2020年3月に国境を閉鎖してから1年と9ヵ月。12月15日からいよいよ留学生や熟練労働者などのビザ保持者、さらには日本国籍者、韓国国籍者への国境が再開されました。
厳格な規制と即座のロックダウンにより、他国と比べると感染者数や死者数を抑え込むことができたオーストラリアですが、新規留学生の来豪が途絶えたことにより、多くの民間学校が閉鎖や合併をよぎなくされたと、シドニー在住の留学アドバイザー、岡知里さんは言います。
その一方で、大学に付属した学校や現地校など、母体がしっかりとした学校は「生き残れた」と述べ、現地の学校からはら来年2月からの受け入れ準備が整ったとの連絡があるそうです。
「英語教育を提供したい」という政府の姿勢は変わっておらず、継続できるようにサポートをしているため、「自信を持って留学をできるのではないか」と話します。
国境閉鎖により、母国に帰省中であった留学生が戻ることができなくなったり、オーストラリア市民や永住権保持者に提供された手厚い支援を受けることができず、資金面に苦しんだ留学生、やむおえず帰国した留学生も多くいます。このような状況を、留学を希望していた日本の方々はどのように受けて止めていたのでしょうか。

Study abroad advisor and Sydney resident, Chiasto Oka (far left) Source: Chisato Oka
千葉県千葉市で幼稚園生から大人を対象とした英会話教室、Kids English Clubを経営する鹿住尚子さんが、生徒の保護者に対してアンケートを行ったところ、25%が「以前よりも印象がよくなった」、75%が「印象は変わらない」と回答しており、パンデミックにおける厳格な体制により「オーストラリアは安全な国」という認識がさらに高まったと話します。
コロナパンデミックの中、留学先で経験できるような自然な英語環境を提供したいと、千葉県千葉市に英語を主のコミュにエーションとするGrow Tree English Caféをオープンした古川茂男さん。パンデミックで海外に出られなくなったことにより、人々の目は外に向けられていると語ります。

”Australia is now perceived as a safer country" says Naoko Kazumi, co-ordinator of Kids English Club, Japan. Source: Naoko Kazumi
オーストラリア留学を望んでいる生徒もおり、「行きたい、というモチベーションを保って英語を勉強している」と話します。
「英語の壁を取っぱらいたい」という思いでカフェを始めた古川さんは、アメリカとオーストラリアでの留学経験を持ち、「英語はコミュニケーション」であること、そして重要なのは、「自分が伝えたいことを伝える」ということであると自身の経験を通じて痛感したと言います。そのような「コニュニケーションの場」を提供するのがGrow Tree English Caféです。
英語教師としてカフェで活動するウズベキスタン出身のカミール・タフキドフさんは日本に移住して15年になりますが、日本における英語の需要はこれまで以上に高まっていると言います。しかし、日本人は控え目で、オープンに、自由に英語を経験しないとも指摘しています。

Grow Tree English Cafe, Chiba Japan, provides an all English environment to learn the language Source: Shigeo Furukawa
「私たちはよりオープンに学ぶこと、間違ってもよい、間違いは学びの過程であること、そして人の目を気にせず学ぶということを勧めています」
オンラインプラットフォームで新たな留学の形

English teacher Kamil Tavkhidov says, many of the students tend to hold back, and do not experience English freely and openly Source: Shigeo Furukawa
パンデミックをきっかけに、かつてより活用されるようになったオンラインプラットフォーム。岡さんもこの機会に、ズームでKids English Clubの子供とオーストラリアの子供を繋ぐイベントなども開催してきました。
オーストラリアの子供がスーパーに行く様子をライブ中継し、日本の子供たちは「これはなに?どういった味がするの?」などと、身近なオーストラリアを知ることができたとし、パンデミックが落ち着いたらオーストラリアに行きたいという生徒が増えるのではないかと、鹿住さんも期待を寄せています。
パンデミック前はオンライン交流を考えたことがなかったと話す鹿住さん。パンデミックにより、通常は「お金がかかる印象」である留学が「より身近なものになった」、幼い子供たちにとっては「コロナのきっかけで広がった」と説明します。
「形を変えてでも学べるという状況は今後も続くと思います」と岡さんも語ります。
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15日の国境再開で希望が戻った留学生に学費の値上げが直撃
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