昨年、テニス界で初めて1シーズン中に4大大会シングルス優勝とパラリンピック金メダルを獲得し、「ゴールデンスラム」を達成したパラリンピアンのディラン・オルコット選手。
障害者の「声」としても積極的に活動を行ってきたオルコット選手が1月、2022年のオーストラリアン・オブ・ザ・イヤーに選ばれました。
目に見える障害を持つ方が受賞するのはこの賞の62年の歴史上初めてでした。

2月24日、ロシアが隣国のウクライナに全面的な侵攻を開始し、以降、民間人が巻き込まれる攻撃が相次ぐようになります。
国連が3月の頭に発表した情報によると、この時点でウクライナ国外に逃れた人数は、70万人近く。またオーストラリアは3月1日に、ウクライナに対して武器の提供を含む軍事支援を行うことを発表し、これにはミサイルや銃、弾薬なども含まれており、規模は7000万豪ドルに上ったとされます。
ウクライナの首都、キーフ在住の高垣典哉さんは、ウクライナでの現状について、SBS日本語放送の取材に応じ、「ウクライナ人を残して日本へは帰られない」と、残った決断について語ってくれました。高垣さんは現在もキーフで、ボランティア活動をしなたら生活されています。

3月にはオーストラリアの東海岸を中心に洪水が発生。このとき「前例のない規模」とされた洪水が、その後も繰り返されるとは誰が思ったでしょうか。
クイーンズランド州ヌーサで味噌作りをされている寺坂雄紀さんと山村由香さんは、その被害と経験から学んだことについてSBS日本語放送に語ってくれました。

4月、スコット・モリソン首相が2022年連邦選挙の日程を発表。5月21日の選挙に向けて、スコット・モリソンとアンソニー・アルバニージーの戦いが始まりました。
パンデミックやウクライナ戦争、インフレによる厳しい生活環境などを背景に行われた今回の選挙は大変な注目を集め、早くから政権交代も囁かれました。
5月23日に首相に就任したばかりのアンソニー・アルバニージー氏は、翌日、日米豪印の枠組み「クアッド」の首脳会談のため、日本へと飛びました。
アルバニージー首相は、オーストラリアは政権が交代したものの、クアッドに対する姿勢はこれからも変わらないというコミットメントを強調し、自身のリーダーシップの下、気候変動政策により野心的なアプローチをとることを約束しました。
また岸田文雄内閣総理大臣との首脳会議も行い、モリソン前首相が署名した、日豪円滑化協定(RAA、Reciprocal Access Agreement)について、早期発効に向けて取り組むことも確認しました。

5月、オーストラリア準備銀行(RBA)が2020年11月以降初となる政策金利の引き上げを発表。その後8ヵ月連続で引き上げが発表されており、家の所有者の多くが、住宅ローンの利率の大幅な上昇に直面しています。
そして6月には物価高を背景に、7月からの最低賃金の引き上げが発表されました。引き上げ後の最低賃金は時給で21.38豪ドル、週給にすると812豪ドル。
人を雇う側も、光熱費の上昇、サプライチェーンの混乱、ガソリン価格の高騰などのコスト増に直面しており、最低賃金の大幅な引き上げがもたらすビジネスへの悪影響を懸念する声も上がりました。

7月8日、日本時間の午前11時半ごろ、奈良市で演説を行っていた安倍元総理大臣が銃で撃たれ死亡。選挙演説中に起こった事件は、誰しもが耳を疑う事件だったのではないでしょうか。
しかし、この痛ましい事件は、オーストラリアで暮らす日本人にとっては、「日豪の友好関係」を再確認できる出来事ともなりました。
安倍元首相が死亡してから2日が経った7月10日、シドニーのオペラハウスには日本の国旗が投影されたほか、オーストラリア各地のランドマークが赤と白で投影されました。

また、9月27日東京の日本武道館で行われた安倍元首相の国葬にはオーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相をはじめ、ジョン・ハワード元首相、トニー・アボット元首相、マルコム・ターンブル元首相も同行しました。
悲報が続きます。8月にはオーストラリアのポップアイコンであった、歌手のオリビア・ニュートンジョンさんが亡くなりました。73歳でした。
ニュートンジョンさんは1992年に乳がんの診断を受けて以来、30年以上にわたって闘病生活を続けたその傍ら、乳がんの啓発活動を行い、メルボルンにがん患者を支援する「オリビア・ニュートン・ジョンがんウェルネス&リサーチセンター(ONJセンター)」を設立したほか、がん治療法の研究に資金提供するオリビア・ニュートン-ジョン財団も設立。
また昨年秋には日本の音楽文化の発展及び友好親善に寄与した功績が認められ、「旭日小綬章」を受章していました。
長らく英国を象徴する存在であったエリザベス2世女王の死去は世界に衝撃を走らせました。
エリザベス2世女王は9月8日、静養先の北部スコットランドのバルモラル城で安らかに息を引き取りました。96歳でした。

ロンドンにあるウェストミンスター寺院で行われた国葬には、各国首脳や要人が2000人集まり、女王との別れを惜しみました。
また同22日はエリザベス2世女王の崩御を悼んでオーストラリアは全国的にパブリックホリデーとなり、一部の親や学校、エッセンシャルワーカー、ビジネスでは混乱が生じました。
10月、日本の岸田文雄首相が西オーストラリア州を訪問。日本の首相が来豪するのは2018年の安倍晋三首相以来、4年ぶりのことでした。
日豪首脳会談では、15年ぶりとなる新たな安全保障共同宣言を発表。
両国は2007年、当時の安倍晋三首相とジョン・ハワード首相との間で安保共同宣言に合意していましたが、新たな宣言は、中国の海洋進出を含めた、近年のインド太平洋情勢を踏まえ、防衛・安全保障協力をさらに深化させる内容となっています。
11月、大手通信会社オプタスに続き、オーストラリアの民間医療保険大手メディバンクもサイバー攻撃の標的となり、盗まれた顧客データが、ダークウェブに掲載され始めました。
データには、数百名に上る名前や住所、生年月日、メディケアの詳細などが含まれ、影響を受けたのは、現在および過去の顧客約970万人と推定されます。
相続く事件は個人情報の収集と保管に関する議論が巻き起こりました。

11月から12月にかけて開催されたFIFAサッカーワールドカップカタール大会では、史上初となる日本、オーストラリア、韓国のアジア勢がグループステージを突破。ベスト16入りを果たしました。
死の組と言われたグループEで、ドイツとスペインに勝利を上げた日本は、1位でグループリーグを突破。続いたクロアチア戦では惜しくも延長の末、PKで負けてしまいましたが、日本のサッカー界に新たな幕開けを感じる試合となりました。
決勝は史上3ヵ国目となる連覇を目指す前回王者のフランスと、36年ぶりの優勝を目指すアルゼンチンで行われ、3対3で延長戦へともつれ込むも決着がつかず、PKへ。
4人連続で成功させたアルゼンチンが4-2で制し、1986年のメキシコ大会と、1978年自国開催に続く、36年ぶり、3度目の優勝を果たしました。
本大会の最優秀選手(MVP)は、史上初の2度目となるリオネル・メッシ。得点王(ゴールデンブート)は、本大会8得点をマークしたキリアン・エムバペ、また最優秀キーパー(ゴールデングラブ)にはアルゼンチンのエミリアーノ・マルティネスが選ばれました。
2022年の時事一覧はこちらからどうぞ。
