Key Points
- 「クロージング・ザ・ギャップ」は、2008年に始まった、アボリジナルとトレス海峡諸島民との健康・平均寿命格差是正のための取り組みです。
- 2020年に、この戦略は再構築され、決定プロセスはアボリジナルとトレス海峡諸島民とともに行われるようになりました。
- 進捗状況は、5項目では進展している一方、収監人数や自殺率など悪化している項目もあります。
- 現在、目標に向かって進展しているのは19項目のうち5項目のみです。
初期のころ:平等を求める声
すべては2005年に始まりました。先住民の長老で、オーストラリア勲章受章者のトム・カルマ教授が画期的な社会正義報告書を発表しました。
それによると、アボリジナルとトレス海峡諸島民の健康面での平等を1世代、25年以内に実現することを求めました。
「これは、私達がどのように助け合うことができるかについてです。」元オリンピック選手の キャシー・フリーマンは、「クロージング・ザ・ギャップ」キャンペーンの開会式でこのように話しました。

最初の「クロージング・ザ・ギャップ」戦略の策定
そして2008年、当時のケビン・ラッド首相が、「クロージング・ザ・ギャップ」戦略を公式のものと定めました。同年、首相は「盗まれた世代(Stolen Generations)」に対し国としての謝罪を行いました。
当初の「クロージング・ザ・ギャップ」戦略は、平均寿命、児童死亡率、教育、雇用などの7つのエリアに焦点を絞っていました。その時点では、10年の間に目に見える状況向上を期待していました。
そしてその年以来、その時点での首相が、進捗状況を概説した報告書を提出してきました。
2019年、当時のスコット・モリソン首相は最初の戦略が始まってからの12年を振り返りました。
「『クロージング・ザ・ギャップ』のスピーチを聞いてきました。それは希望、挫折、そして失望の物語であり、同時に善意と誠意の物語です。悲しいことに、結果は十分ではありません。私たちは根深い考え方を続けてきました…そしてこれからは、このプロセスを先住民と共に実行します。まさにそれこそが変化をもたらします。」

最初の戦略が始まってから10年以上たっていました。当時、この戦略がうまく機能していなかったことは明らかです。元の目標の中から、たった2つの項目しか軌道に乗っていませんでした。当時、平均寿命格差は再び広がってきていました。
「クロージング・ザ・ギャップ」戦略のターニング・ポイント
戦略を変えるべき時でした。名前も「クロージング・ザ・ギャップへの国家合意」(National Agreement on Closing the Gap)と変更されました。そして、焦点も政府主導から、先住民コミュニティとの真のパートナーシップによるものとなりました。
このグループは、ピークス連合(Coallition of Peaks)と呼ばれる、80以上のアボリジナルとトレス海峡諸島民コミュニティ主導の組織となりました。この組織により、新しいアプローチが共同で設計されます。
アイデアはシンプルです。ポリシーはそれぞれのコミュニティで作られるべきではなく、この組織で作られるべきだということです。
新しい同意項目は、2031年までに達成する19の目標を定めています。
- 子どもたちは健康で丈夫に生まれること
- 学生は学習能力を最大限に発揮できること
- 刑事司法制度に巻き込まれる若者の数を減少すること
ただ健康というだけではなく、住宅、司法制度、文化、経済活動への参加など、もっと広い、全体的なアプローチです。

現在の進捗はどのようになっているでしょうか?
トム・カルマの呼びかけ以来、ほぼ一世代の時間が経とうとしています。当時、先住民と非先住民オーストラリア人の平均寿命の差は11年でした。そして今はおよそ8年です。しかし憂慮すべきことに、悪い傾向にすすみつつあります。
最新の生産性委員会報告書によると、一定の進展が見られ、19の目標のうち11項目で改善が見られました。しかし、現在順調に進んでいるのはわずか5項目です。
いくつかの明るい兆しもあります。より多い新生児が健康な体重で生まれており、より多い子どもたちが、Year12または同様の資格を取得しています。
また、エリアによっては、自殺率や収監される成人の数が減少しています。
グダンジ・アレンテの女性であり、ピーク連合の議長を務めるパット・ターナーは次のように話しています。
「私達は、続けて行く必要があります。『クロージング・ザ・ギャップ』は統計を超えたものです。実際の命であり、強い家族のためであり、明るい未来のためです。そして、子供たちが健康で誇りを持ち、自分たちの文化とつながりを持って成長することを保証することなのです。」
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