オーストラリアにおける釣りの法律とルール

Australia Explained - Fishing

It's estimated that one in five adults participate in recreational fishing every year. Source: Moment RF / Belinda Howell/Getty Images

オーストラリアで釣りを行う際は、ライセンス制度や禁漁期間、サイズ制限、使用可能な道具、保護対象種など、各地域で定められた規則を理解しておく必要があります。


Key Points
  • オーストラリアでは、州やテリトリーごとにレクリエーショナル・フィッシング(遊漁)に関する法律が異なり、それぞれのルールはオンラインで確認できるほか、公式アプリでも閲覧できます。
  • 違反には重い罰則が科される場合があり、安全規則を守らないことは重大な事故につながるおそれもあります。
  • 釣りはオーストラリアの文化に根付いており、釣り人には資源を大切にし、共有の場所を丁寧に使うことが求められています。

レクリエーショナル・フィッシング(遊漁)は、オーストラリアで最も人気のある娯楽のひとつであり、この数十年で人気が高まったアウトドア・アクティビティのひとつです。

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Nin gadanaya xadhigga kalluumaysiga Credit: aywan88/Getty Images

オーストラリアで釣りはどれだけ人気?

オーストラリア政府が2023年に発表した大規模調査によると、毎年およそ420万人の成人が釣りを楽しんでいることが分かりました。

このような全国調査は、オーストラリアでは過去に2回しか実施されていないと、調査を率いた、漁業科学者のアンディ・ムーア氏は話します。

「2001年と今回の調査を比較すると、釣りをする人の割合は全体の約20%、つまり5人に1人と、人口は増加しているものの変わらなかったんです。」

ムーア氏はまた、釣りを楽しむ人々の人口構成にも変化が見られると指摘します。

文化的・言語的に多様な背景を持つ(CALD=Culturally and Linguistically Diverse)コミュニティからの参加者が増えているとし、多くの人にとって、釣りは世代を超えて受け継がれてきた伝統でもあると説明します。

「多くの場合、釣りは伝統的なもので、何世代にもわたって釣りを楽しんできた家庭も少なくありません。そうした人たちはオーストラリアに来ても、そのまま釣りを続けるんです。」(ムーア氏)

さらに、調査から明らかになったのは「釣りをする人の多くが、子どものころに家族などから釣りを教わっている」ということです。

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Some rock fishing sites alert the public to the dangers and enforce safety measures. Source: Moment RF / Simon McGill/Getty Images

州・テリトリーごとに異なる釣りのルール

ニューサウスウェールズ州レクリエーショナル・フィッシング連盟の会長であるスタン・コンスタンタラス氏によると、オーストラリアでは州やテリトリーごとに釣りに関する法律や規則が異なるといいます。

各地域の主な規定には、次のようなものがあります。

  • 持ち帰ることができる魚の数やサイズの制限
  • 保護対象となっている魚種に関するルール
  • 使用できる釣り具の種類 
  • 一人あたりに認められる竿や針の数
  • 使用が禁止されている餌

各州・テリトリーで特に保護対象とされている魚を、許可された数を超えて持ち帰るなどの重大な違反には、高額な罰金や懲役刑が科される場合もあります。

各州・テリトリーにおける釣りの規則はオンラインで無料で閲覧でき、多くの場合、多言語対応の公式アプリも提供されています。

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Penalties for severe fishing offences include fines or even imprisonment. Credit: SteveLuker/Getty Images

公式サイトは以下から。

コンスタンタラス氏によると、釣具店も、ローカルならではの情報を提供していると話します。

「英語が第一言語でなくても、釣具店ではみんなお客さんとして歓迎されます。」

店員さんはいつも親切で話しやすく、とても良い情報源なんです。多くのスタッフは自分自身も釣り人なので、経験に基づいたアドバイスをしてくれます。
Stan Konstantaras

オーストラリアで釣りにライセンスは必要?

釣りのライセンスは、すべての州やテリトリーで義務づけられているわけではありません。南オーストラリア州、クイーンズランド州、ノーザンテリトリーでは免除されていますが、それ以外の州では必要で、ライセンスは手頃な料金で簡単に取得できます。

ライセンスを取得する際には必ず政府の公式ウェブサイトを利用しましょう。第三者のサイトでは、実際の料金の最大3倍を請求される場合があると、ビクトリア州漁業局のトラヴィス・ダウリング局長は警告しています。

「釣りのライセンスをネットで検索すると、さまざまなサイトが出てきますが、それらの多くは第三者によるもので、海外企業が運営している場合もあります。」

「ライセンス自体は取得できますが、本来の料金の3倍を支払うことになるでしょう。政府の公式サイトのように見せかけた詐欺まがいのサイトもあるので注意が必要です。」

釣り道具が現地の規則に守っているかどうかを確認することも、全国共通の基本ルールです。

「たとえば、ネット上である種類の網を見かけたとしても、購入できるということはビクトリア州で使用してよいという意味ではありません。」(ダウリング氏)

ファースト・ネーションズの釣りの権利は?

ファースト・ネーションズに認められた釣りの権利は、州やテリトリーによって異なります。文化的に重要な地域で釣りをする際は、必ず現地の規定を確認し、伝統的な権利を尊重しましょう。

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Learn how First Nations rights to fish are recognised in your state’s fisheries laws. Credit: Rafael Ben-Ari/Getty Images

釣りに伴う危険とは?

釣りを楽しむ際は、ルールを守ることに加えて安全にも注意することが大切です。特に「ロックフィッシング(岩場での釣り)」は、オーストラリアでもっとも危険な釣りの一つとされています。2004年から2024年の間に、ロックフィッシング中に241人が溺死しており、そのうち半数以上はアジア出身の人たちでした。

過去20年間、ニューサウスウェールズ州のレクリエーション・フィッシング・アライアンスは、水難事故の統計で多くを占める移民コミュニティを対象に、安全啓発キャンペーンを行ってきました。

ロイヤル・ライフセービング協会の全国報告書によると、犠牲者のうち56%がアジア出身者だったといいます。

「釣りを始めたばかりの人は、危険を知らないまま岩場に降りて釣りを始めてしまうことがあります。」(コンスタンタラス氏)

ライフジャケットの着用は非常に重要で、命を守ることにつながりますが、現場を見て「危険」と感じたら、その場所で釣りをしないことが、最も大切なルールであるとコンスタンタラス氏は話します。

初心者にとって一番大切なのは、「責任ある釣りとは何かを学ぶこと」とダウリングさんは呼びかけています。

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My sister holding a little fish in her hands with some other children at the Wharf in port Macquarie Source: Moment RF / Clint Mcmanus/Getty Images

責任ある釣りとは?

「責任ある釣り人」であるということは、次のような行動を心がけることです。

  • 魚を逃がすときは、手を濡らして優しく扱い、水から長時間出さないようにする
  • 他の場所で採ったエサを別のエリアに持ち込まない
  • ゴミを残さず、きれいに片づける
  • 他の人や、これから訪れる人たちのためにその場所を大切にする

「釣りに行くときは、『次にここへ来たときも、この場所がきれいで、自然が損なわれず、守られているようにしたい』と思うことが大切です。」(ダウリング氏)

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