
オーストラリアには素晴らしい景観や魅力的な観光地が数多くあります。ピーターセンさんは、焦らず周囲に配慮しながら運転することが、すべての道路利用者にとって快適な環境につながると話します。
「運転中にいら立つと、判断を誤る原因になります。道路状況に合わせて運転し、焦らず、周囲に注意を払いながら、道路やほかのドライバーを尊重してください。」





